皆さんこんにちは。

本日は、「認知行動療法について」というテーマで書き留めたいと思います。

 

福井至先生、貝谷久宣先生著の『やさしくわかる認知行動療法』を読みました。

認知行動療法は現在、うつ病や不安障害を持つ方の治療法として、薬物療法と並んで改善効果の高い手法として認められています。

この療法は、過去の偉人の誰かが考案したというよりは、認知や行動を変えていく様々な手法の総称であるのですが、ルーツとしては、アルバート・エリスが提唱した「論理療法」とアーロン・ベックが提唱した「認知療法」であるといわれています。

 

論理療法は、つらい感情を生み出すゆがんだ認知を「不合理な信念」と呼び、その不合理さに対して論駁(反対意見を見つける)して修正し、合理的な信念を見つけてゆく、というものです。

例えば、「駅で人にぶつかって、舌打ちをされた」という場合、「どうして私はこんなに鈍いんだろう」という不合理な信念が沸き上がり、自分の感情が乱されたとします。でも、その不合理な信念に対して、「相手だって前をよく見ないで歩いてきたんだから、自分と同じだ。これだけ混んでいればぶつかることもあるし、たとえぶつかっても全ての人がそういう態度をとるわけではない。」と論駁して合理的な信念に変えることができれば、感情はだんだんと落ち着いてくるでしょう。

 

また認知療法では、ゆがんだ認知を「自動思考」「推論の誤り」「抑うつスキーマ」の3つのレベルに分類して、認知と感情のパターンを分析します。

推論の誤りの一つに「過度の一般化」というものがあります。例えば、「気になる女性とメアドを交換しメールを送ったが返事がない」という状況で、悲嘆にくれて「自分を好きになる女性なんて、どこにもいない」という認知をした人がいるとします。たった一つでも良くないことがあると、すべてのものごとに当てはめてしまうような思考法ですよね。

 

 

このように物事の捉え方により、人間の感情は大きく左右されます。

また、人間の行動は無意識のうちにパターン化されていることが多いので、勇気をもって行動パターンを変えてみることもゆがんだ認知には良い影響を与えます。

(過去に囚われることがすべて悪いわけではなく、過去の経験を通して記憶され良い学習もできるのですが、自分にとって過剰に好ましくない学習をしてしまう場合もあります。)

まずは行動を起こして、身体面でのリフレッシュをするとともに、入ってくる刺激をポジティブな要素に変換していく(それに気づいていく)ことも大切ですね。

 

思考の悪循環にはまってしまったら、少し高いところから自分を見つめて、そういう悪循環の中でもがいている自分を発見できたら、少しは落ち着きを取り戻せるのではないでしょうか。

その上で、ものごとの捉え方を柔軟にしていくことで、体勢を立て直してゆけるのではと思います。

 

こういう思考の立て直しは、なかなか自分ひとりで行うことは難しいです。臨床心理士のような心理支援職に手伝ってもらいながら、心の健康にも留意していきたいと思います。

 

最後までお読みくださりありがとうございました。

2023.10.7 #309

 

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