皆さんこんにちは。

本日は「自己愛」について書き留めたいと思います。

 

最近、「自己愛」に関する研究論文をいくつか読ませていただいていますが、自己愛傾向に関する研究では、自己愛傾向を2つの側面から捉えるものが多いようです。

一つは、周囲を気にかけず傷つけられることに鈍感な「誇大型」。もう一つは、抑制的で他者からの評価に敏感であり、傷つきやすい「過敏型」であると言われています。

 

通常は「自己愛性パーソナリティ障害」などの定義を見ると、「誇大型」が典型的な自己愛の強い人、というように考えがちですが、傷つきやすい「過敏型」があるというのは、新しい発見でした。

 

 

トラウマケア専門こころのえ相談室では、以下解説があります。

https://www.kokoro-ashiya.com/

 

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自己愛過敏型は、既にトラウマティック状態に置かれており、気が弱くて、パニックに陥りやすく、過緊張や凍りつき状態にあります。警戒心が高くて、頭の中で熟考し、恥の感情に特徴づけられ、周囲の人が自分にどういった反応をするかに非常に敏感です。そして、他者からの批判に傷つきやすく、容易に侮辱されたと感じてしまうために、他者に非難されたり、欠点を指摘されることを恐れ、社会的に引きこもることで葛藤を避け、自己の万能世界を築きあげて、自分を元気にします。

最近の研究では、自己愛無関心型(世間の目を気にせず、環境に順応せず、自然な流れを拒む)と自己愛過敏型(世間の目を気にしており、環境に順応して、自然な流れに従う)の間を行き来しているタイプの人が多いようです。

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上記でいう「無関心型」というのは「誇大型」のことです。

自己愛の強い人というのは、「誇大型」であろうと「過敏型」であろうと、結局は他者の心のうちを読もうとしない情緒が未発達な人間のことを言うのだろうと思います。未発達だから自分自身に気が付いていないために、内省をする必要も感じないのでしょう。自己愛的なスタンスを変えられないために、その成れの果ては自己愛が強い人間の周囲が疲弊してしまうのです。

 

誤信念課題で有名な「心の理論」というものがあります。

自己愛者は、この心の理論が理解できないわけではないのです。でも理解はしていても、自分の思考と対立する場面に出くわすと、物事の道理や他者の思いよりも自分の感情が優位になり、それを制御できなくなって、自動的とも言えるくらい自然に他者攻撃をしてしまうのでしょう。

 

次元を超えるような社会の発展のためには、社会の調和を重んじるよりも、周囲を顧みずに物事に取り組める自己愛が極端に強いような人間も必要なのでは、という話を聞いたことがあります。

私は、この意見を一般論としては理解できますが、個人的に関わるような各論となれば反対です。

自分自身が崩れてしまえば、社会生活でも家庭生活でも、身近にいる人間に迷惑をかけてしまいます。状況によっては、自分自身を賢明に守ることも必要なのだと思います。

 

最後までお読みくださりありがとうございました。

2024.4.7 #334

 

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