日本では昔から各地でお城が造られてきた 明治維新後『廃城令』により天守をはじめ建造物が破却されたり地震や火災、太平洋戦争などにより焼失してしまったお城が多く存在する 江戸時代から残っている天守は12城のみでこれ以外の天守を持つお城は近年多くは模擬天守として造りなおされているものである 

〔現存天守12城;弘前城・松本城・犬山城・丸岡城・彦根城・姫路城・備前松山城・松江城・丸亀城・松山城・宇和島城・高知城〕

日本のお城及び建物のない城跡について3つの地域に分けて描いた

 

【北海道・東北・関東・甲信越・北陸地方】

 

白石城(宮城県白石市)

中世の頃は陸奥国の白石氏(のちの登米伊達家)の居館だったと伝わる 戦国時代末期に城主が何度か変遷し江戸時代には仙台藩家臣片倉氏の城となった 現在ある三階櫓や門は1995年(平成7年)に復元されたもの

 

山形城(山形県山形市)

城郭の基礎は戦国大名の最上義光の時代に造られ、江戸時代の鳥居忠政の代に現在の形に整えられたもの 明治時代になり城郭は大破し、櫓や御殿は破却され本丸は埋め立てられた 現在は霞城公園として整備されている

 

会津若松城(福島県会津若松市)

藩主の会津松平家は徳川将軍家と密接な関係にあり、幕末には戊辰戦争の激戦の場所になった 現在の天守は1965年(昭和40年)に鉄筋コンクリート造により外観復興再建されたもの

 

忍城(埼玉県行田市)

室町時代中期に武蔵国の成田氏により築城されたとされる 数度の城攻めを受けて一度も落城しなかった要害堅固な城として知られている 明治維新後は廃城となり取り壊されたが、現在の御三階櫓は1988年(昭和63年)に再建された

 

小田原城(神奈川県小田原市)

戦国時代の相模国・北条氏の本拠地として北条氏康の時代には難攻不落「無敵の城」と言われ上杉謙信や武田信玄の攻撃に耐え抜いた 戦後、関東大震災で崩壊した天守台の整備を開始し1960年(昭和35年)天守の再建工事が完了した 天守は鉄筋コンクリート構造

 

上田城(長野県上田市)

安土桃山時代に真田昌幸により築城されたが関ヶ原の戦いで西軍についたため城は江戸幕府により破却された 小諸藩から移封された仙石忠政により新たに築城された 現在は本丸の櫓2棟が復元され櫓門や塀などが木造復元されている

 

松本城(長野県松本市)

安土桃山時代末期から江戸時代初期に建造された天守は現在も残っている天守を持つ12城の一つで特に天守が国宝に指定されている5城の一つ《他に国宝に指定されている天守を持つ城は姫路城、彦根城、松江城、犬山城》

 

新発田城(新潟県新発田市)

時期は不明だが北越後の国人・新発田氏による築城と考えられ、代々新発田氏の居城となっていたが上杉景勝に反乱し滅亡した その後溝口秀勝が築城を行っていた 現在は2004年(平成16年)に三階櫓と辰巳櫓が復元されている

 

春日山城跡(新潟県上越市)

上越市中部にある春日山山頂に築かれた天然の要害を持つ難攻不落の城 主に長尾氏の居城で戦国武将上杉謙信の城として知られている 江戸時代初期には春日山城は廃城となっている 現在春日山から突き出した尾根先端部の春日砦が国の史跡になっており上杉謙信公の銅像が建立されている

 

金沢城(石川県金沢市)

安土桃山時代に前田利家が入城し、江戸時代には加賀藩主前田家の居城として代々続いていた 隣接する兼六公園は加賀藩五代藩主が金沢城に付属してつくらせた大名庭園である 重要文化財に指定されている現在の石川門は1788年に再建されている

 

丸岡城(福井県坂井市)

安土桃山時代に建造されたと推定される天守は重要文化財に指定され、江戸時代から現存する12天守の一つ