コンピューターオセロ | たけちゅう log

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「たけちゅうweb」が、新しく生まれ変わりました!

ゲームの話、と見せかけて、思い出話である。

「コンピューターオセロ」とは、1978年に、あの任天堂がリリースしたTVゲームである。
1プレイ100円で10分ほど、かなり地味~な画面で、相当弱いコンピューターとオセロ対戦のみができるという内容だ。
インベーダーなどの影にかくれ、ものすごく人気が無かった。



<残念ながら、あんましおもしろくなさそう....>

ところが小学5年生頃のたけちゅう、このコンピューターオセロにドはまりしていた。
大事なこづかいで10分も遊べ、地味~な画面や効果音には癒しを感じ、コンピューターが人間と知能対戦してくれることにロマンすら感じていた。
シブいというより不気味な子供だったかもしれない(笑)

最初は激弱なコンピューターにすら負けていたが、勝ちたい一心で父親相手に自宅でオセロの特訓もした。
そのうちコンピューターにも勝てるようになり、ジャスコの屋上ゲームコーナーで、大挙して置かれているインベーダー達のすみっこに申し訳程度に設置され、明らかにぞんざいな扱いをうけているコンピューターオセロを、存分に楽しんでいた。



<オセロ全景。>

心配事は、「この機械が、いつまで置かれるのか?」だった。
そもそもたけちゅう達以外、こんなゲームをプレイしている者を見た事がない。(親類やクラスメート達には「このゲームおもしろいぞ!」と吹き込み、強引に巻き込んでいた(笑))
ここまでブッチギリに金を稼いでなければ、ゲームコーナーから撤去されるのはそう遠くない。そんな事ぐらい、いくら子供のたけちゅうでも理解していたのだ---

そしてその日はやってきた。

ある日、屋上ゲームコーナーに行くと、模様替えが行われてて、機械の配置も変わっていた。
とても悪い予感がした。”ドサクサまぎれに、不人気ゲームは撤去されたんじゃないか?”と---
予感は的中していた。フロア中のどこを探し回っても、あの大好きなコンピューターオセロが見当たらない...!

すごく悲しかった。「何でや!」とは思ったものの理由は明確、すごい不人気ゆえ全く金を稼がないからだ。
だがたけちゅうにとっては、そんな理由知ったこっちゃない(爆)。「大好きなオセロが奪われた」ような気分だった。

諦めがつかなかった。「まだ、どこかに置いてあるかもしれない」と。
ゲーム機たちの裏の倉庫スペースに、隙間から忍び込んたら(!)....あった!!
山積みの撤去機械の上に、コンピューターオセロも寂しく置いてあった。

たけちゅうは、倉庫で勝手に電源を入れ、100円を入れてオセロを遊んだ。(爆)

不幸中の幸い(?)は、オセロは機械の山の、一番上に置かれてたことだ。下だったら画面が見えず、遊びすらできなかったろう。
ジャスコに行く度、子供である小柄を利して倉庫スペースに勝手に入り込んでは機械によじ登り、100円を入れてオセロを楽しんでいた。(呆)

しかしそれも長くは続かなかった。倉庫で遊んでいるのが店員にバレて怒られ(あたりまえや(苦笑))、
それ以降は、倉庫でも遊べなくなってしまった。

そのうち、コンピューターオセロは、倉庫からも本当に姿を消してしまった---

任天堂史上にも、アダ花として残る不人気ゲーム「コンピューターオセロ」。
が、テレビゲーム黎明期の、礎を担ったのも事実であると思う。
ちなみに、「過去の不人気機種は、今のプレミアム」なのは、この「オセロ」にも真実で(台数が出ていない上に、あの任天堂の珍機なので博物的価値がハンパない!)状態の良くないコンピューターオセロ筐体は、某オークションで22万円の価格になっていた。
願わくばもう一度、生のコンピューターオセロを遊んでみたいと思っているが、難しいだろうなぁ...

コンピューターオセロは、たけちゅうの「プログラマ人生」にも影響した。
どう影響したかというと、マイコン(昔のパソコン)で生涯初めて我流で自力製作したゲームが、同様なオセロゲームであったぐらいだ。(コンピュータの「弱さ」も同程度だった(苦笑))
コンピューターオセロがジャスコから撤去された小学6年の頃。「20歳までに自力でオセロゲームを作りたい!」と願い、16歳にてそれは叶った。