皆さんこんにちは。

本日は、「リーダーは「感情労働」が大切か」をテーマに書き留めたいと思います。

 

『モチベーションに火をつける働き方の心理学(池田浩著)』を読みました。

その中で池田先生は、労働の種類として3つの形態を提示されています。一つは「肉体労働」、二つ目は「知識労働」、そして三つ目として「感情労働」を挙げておられます。

 

感情労働とは、相手に感謝や安心の気持ちを喚起させるような、公的に観察可能な表情や身体的表現を作るために行う感情の管理のことをいいます。

この感情労働が求められる職種として、小売等の販売員やウエイターなどのサービス業、医療従事者、コールセンターのオペレーター、営業職などがあります。つまり、表情や行動を通してクライエントに対し、心の世界での安心や好感的承認を与えることが求められる職種です。

 

しかしながら、このような職種に従事する人々全員が、クライエントに対し、常にポジティブに接することも難しいです。クライエントによっては購入する立場を拡大解釈し、無理難題を押し付けたり、クレーマーのように些細なことにこだわって攻撃的な態度をとるようなこともあるでしょう。いくら役割だからといっても、サ―ビス業従事者にも限界があります。

ですので、表層で求められる態度と本人の思いが乖離するような事態が頻発すれば、燃え尽き症候群(バーンアウト)のように、その仕事に従事し続けられなくなることもよく聞く話です。

 

 

一方、組織リーダーはどうなのでしょうか。

部下を指導し評価する権限を持っているという意味では、上記のようなサービス職とは異なるのでしょうが、実際には与えられた職責を果たすために、上席と部下の間に入り、部下の仕事面の進捗管理だけではなく、部下の成長支援や心のコンディションのフォローまで行うことが求められます。またそういう細かなフォローができないリーダーのもとからは、この働き手不足の時代に、若手優秀層が簡単に職場を去っていくことも稀な現象ではないのが実情です。

 

部下の中には、自分の将来像を見据えて、リーダーの立場で物事を考えられる人間もいますが、通常は現在自分の見えている世界の範囲で、自分本位で判断し主張してくるケースが多いと思います。私自身の経験からいっても、そういう人間の心を開いて指導するのは、相当しんどいことだと感じてきました。

 

私は、リーダー職も一種の「感情労働」が求められていると考えます。リーダーは知識労働だけではなく、感情労働も求められ、その上で職責を果たしていかなければなりません。そうであれば、リーダー層に相応の処遇があるのも当然であると思うのです。リーダーは、経営層の立場でその期待に応え、また処遇に紐づく責任に負けないよう自分の職責を果たそうと臨んでいるからですし、その覚悟を持つことがリーダーとしての必要条件なのだと感じています。

 

最後までお読みくださりありがとうございました。

2023.3.5 #278

 

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