カニとアルゴとVCと。 | ほいみんの のんびり日記

ほいみんの のんびり日記

人生は旅である。誰もが言っているつまらない言葉だけど
本当なんだからしょうがない。

IPO戦線は、やはり昔のようには盛り上がらず、銘柄選択とエントリ
のタイミングを間違うと「押し目買いポイント」が「損切りポイント」
に変わってしまい、勝てるものが勝てなくなる、という(私には)
よくある展開になっています。


まあ、きっとそれはしょうがないことで、常時人気銘柄をロングに
でもしていなければ結局どこかでふるい落とされるんです。
で、その話も長くなるので、今回は別の話。


上場直後に買って、未だにしがみついたままのカニ、ことKLab。
テーマ性、業績、2度の上方修正、こまめに出すIRと、申し分
ないのですが、株価は一向に騰がらない。


もちろん、公募から比較したら一時は3倍超にまで達しているので
あくまでも「主観で」ということにしておきますが、とにかく騰がる
はずが騰がらない。


ソーシャルゲーム関連で醜い争い(ここもお仲間)があって、
ちょっと敬遠される傾向が出てきたのもありますけど、ここが
出鼻をくじかれて苦戦してる理由としてわかりやすくトップに
挙げるならばVCの存在に違いありません。


何しろ発行株式数の30%近く、150万株もの株を保有する
SBIインベストメントが、最初の出来高激増期になぜか処分せず、
出来高が減少し始めてから永遠に毎日売っているのですから、
短期売買中心の新興市場では買い手が嫌になって離散して
しまうのは当然の帰結です。


出来高が急増しても大量に売るでもなく、粛々と売り続け、
さしもの私も場を見ていてウンザリしています。


なんで中途半端にダラダラ売っているのだろうと、毎日あきれ
ながらアルゴ売りを見ている(彼らは委託して、そこがアルゴ
売りで処分していると思われる)のですが、最近、どうもこの
値動きと板の出方に癖があるようで、ちょっと何かアルゴの
習性でもあるのかなあと思って過去のデータで調べてみました。


そうしたら、私にとってはかなり意外な結果が出てきたので、
折角だからここで書いておくことにします。


一部なんかヤバイ感じもして、ちょっと前にごく一部にだけ公表して
いたのですが、どうやらたいしたこともなさそうなので今後
同じような銘柄が出てきたときの備忘録もかねて記しておきます。


もちろん、私と違って日々アルゴと戦っているデイトレーダー
諸氏にとってはわかりきった話かもしれませんが。


最初に結論だけは書いておくと、派手な売り崩しに見える
動きはVCじゃなくて個人でした、というお話です。


まず、EDI-NETで公開されている、SBIインベストメントの
10/18~12/16までの株券の処分状況。


ほいみんの のんびり日記-3656

ひとめ見てわかるのは、処分の仕方が非常に偏っている

ということ。全く売っていない日もあります。


まあ、第一感、下手な買いをわらわら出している人が多い日は
みんな売り崩しの餌食になってるんだろうなあ、というように
見えます。あとは、この売却数の「適当さ」からして、いつまでに
どれだけ、というような決め売りではなさそうだということも。


で、このデータはとりあえず忘れます。


次に、KLabの日足を見てみます。


ほいみんの のんびり日記-kani1

どうということもないチャートですが、イベントと重ね合わせて
見ると、だいたい大きな材料が出てGUすると、きつい陰線を
描きます。き◯お君が喜んで売っているように見えます。


で、ここからなのですが、まず、陽線を抜き出して、そこから、
微妙な感じの小さな陽線を除外します。(10/18からです)
このへんは厳密に条件分けはしません。チャートはあとから
出来上がるものですから。


その結果、陽線らしい陽線は13日になります。


次に、EDI-NETの売却数のほうで、SBIインベの売却数が3万株を
超える「分投げ日」を抜き出します。計9日間もあるのですが。


すると面白い結果が出てきます。


3万株を超える売却をした9日間のうち、なんと8日が陽線の日
なのです。彼らは大きな陽線の日にだけ沢山売ってきています。

でもたった1日だけ陽線じゃない日に大きく売ってきてるんですね。
なんでだろう?と思います。それは12/2なのですが・・・


ほいみんの のんびり日記-kani2

よく見ると、この日だけ特徴的に見事な長大上髭になっています。
そう、おそらくこの日は「普通なら」陽線で引けるはずだった
のでしょう。それをVC以外の誰かが売り崩して結果として
陰線になったんじゃないかな?と推測できます。


ついでですから、陽線の(13-8=5日)の残り5日もチェック
してみます。すると、その5日のうち2日(10/24 , 11/16)は
2万株以上処分しています。しかも陽線自体はそれほど長くも
ないので、妥当?な売却量と思われるのです。そして残りの
3日は、というと・・・


ほいみんの のんびり日記-kani3

これもまた面白いことがわかってきます。


この3日は、すべて寄り付きGDから始まっています。特に
最初の2日(11/2 , 11/10)は急落といえる、非常に大きなGDを
しています
。どうも彼らはそういう日は売ってこないようなのです。

ということで、売却量の多い日とチャートを重ねて見ると、
以下のような推論ができそうです。


・彼らはおそらくアップティックにのみ売りを出している
・沢山処分している日は確実に陽線になっている、ということは、
 少なくとも買いが強い日には、無茶な売り崩しをしていない
・相場環境の弱い日には売ってこない
・憶測として、露骨な板を出さずに売っていて、(アルゴ売買と
 思われる瞬間的に板が動く機械売りが出ているということは)
 直近のティックに板を出し続けるか、アップティックに対する
 買い注文をフラッシュオーダーで先回り売りしている


