こんにちは。

本日は、「私たちが学びたいこと」について、ともに考えてみたいと思います。

 

先日のブログ(「心の理論」 2019.9.15)でも少々触れましたが、社会生活、特に営利目的

の企業人としては、仕事に必要な「知識」とそれを使える「スキル」、そしてそれらを使って

利益を生み出せるような「思考・行動」を学ぶことがまずは求められます。

これは企業人としては、労働の対価を賃金という形で受領する以上、好き嫌いに関わらず、

働く者の責任ともいえます。

でも社会生活をしていく中では、すべてが順風満帆とはいかず、色々な不条理な世界も経験

し、そのたびに、笑いと涙を繰り返しながら上記の基本的な枠組みに適応していく・・・

これが現実ともいえるかと思います。

 

先日、加藤諦三さんの『大学で何を学ぶか』という書籍を読み、企業人として、本当に学ぶべきことについて考えさせられました。

加藤さんは同書籍の中で、「眼に見えないものの大切さをしっかり学んでほしい。」と読者

に問い掛けておられます。私流に解釈すれば、「身体の傷は他者から見ても理解できるが、

心の傷は分かりにくい。それを理解できるような人間に育ってほしい。」ということかと

勝手に解釈いたしました。(違っていたらごめんなさい)。

でもこのことは、大学で学生だけが学ぶことではなく、ビジネスの第一線に身を置く人間に

とってこそ、また政治・社会で他者に影響力を持つ人間にとってこそ、意識をしなければ

ならないことであるとも感じます。

 

日本の心理学の父である河合隼雄先生は、著書の中で、「人間の心がいかにわからない

かを骨身にしみてわかっている者が「心の専門家」である」と言われておられます。

河合先生のようなご専門の先生でも、他者の心に対しての配慮や寄り添いの難しさを

述べておられることから、私たち一市民は、doing(行動、やるべきこと、できること)だけ

ではなく、being(その人の存在、その人を作ってきた背景やキャリア)にも目を向ける

ような学びを、特に意識して行っていかなくては、と改めて思いました。

 

また、「目に見えないもの」は、「人の心」ももちろんですが、過去から現在にいたる歴史も

その一つであると思います。テレビを通して現実に展開している事象に対し、過去から

繋がっている歴史上の事柄を正しく理解し学ばないと、間違った判断をして次世代の方々

に負の遺産を残してしまいかねませんね。

 

常に周囲をウォッチしながら学ぶ姿勢をもち、必要な時に勇気をもって決断し、物事を

変えていく行動を起こすことは、決して楽なことではありません。でも、少しづつでも

そういう意識を持つ人たちと協働できれば、一人の微差の集積は、きっと大きな力に

なるのだろうと思います。

 

最後までお読みくださり、どうもありがとうございました。

2019.9.23. #004