皆さんこんにちは。

本日は、「人生の後半戦を走る」というテーマで書き留めたいと思います。

 

以前に予防医学者の石川善樹さんの講演をお聞きした時に、人生は3ステージではなく4ステージであることを前提に人生設計をすることの大切さを教えていただきました。すなわち、人生を春夏秋冬にたとえ、秋の季節こそ実りの季節であると言われていました。

 

3ステージというのは、昭和型の生き様を代表するような考え方で、「学ぶ時期」「働く時期」「隠居の時期」の3ステージを示します。昭和の成長国家観に基づく生き方としては、これはこれで正しかったのだろうと思います。

しかしながら今後は、リンダ・グラットン教授も「LIFE SHIFT」で言われているように、医療・健康への技術的な発展が人生100年時代をもたらすことはほぼ自明で、もし3ステージで考えると「隠居の時期」が40年も存在することになってしまい、国家競争や福祉財政の点だけでなく、国民一人一人が質の高い生活を維持するためにも、3ステージ論は最善手とは言えなくなってきました。100歳まで生きるとしたら、そもそも生活の収支の上でも、働いた蓄えとわずかな年金収入だけでは、長い老後を普通に過ごすことが不可能だからです。

 

 

本日ある講演で、ビンズー教の4つの人生発達段階の話を伺いました。ヒンズー教では、出生から天に召されるまでを100年と仮定すると、25年ずつ以下のように区切って考えるそうです。

 

  • 【学生期】 人生を生きていくための準備期間。
  • 【家住期】 社会や家庭や仕事において自己の能力を発揮し、個人的成長を続ける。任務と責任の時期。
  • 【林住期】 内面的な探求・洞察の時期。「森の住人になる時期」とも呼ばれる。
  • 【遊行期】 人生と自己について、過去のどの時期よりも理解を深めた状態。林住期に学んだことを明らかにし、他者に還元していく。

 

これによれば、人生の後半を生きるというのは、50歳を超えてからは林住期となり、世間の損得や賞賛・否定などの世界から距離を置いて、自分自身の生き方を振り返るステージに入るということです。

作家の五木寛之さんは著書『林住期』の中で、「このステージこそ人生のクライマックスである」と言われています。家庭や会社での重責から解放される流れの中で、本当の自分を内省し、残りの人生でいかに天命を全うするか、それを考える時期である、という意味なのかと私なりに解釈しています。

 

精神科医のユングも、中年期を人生の正午と考え、太陽が西へ傾く午後は、いままで見えなかった影の部分に陽が差し込んで見えるようになると言っています。

新たに気づき人生の宿題となっていた天からのミッションを、恐れずに受容しながら歩みたいと思います。

 

最後までお読みくださりありがとうございました。

2023.12.2 #317

 

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