皆さんこんにちは。
本日は「正解至上主義からの脱却」というテーマで書き留めたいと思います。

「AI時代の戦略的生き方のすすめ」というテーマの藤原和博さんの講演を聞きました。
今までは、与えられている正解にいかに早く辿り着くか、という偏差値的能力が頭の良さの基準でしたが、どうやらそういう時代は過去完了しているようです。藤原さん曰く、現在は「情報処理力」ではなく「情報編集力」が求められる時代で、異なる要素を掛け算で繋げる力こそ必要だと言われています。

本日もある人事勉強会に参加していたのですが、その中でも同様のことが言われていました。すなわちTフォード生産に代表されるように、同質のものを大量に生産して市場に流し込むことがメーカーの役割であったと言われた工業化の時代では、情報処理力を所持することが正解であったわけですが、デジタル化が進んだ現代においては、処理はマシンに任せて新しい価値を作ることが人間の仕事であると。
また人間の側も、同じような仮面を被って誰でも代替が効くような仕事しかできなければ、じきにAIに仕事を奪われるだろうとも言われていました。

だから我々一人ひとりは、市場において「希少性」のある存在たらねばならないと藤原さんは言われています。カードゲームであれば、レアカードの存在になるということでしょう。
誰でも代替が効く、またAIでも簡単にできるしAIであれば文句も言わず24時間働くとなれば、我々はそういう組織内での存在価値は無くなってしまいますね。
 

 

法律や社会規範、また組織のルールが明確になっているような社会においては、正しいか正しくないかはAIで瞬時に判断がつくし、対策も立案可能です。でも大切なのは「正しいか正しくないか」という論理上の問題だけではなく、社会にとって、また当事者にとって「良い選択なのか否か」という社会的存在の上での人間臭い判断なのではないでしょうか。

ハインツのジレンマという課題があります。
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1人の女性が病気で死にかけていますが、ある薬によって助かる可能性があります。
それは、同じ町に住む薬剤師が開発したものです。
薬剤師は、その薬を作るのにかかった費用の10倍の2000ドルの値をつけました。
女性の夫ハインツは知り合い全員にお金を借りましたが、費用の半分しか集められませんでした。
ハインツは自分の妻が死にかけていることを話し、安く売ってくれるように、
さもなければ残りを後で払えないかと薬剤師に頼んでみました。
しかし、薬剤師の返事は 「ダメだ、私がその薬を発見したんだし、
その薬で金儲けをするつもりだからね」 でした。
ハインツはやけを起こして薬局に押し入り、妻のためにその薬を盗み出しました。
(https://note.com/water_paro/n/ncac985bb79e4より)
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社会的な正しさを言えば、お金を払わずに強奪することは許されるはずはありません。でもこの問いを受けた時、全く迷わずに正しい答えを発して平然としていられるのかどうか・・・。
私は迷うのが当然ではないかと思うのです。「正しいこと」というよりは、その場その場で考える「良いこと」を自律的に考えていくことが大切なのではないかと思うのです。

AIに代表される正解至上主義がすべて正しいのであれば、AIが裁判官や検事をやればいいのでしょう。でもそもそも立法をしたのが人間なのですから、時代や環境に合わない規範や判断を変えていけるのも人間なのだと思います。
私はAIが裁きの番人になるような社会が来ないことを切に願っています。

最後までお読みいただきありがとうございました。
2026.6.14 #418

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皆さんこんにちは。

本日は、「心理的安全性の再考」というテーマで書き留めたいと思います。

 

ご存じの通り「心理的安全性」については、E.エドモンドソン教授が1999年に「Psychological safety and learning behavior in work teams」という論文のなかで述べています。端的に言えば、組織やチームの中で、メンバーが自分の考えや疑問を自由に表明できる状態、すなわち「対人関係においてリスクを取ることができる安心感」を指すとのことです。

会社でもよくある景色ですが、成長のためには試行錯誤は大切であると言いながら、実際にはマイクロマネジメントによって小さな失敗も許されないような運営をしていたら、心理的安全性は無いに等しいでしょう。

 

学業の世界にも同様なことが言えると思います。

研究者として試行錯誤しながら、たとえ小さな一歩であっても世の中に新しい価値を提供したいと思っている学生に対し、指導者の立場から「このテーマは面白くない」とか「そもそも研究のスタンスが違うんだよね」とか、また自分が考えていない概念や知識をひけらかすかのように押し付けてくるようなことをされたら、指導を受ける研究者が「次は何を言われるんだろうか、不安でたまらない」という気持ちになってしまうのもやむを得ないことなのではないと思います。

 

 

ノーベル賞を受賞した湯川秀樹教授の流れを汲む京都大学の研究室では、難易度でも最高峰の研究を続けていますので、どれだけ優秀な学生が集まっていたとしても、中々成功事例は生まれないそうです。当然にほとんどが失敗に終わるわけですが、それでも「ナイストライ!」と励まし合って研究を続けるそうです。一生懸命に考え挑戦したのであれば、その勇気をみんなで称えようとしているわけです。

