皆さんこんにちは。

本日は「タスク思考の落とし穴」というテーマで書き留めたいと思います。

 

私たちは仕事(タスク)を行う際に、決められたタスクを行い仕事を完結させます。まだ決まっていないタスクがあれば、どのようにすれば効率的にその仕事を行うことができるか考え、試行錯誤の上に定式化しルーチン業務の位置づけに落としていきます。このように、なるべく判断事項が伴わないように仕事を定式化して誰でもが行えるように共有化することが求められ、それは主にマネージャーの役割になっています。

 

でも、チームの仕事をメンバーに割り振れば、そのチームはチームとしての仕事が完遂できるのでしょうか。すなわち、積み木を積み上げるように、ただ単に各自が自分の仕事だけを行えばチームの成果に結びつくのでしょうか。

 

 

私は違うと思っています。

計算上は可能のように思えますが、それはあくまで仕事ユニットを積み上げる際に、能力的にもスケジュール的にも、計画通りのパフォーマンスを出せるメンバーが揃っているときの仮定でしかありません。メンバーの中には熟練者もいれば、成長途上の若手社員もいれば、また家庭の様々な役割を背負いながら働いているメンバーもいます。また、メンバー自体の人選をする権限も一般社員には通常はないのです。

そして仕事は一人ではできません。チームメンバーの協力によって作り上げていくものです。ですから、メンバー間に起こっている関係、気持ち、暗黙の役割分担、雰囲気などの「関係プロセス」を考えること無しに、チームの仕事は完遂できないといっても過言ではありません。

 

タスク遂行能力が高い人間は、得てしてそういう関係プロセスを無視しがちです。ましてマネージャーになれば、タスク遂行能力の有無よりも、関係プロセスをいかに大切に扱い、チームとして安定的な成果を出せるようにする人間力の方が問われるのです。「タスク完遂能力が高いのになぜ私は処遇されないの?」という思考の人間もいますが、そもそもそういう考え方自体が偏っているとしか私には思えません。

 

相応の規模の組織を想定すれば、一人で自己完結できる仕事など滅多にありません。逆に自己完結してしまい、他者が割り込めないようにしている行動がもしあるのだとしたら、その行動こそ問題視されなければならないのではないでしょうか。

 

タスク遂行能力を高めてゆくことは、私たち組織人の責任でもあり条件でもあります。ただし、チームビルディングのために自分がどうすればよいかを考え、そのリーダーシップの発揮の仕方を謙虚に考えるマインドこそが基礎的な必要条件であり、タスク完遂能力はその中で求められる一つの要件に過ぎないのだと私は思います。

 

部分の総和は必ずしも全体を表すとは限りません。人間が集まれば、当然にプロセス・ロスも生じるし、微妙な関係性の中で消耗していく部分もあるでしょう。

そういう人間関係プロセスに配慮できる能力こそが、組織マネージャーには必要なのだと思っています。

 

最後までお読みくださりありがとうございました。

2023.9.23 #307

 

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