皆さんこんにちは。
本日は、「リーダーになるということ」というテーマで書き留めたいと思います。
現在、リーダーシップに関するゼミで学んでいることで、自分自身のリーダーシップの特徴や至らなさを認識し、今後どのように発揮していくかを考える機会となっています。
今までの自分のリーダー歴を振り返ってみると、殆どが失敗の連続であったと言わざるを得ないような生い立ちになっていたことも改めて感じています。けれどもそういう回顧を懐かしむのではなく、今後日本で社会を牽引する次世代の方々に、どうしたら自分の今までの経験を少しでも活かして、彼ら彼女らのリーダーとしての成長に寄与できるのか、その点に焦点を当てて考えていきたいと思うようになりました。
身近なところでも、管理者としての荷を背負うことに対して、相当なプレッシャーや不安を抱えている方が多いように感じます。私も新任管理者時代は、同じように不安の毎日でした。管理職然としようとすればするほど、借り物の自分に怖くなる自分を感じてしまっていたのです。
内田樹さんの『寝ながら学べる構造主義』という本の中に、「大人になること」の定義として、理不尽さを受け入れることとの記載があります。日本の民話でいえば「こぶとり爺さん」の話で、聖書でいえば「カインとアベル」の話で、因果とは関係がないところで理不尽な差別が起こりうるのがこの世の中であり、それを受け入れ通過する者が大人となる、とのくだりがあります。（ジャック・ラカンの分析的対話より）
管理者やリーダーになることの一つの通過儀礼は、この理不尽さを受け入れることなのかと思います。
管理者は、自分で実務的に物事を成すのではなく、他者を通じて成果を上げられるような仕組みを作り、他者にモチベーションをもって任に当たってもらえるようにすることが役割です。自分の得手分野だけではなく、不得手分野の成果に対する責任も負わなければなりません。でも組織の課題を把握し、メンバーの個性・能力を理解し、その上で成果を出すための仕組みを考えたとしても、常に課題は変化していくし、メンバーは必ずしも管理者が考えたように物事を受け入れない。人によっては、問題が起こったりまた自分の至らなさのために厳しく指導されたりすると、管理者の人間性に問題があると開き直る人間が出てくるのもありがちなことです。
私も管理者の端くれとして、信じられない経験をしてきました。自分の行動や能力を棚に上げて、私の指導をハラスメントであるとトップに吠えた人間もいました。「飼い犬に噛まれる」とはこのことを言うのかと、この諺にひどく共感しましたね。
つまり、管理者のおかれた環境自体が、ある種理不尽なんです。他者の想いや感情は、自分のそれとは違うからです。よって、いくら正確に量的に仕事を分配し積み上げても、いくらジョブを見える化してＩＴ技術を使って管理しても、成果に繋がらないこともあるわけです。自分がその管理業務にどれだけ熱量を上げても、仕事を与えられる側には伝わりにくい。極端に言えば、仕事を与えられる側が、管理者と同じ境遇で同じ辛酸を舐めたことが無ければ究極的には伝わらないでしょう。
ではその理不尽さをどう受け止めるのか・・・。
これはスキルではありません。一種の覚悟でしかないのだと思います。そして辛いけれども受け入れると覚悟を決めたら、あとは自分と同様、辛いながらも受け入れようとしている仲間とのつながりを持っていくことなんだろうと思います。
管理者が、報酬の上で一般社員と比べて高いのは当然のことだと思います。その理不尽さを受け入れた上で、組織成果を出す覚悟をもった人間に贈られる重たさへの報酬だからです。
生まれつきのリーダーはいません。本人の覚悟と周囲の協力があって初めて、人はリーダーになれるのだと思います。その覚悟を持って頑張ろうとしている人間を、私は応援したいと思っています。
最後までお読みくださりありがとうございました。
2023.2.18 ＃276
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