皆さんこんにちは。
本日は、「OSとアプリ」というテーマで書き留めたいと思います。
今週は、当社で新入社員研修がありました。普段であれば、会議室でスライドを用いながらレクチャーするのですが、昨今の状況に対応するため、インターネットを使ったテレビ会議方式で実施しました。そのような企業も多いのではないかと思います。
その研修の中で、私自身、改めて感じるところがありました。
課題図書として、中原先生著の「働く大人のための学びの教科書」を使っているのですが、その中に「OSとアプリ」の話が出てきます。この書籍の中では、学び方の視点から、基本となる考え方(=OSの部分)とスキルを活かす行動の仕方(=アプリの部分)に例えて解説されています。
私が感じたのは、いくら優秀なアプリを搭載しているパソコンでも、OSが正しく制御できないものであったら、アプリは活かされない、ということであり、このことはパソコンの世界だけではなく、人間力にもつながることなのではないか、ということです。
私の過去にも、また現在の周囲にも、幅広い、奥深い知識やスキルを持っている方がいます。営利目的の企業にせよ、知識創造のアカデミーの機関にせよ、そのような知識やスキルは、成果を生むために必要なものですし、有効に活用したいですよね。
しかしながら、その知識やスキルは、一人で占有していて良いものではありません。組織内で共有したり、いずれは後輩たちにバトンタッチしていかなければなりません。それが先人としての使命だからです。
シェアしていく場合には、表面上の所作だけ引き継いでもうまくいかないことも多くあると思います。知識やスキルの差もあるし、その時々の状況も異なるし、それにも増して人間は、一人として同じ人間はいないので、物事を考える思考手段や経路がそれぞれ違うので、伝える側の人間がOKと思っても、受ける側はOKでないことも普通にあるでしょう。
そのときに必要なのが、幅広い受入れができる人間力(=人間のOS部分)の存在なのです。気に入ったアプリしか搭載できないOSでは、限られた範囲のタスクしかできませんし、データ互換性も生まれません。
人間関係も同じで、自分の好き嫌いや損得だけを基準に仕事をするような姿勢では、結局は大きな仕事を多数の人間と行うような役割になったときに、その役割に堪えることができなくなってしまうと思います。
OSに支障があればアプリを上手く稼働できないように、実社会においても、「自分理解と他者理解」、「他者への一定の配慮と優しさ」、「困難な状況でも耐え抜き周囲を鼓舞できるモチベーションやリーダーシップ」のような人間としてのOSをしっかり身につけることが、特に若い時代には必要なことで、そのことを新人にも伝えさせていただきました。
問われれば、かく言う私自身がどれだけ言動一致しているか、不安なところも多々ありますが、一緒に学ぶことで、改めて学べたことに感謝したいと思います。
最後までお読みくださり、ありがとうございました。
2020.4.11 #068