皆さんこんにちは。

今回は、「学びの動機付け」というテーマで書き留めたいと思います。

 

現在私は、放送大学大学院で「教育心理学特論」というテーマを学んでいます。

私が現在の仕事を離れた後も、ライフワークという形で今後ともかかわっていきたいテーマがこの「動機付け」です。

 

人間は、どのような環境でモチベーションが上がるのか、またなぜ「モチベーションを高く保てる人間」と「物事に対して無気力な人間、常に責任を逃れようとする人間」の2種類が生まれるのか、私の中ではその答えが探し出せていません。

 

ヘップという学者が、被検者に対し、1日に20ドル(現在では2~3万円に相当するようです)の報酬を被検者に渡し、食事、衛生、就寝環境がすべて整っているような快適な環境で、何もしないで長期間休んでいられるか、という実験をしました。

 

普通の人間は、最初の2~3日は喜んで休んでいるものの、多くの人はそれ以上はその環境に堪えられず、ギブアップしたそうです。つまり人間は、いくら物理的に生存に適した環境でも、「いるだけ」では満足できず、何らかの刺激を求める動物である、ということです。

これは、当時、人間は嫌と感じる刺激から逃れようとするのが行動原理である、という「行動主義心理学」への疑問という形で提起された研究成果であったといわれています。

(その後、行動主義心理学から認知主義心理学(心の科学)へ移行してきた歴史は皆さんもご存知のことと思います。)

 

人間には、「好奇心」というものが誰にでもあり、それもどんな刺激でも好奇心が湧くわけではなく、特定の物事に対して探求することを好む性質があるといいます。それも人によって、自分一人で探求心を育てていけるタイプと、周囲の社会環境の影響があって探求心が備わっていくタイプの2通りがあり、保護者、教師、企業でいえば管理者や先輩が、学習する個々人のタイプを見極めて、必要な環境や仕組み、テーマを与えていくことが、その人の探求心を向上させるポイントになると教えてくれています。

 

また、お金や報酬などの外発的動機付けは、本来学習者が好きであった行動を、やり方によっては抑制してしまう可能性もある、とのこと。

いかに内発的動機付けを基本とした行動に自然とシフトしていけるか・・・

 

ピーター・センゲが「学習する組織」という本を出されています。

人間は基本的に変化を嫌がる生き物です。これ(=刺激に対して、まずは闘争・逃走の反応)は本能といってもいい習性ですので、その習性を否定するだけでは変化を起こすうねりを生み出せない。

バイアスを理解し自己をコントロールすること、自己マスタリー(自己成熟)のために内省を繰り返すこと、このような自分を変える努力をする必要性を、上位者に当たる人間が丁寧に学習者に働きかけ、集団としてのゴールを示し共有し、いかに組織体として成果を上げるためにメンバーの思いを集約させることができるか・・・

 

これらが動機付けの最大のポイントなのでは、と思っているところです。

 

ところで、動機付けの高低に年齢は関係あるのでしょうか。

年齢が上がれば自己制御、自己成熟が伴い、自己動機づけに繋がりやすいのではと考えられますが、実際私の経験からは、年齢は一切関係ないようです。

若い世代でも、中堅でも、また組織を牽引する壮年世代でも、成長・脱皮していくような機会に対し過剰に躊躇する人間も見られます。これはDNAや過去の成育歴などの個人的要因の影響か、あるいは組織の環境要因なのか・・・

 

継続して学んでいきたいと思っています。

 

最後までお読みくださりありがとうございました。

2020.02.09 #049