こんにちは。

今回は、「リーダーとは(その2)」と題して書き留めたいと思います。

 

本日は、しばらくぶりでWリーグ(女子実業団バスケットボールリーグ)の公式戦を大田区体育館へ観に行きました。対戦カードは、デンソーVS東京羽田でした。ちなみに私は、古くからデンソーを応援している一人です。

 

余談ですが、スポーツ界にも新型コロナウィルスの影響による色々な対応が出てきていますが、本日の試合でも、試合中のプレイヤー同士は別として、一般観客と選手との接近を伴うハイタッチなどのファンサービスは控えるような工夫がなされていました。

 

バスケットボールの解説っぽくなってしまいそうで申し訳ないのですが、本日のテーマを試合中に身近に感じたので、そのことを述べさせていただきたいと思います。

 

デンソーと東京羽田では、チームとしての格は明らかにデンソーが上手で、経験も身長も、もちろんいままでの対戦成績でもデンソーが圧倒的に有利で、いくらアウェイであってもデンソーの勝利は間違いないと考えていましたし、私もそのつもりで、デンソー応援席で本日の試合を観戦していました。


ところが3Q終了時になっても、想定しなかったことにまだデンソーはエンジンがかからず、羽田に対して9点ビハインドとなっていました。その後最終Qに入り、デンソーは自力や高さで一旦は追いつくものの、世界戦で大活躍した本橋選手(羽田)の活躍などでまたリードを許すような厳しい展開でした。一進一退の攻防が続き、残り約30秒で羽田の攻撃を何とかしのぎ、アウトオブバンズ(=ボールがラインを割ってプレイが中断すること)でマイボールとなった時、コート上にいたデンソーキャプテンの高田選手が、コートを走って横断して、自陣のヘッドコーチにタイムアウトを取りたい旨伝えたのです。

ヴィクサノヴィッチコーチはすぐにタイムアウトを取りましたが、私のいままでの経験で、選手がコーチに対し、それも勝敗がどちらに転ぶかわからない緊迫した状態で、且つ取得できる最後のタイムアウトチャンスを要望した姿は、とても印象的でした。

 

高田選手はご存知の通り、全日本のキャプテンまで務めたベテランでチームの支柱ではありますが、コートの上では1プレイヤーでしかありません。基本的に戦略、戦術を立て、試合中の差配を行うのはヘッドコーチの権利でもあり責任でもあるのです。

それを承知の上で、チームのため、勝利のために強く要望し、結果的に勝利に導いたことは、リーダーとしての役割を本当に演じきったと感服しました。

 

本日のケースは、いくらコーチが作戦を練りプレイを指示しようとも、1つのプレイ結果で試合の流れや精神的な状態が刻々と変わるコートの上にいる選手にとっては、自分の感性で責任を持って判断し動かなければならないときもある、ということだと思います。優秀なコーチでも、コートの中のことは、ベンチにいたらわからないことはあるのは、私自身がプレイヤーとしても常に感じてきたことでした。

 

バスケットボールを仕事や人生に単純になぞらえることはできませんが、仕事上で、常に誰かが優しく噛み砕いてくれるのを受動的に待って指示を仰いでだけいれば、自分の役割は全うできるのでしょうか・・・。

自分の人生は、節目では自分自身でチャンスを掴み、負うべき責任を自ら判断し、ある意味でキャリアの主人公としてプライドを持って歩むこと、それも大切なことではないかと本日の高田選手の行動を見て感じました。

 

デンソーアイリス! 逆転勝利おめでとう!

 

最後までお読みくださり、どうもありがとうございました。

2020.2.23 #053