現在私が所属している研究室では、指導教授が人格的にも素晴らしい方で、研究生への指導も暖かく丁寧にしてくださるので、私は本当に指導教授を敬愛しています。このゼミに入れていただいて良かったと心から感じています。
このような心理的安全性を感じるゼミにいるからこそ、安心して新しいチャレンジができるのだと思っています。

世の中に「正義」は、人の数だけあると思います。
力ずくで湾岸を封鎖することも、宗教のために自分の命を犠牲にすることも、それを信じる人にとっては正義になるわけですが、そういう極端な正義感を持った人間のために、仲間と協力しながら幸せに生きていきたいというようなごく普通の理想を持った人間たちが不幸になるような現実は、私は異常であると思います。
正しいか正しくないか、それを判断する際には「共通善」と言われるような人間としての身近な基準について、また犠牲者となるのが自分の家族であったらどうなのか・・・。正しさを振り回す指導者たちには改めて真摯に考えてみて欲しいと思います。

最後までお読みいただきありがとうございました。
2026.5.30 #417

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皆さんこんにちは。
本日は「企業の非財務情報の価値について」というテーマで書き留めたいと思います。

慶応MCCの夕学講演会で保田隆明先生の講演を聞きました。
現在は、財務諸表上で表される資産数値は企業の大切な価値を表してはいるものの、それだけでは将来の成長可能性を測ることが難しいとのことから、ISO30414のような規格を通して、財務諸表上では見ることができない「非財務情報」についての関心が高まっています。

その非財務情報の最たる要素が「人」なのですが、企業にとって「人」は、今までは財務諸表ではPLの上の人件費にしか表すことのできない存在でした。
しかしながら、やる気とかモチベーションとか使命感とか、そういう活性要素をふんだんに持っている従業員を擁している企業なのか、それともチャレンジして失敗することが出世の妨げになるから言われたことだけを行うことが美徳文化である企業なのか、その差は投資家にとって投資判断における重要な差異基準である、といわれたことが「人的資本経営」のスタートとなったのです。
 

 

ところで私たちは、自分の人生全般をベースに、職業人生をナラティブに語ることができるでしょうか。辛いことや想定できないことを経験し、夜も眠れないほど悔しい思いもしながら、それでも自分らしく生きたいと願い、何とか現実と折合いながら現在を迎えておられる方が大半かと思います。私は、チームメンバーの想いをシェアするべく努力してきたつもりでしたが、どうしてもその壁を乗り越えることができず、表すとしたら情けないナラティブストーリーしか話すことができない失敗人生を送っています。

でも自分らしさというのは、実はどういうことなのでしょうか。
メンバーは協働の大切さを語ると同時に、各人の個性や可能性を最大限に引き延ばすことがなされる時、そのメンバーも属する組織も最大限に成果を上げる可能性を秘めているのではないかと思います。
以前に大リーグのイチロー選手が、「自立した個人が集めるチームでなければチームプレイなど生まれない」と言われていたのを思い出します。
チーム内の仲間との協働関係を過度に意識して形式的な「和」を求めるよりは、私はチームを違えても、自分自身の成長可能性を真摯に追い求める姿勢の方が大切ではないかと思うのです。

企業も同じでしょう。
PPM理論でいう「金の成る木」に執着し、「問題児」を「スター」にする努力を怠る企業、そういう変化の大切さに対して学ぶ勇気を持たず、見て見ないふりをしている経営陣がのさばっているような企業では、ナラティブな語りを企業自身が発することは出来ないのではないでしょうか。

新卒で社会人デビューを考えている学生にとっては、企業の実績だとか福利厚生も大切でしょうが、ナラティブに生の企業の直面している状況や、苦しくてもありたい将来を語る・・・そんな企業に入りたいと思っているのではないでしょうか。

保田先生のお話を伺い、改めて残された企業人生の中で、自分自身が与えられたミッションをしっかり果たしたいと思いました。

最後までお読みいただきありがとうございました。
2026.5.16 #416

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皆さんこんにちは。
本日は、「図書館訪問で考えたこと」をテーマに書き留めたいと思います。

このGW中は、普段は仕事で中々手が付けにくい修士論文作成の準備を集中して行っています。私のテーマは組織行動や動機づけに関連するもので、先行研究は海外論文が主になりますが、先行研究の中には論文だけではなく書籍(英語版)も該当する場合があり、その場合にその書籍を探し出して必要な部分を確認する作業は、正直申し上げて骨が折れます。

ただ、原典である該当書籍に実際に当たることをせず、他の先行研究論文の記載だけを頼りに自分の論文に転載してしまうことは「孫引き行為」になってしまい、研究倫理に反してしまうので、参考文献として自分の論文に記載する場合には、必ず該当の原本を確認することが求められるのです。


 

