こんにちは。
今日は「直感は訓練によって身に付く」というテーマで考えたことを
書き留めたいと思います。
自然科学はもちろんのこと、現代では社会科学もなるべく「サイエンス」
で解明し、そのメカニズムをもって答えを導き出すことが常道だ、という
風潮が強いですね。
私の現在専攻している心理学も、心という見えない相手に対し、
何等かの概念を使って仮説検証したり、先端機器の分析技術を用いて
科学的に捉えようとしている部分が多いと感じています。
もちろん、このような手法も人類の幸せを追求するためには必要と
思います。
現在興味を持って読んでいるのですが、「単純な脳、複雑な「私」」という
池谷裕二さんの本があります。
その中に、「直感は訓練によって身に付く」というくだりがあり、
私は妙に納得してしまいました。
理由はわからないけれども「これしかない」と感じるのが直感であり、
一種の手続き的記憶のようなものだと言われています。
自転車を操作するのも、箸を使うのも、特段私たちは考えることなく
身体が反応しますよね。
そういう身体が自然と反応するようなものが直感だと。
でも、思考の上で直感的に物事を判断して正解も導き出せるのは、
多くの訓練や経験に裏打ちされているからであり、新規なものには
直感は働かないようです。
人間の記憶はコンピュータのように正確に記録され、写真のように
細やかに格納されているわけではありません。キャパシティの上で、
そんなことをしたらオーバーフローしてしまいます。記憶は、ある意味
自分の都合のいいように曖昧に保存されます。
従って、直感というものは、意識の部分よりは無意識の部分からの
応答でもあり、コンピュータとは異なる人間固有のユニークさや可能性
を示してくれるものと思います。
コンピュータ全盛で、AIが人間にとって代わる、のように言われる時代
にあって、「直感」の存在を知って、ITリテラシー欠如の自分にはちょっと
ほほえましく感じました。
最後まで読んでくださりありがとうございました。
2019.10.16. #013