最後のはもうちょっと詳しく解説するとわかりやすいのですが、
あんまりここに立ち入りたくないので、あえて割愛します。

要は、上を買おうとするとアルゴが出てきて売ってくるという
ことです。そして、ちゃんと相場環境の悪い日には売りを
控えているようなのです。(人間の意志ではなく、このアルゴ

だとそうなる、ということなのですけど)


では、次に、逆の動きを見てみます。分析自体が目的ではない
ので、突合せは大変なので省略します。


チャートがしっかり陰線をつけた日を見てみますと、計14日間
あります。そして、その14日のうち、9日間が、売却数6000株
以下の「売ってこない日」なのです。しかも、その9日間のうち
実に6日間は、売却数ゼロ、なのです。


例外のほうを見てみます。キツイ陰線をつけた日に、15000株以上
処分している「例外日」が3日あるのですが、その日を見てみると・・・


ほいみんの のんびり日記-kani4

最初の1日は、大きくGUして、上場来高値で5000円を初めて

超えた日です。そして2日目は、上方修正が出てやはり

大幅GUして一ヶ月ぶりに5000円を回復した日です。


陰線と言っても、株価が上げて、出来高が大きく膨らんだ特別な

日にたくさん処分しているのです。


推測になりますが、こういう日は株価の上下も激しいですから、

この両日も下値にぶつけて売るわけではなく、上値を「食わせる」

形で裁いてきていると思われます。


唯一はっきりしないのはその翌日の陰線ですが、上述の推測
からすると、なんとなくこれも想像が付きます。
(おそらく、前日の大きな動きの翌日で、株価の上下が激しかった

 ないしは無限売りに対抗する人が多かった)


さて、売却量の少ない日とチャートを重ね合わせると、おおむね
こんな感じじゃないかと推測されます。


・相場が例外的に強い日を除いて、陰線の強い日には基本的に
 売ってこない(=結果的に売っていない)ということは、彼らは
 ダウンティックにぶつけて売っていない
相場環境の悪い日には売らない


つまり、大陰線を作っていたのはVCの売り崩しではなく、
実は短期トレーダーのぶん投げと思われる
のです。


彼らVCは、相場環境の悪い日には売らず、環境が悪くなくて
上板を食ってくれる日にひたすら処分しているのです。

(これも正確には、アルゴが『何か』のルールで自動売りを
 出しているだけですが)


そして上板だけ売るのにこれだけの量を裁いているということは
(以下推測ですが)フラッシュオーダーなどを駆使して、
上を買いに行く動きを彼らが先取りして処分しているのでは
ないでしょうか。


直近の上板に瞬間無限売りが出てくる場合がけっこうあり
ますから、ああやって処分して、投げに対しては先回り
売りはやらないということですね。


もし投げに対して先回り売りをやっていたら、「陰線で出来高が
多い日」には彼らの処分数が多くなかったら辻褄が合い
ませんから。


また、上のほうにずらっと板を並べることもしないので、
まとめて上板を食ってくれるような日は陽線が崩れず、
彼らはその時その時の直近の板のところでひたすら売って
いるのだと思われます。


処分数の増減は、上板を食ってくれる個人によって変動していて、
おそらく、チャート上は同じように見えても、上板をちょこちょこ
食ってくれる日には処分数が大きくなっているのだと思います。


これを考えると、なんとなく超短期トレーダーが抜けていくのは
わかります。アップティックの売り待ちはアルゴ、フラッシュで割り
込まれて先回りされ、上の方で売り待ちしても、自分の売り板より

下で無限売りが出やすいのでなかなか約定しない、そのため

必然下にぶつけることになります。


買いにしても、よほど勢いがないとちょびちょびアルゴ売りが

出てきて動きが止まるので、大きく取れない、という事になり

やすいと思います。


では、中期トレーダーにとってはどうか?というと、彼らは
環境が悪い日に売ってくることはなく、投げは個人の短期
(小口が多い)ということになるので、まあ、ある程度覚悟を
決めてHOLDする分には、
思っていたほど悪影響はないの

かなと思うようになりました。


どういう時に仕込んだら良いかも見えますね。


おそらく、このアルゴが走ることによってボラティリティが低下し、

短期トレーダーに不利に働くため、それが出来高減少を招いて

いる、というのが、テーマ性も業績も申し分ないのにこの株が

膠着している理由でしょう。


いずれVCの売りも尽きますし、直近では市場外でまとめて
受け渡ししている記録があるので、この怪しげな売りが消えたら
どうなるか、できればそこまでに投げさせられるようなことなく
持っていられればと思っています(もちろん気まぐれなので
明日のことはわかりません)。


ジリジリ買い上がれば買い上がるほどVCがいなくなって

好循環になる「仕組み」なのですが、今は個人しかいない

時期ですから動かないのはしょうがないかもしれません。


アルゴの癖については書かないでおこうと思います。
このアルゴを引っ掛ける方法も、もしかすると頭のいい人なら
できるんじゃないかと思いますが、先日タイーホされた人が
出ましたし、ここでなんかヒントつかんだとか言われたら
寝覚め悪いですから(私にはそこまでは無理です)。


歩み値まで含めて細かく全てを検証すればさらに見えて

くると思われますが、誰にとってもなんの意味も無いので、

ざっくりとした内容になってしまったのはご容赦を。