今回私が探していた書籍は1988年に米国で出版された書籍で、40年ほど前に出版された古いものなので、私が現在通っている大学院にも所蔵されておらず困っていました。
私の検索の仕方が誤っていて、国立国会図書館に所蔵されているように見えてしまったので一昨日に同所に伺いましたが、やはり所蔵されておらず、でも全国の図書館の中で6か所だけ所蔵されている図書館の記載があることを教えていただきました。
昨日は他の要件もあって母校の図書館に伺いましたが、その際にOPAC繫がりであれば所蔵されている他校の図書館で書籍を手に取ることは可能である旨をお聞きしたので、早速その足で所蔵図書館に伺い、該当書籍を見ることができました。

その際に特に驚いたのが、その図書館の職員の皆さまの対応でした。
入口受付で事情を話すと、他校大学院の学生証で入館させていただき丁寧な館内のご案内をしていただきました。また該当する書籍を自力で探したのですがすぐに見つけられなかったためにフロア受付の職員の方にその事情を話したところ、その受付の方が該当書籍のある所までわざわざ案内してくださいました。
確かに外部の者ではわからないようなところに所蔵されていたのですが、海外の古い書籍だったので、エレベータを2つ使い地下3階まで移動し、さらに相当奥まで進んだ一角にその書籍はあったのです。

母校の図書館職員、また所蔵されていた図書館の職員の方々の親切な対応のおかげでやっと見つけたその書籍でしたが、研究する組織行動の定義という面では、本当に多くの論文にその記載があるので、先行研究を行い論文を書いてこられた先達の皆さんは、同じようにご苦労されて論文を作り上げてきたのかと思うと、私も研究者の端くれとして、改めて言葉や文字の重要さを認識した経験となりました。

私の論文作成作業は、諸事情があって決して順調とは言えないような変遷で今日を迎えているのですが、やっと計画書レベルまでは作成できて指導教授に提出できました。
知識を整理し、新たな思考や理論を作り上げていくような作業をする際に、図書館は国の大切な機能の一つであることを実感した経験でした。

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皆さんこんにちは。
本日は「ベーシックサービスを考える」というテーマで書き留めたいと思います。

品川区長の藤澤さんの講演を拝聴しました。
区長は目指す社会として、「変化のスピードが速く、先行きが不透明な時代だからこそ、不安や不満といった「不」を取り除き、多様な選択肢を提示することが必要」と言われています。そしてその根幹には、「自己責任社会からの転換」を行い、「弱者を救うのではなく、弱者を生まない社会の構築」が必要だとも述べておられます。

国民一人当たりのGDPは、日本は1994年には世界第3位であったにもかかわらず、2025年には世界第38位になっているとのこと。
ランクが落ちることがすなわち貧困になった、ということには直結はしないのでしょうが、人口の減少、労働生産性の停滞、為替変動による購買力の低下、各種幸福度調査結果などを見る限り、国全体で成長感覚が薄くなってきていることは事実でしょう。
自己責任が原則とはいえ、所得も増えず物価も高騰していくような社会であっては、病気とかアンラッキーな出来事に遭遇すれば責任を取ろうにも取れない場合もあるでしょうし、バンクラプトを恐れてチャレンジしなくなることが、成長の阻害要素になっている気がしてなりません。


 

ベーシックサービスとは、所得制限なしですべての人に医療・教育・介護・住宅などの公共サービスを無償(または低額)で提供する制度で、所得制限なしですべての人に現金を定期的に給付するベーシックインカムとは異なる制度です。
北欧の福祉体制の基本はベーシックサービスで、それゆえ所得税や消費税の税負担率も高いわけですが、失業した場合には新たな職業スキルを身に付けられる制度があったり、教育の無償化によって成長のための再チャレンジを起こしやすい環境を作っていることから、将来不安の軽減し、最低限の生活の質を直接保障するとともに格差の「見えない化」を目指す制度かと感じます。
これは「大きな政府」になるのかもしれませんが、人口減もあって右肩上がりの経済成長が期待できない現状では、ある程度は必要な方向性なのかと思いますが、先の国政選挙でもこういう対立軸が見えてこなかったのは残念でした。

個人的には、税負担率を上げても教育投資にもっと注力すべきなのではないかと思います。教育は国家の根本施策の一つです。
教育にはお金がかかりますので、一般家庭では子供の教育のために、貯蓄だけでなく生活や働き方まで自分の成長可能性を狭めざるを得ないのが現実かと思います。ましてや生産年齢世代に当たる稼ぎ手自身の学び直しなど、夢の世界になってしまう。
一方で、世界中で大人の学び直し率が一番低いのが日本であると言われています。それには1950年代の生産性三原則に伴う労働観も背景の一つにあることはあるのでしょうが、現実的には家計の上でチャレンジがし難いことが直接の原因ではないかと思うのです。
教育の無償化が実現できれば、若い世代も生産年齢世代も、チャレンジマインドがもっと喚起されるのではないでしょうか。

行政の工夫は簡単なことではないのでしょうが、未来の日本国を作る若い世代のために、少しでも賢明な工夫をしてあげられるよう、自分のできることを考えていきたいと思います。

最後までお読みいただきありがとうございました。
2026.4.19 #414

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