皆さんこんにちは。

本日は、「良識とは何か」というテーマで書き留めたいと思います。

 

ある友人から話を聞きました。

その方は私立学校の教職員として奉職していて、文化祭の季節にあってその諸準備に忙しくされていたときのことだそうです。

 

学生たちの活動発表の場でもある文化祭ですから、できるだけ多くの方に来場していただきたいのはまやまなのでしょうけど、いくら社会的にコロナとの共存・経済との両立がトレンドになってきているとはいえ、感染対策は講じなければなりません。

当然に人数制限を行わざるを得ないのですが、保護者の中にその人数制限が納得いかなかった方がいて、必要に学校側に電話連絡を行い、役職者まで呼び出して自分たちの我儘を通してしまったことがあったようです。

 

人数制限する方もされる方も、誰も本意ではないのです。でも公共の利益のために一定の枠を設けて、当事者間の協力によって感染拡大を最低限に抑える自制をしているのです。

家族みんなで参加したかったご家庭も多くあったようですが、学校側の趣旨を説明すると、殆どの方は人数枠のことを理解してくださったようですが、前述の保護者は、自分たちの我儘を最後まで押し通してこのルールを捻じ曲げてしまったのです。学校側もあまりの言葉の凄さに音をあげたようです。

 

後から聞いたところによると、電話をかけてきたこの夫婦は共に開業医なのだそうです。常に自分たちが「先生」と呼ばれる狭い環境にいると、世間の良識すら分からなくなってしまうのでしょう。かわいそうなのは、その保護者の子どもです。教職員や同級生から、そういう親の子どもだと見られてしまうことを、その保護者はわかっていないのです。

 

 

良識というのは、市民としての自覚だと思います。生きているのは自分たちだけではないのだから、権利を行使できると同時に義務や責任も負う真摯さを持つことであり、他者との共存の中で、他者の笑ったり困ったりしている顔を見ることができるのかどうか、その上で自分がなすべきことを考えられるかどうか、そういうことだと思います。

 

他者の顔を見る心の余裕や優しさを持ちあわせていないこの医者夫婦に、患者を診る本当の医療が提供できるのか、私にははなはだ疑問に思えました。

 

自分自身も参加している共同体の中で、同僚の顔をしっかり見ることができているか、改めて内省したいと思います。

 

最後までお読みくださりありがとうございました。

2022.10.22 #260

 

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