温泉が好きなので、取材先に日帰り入浴できる施設を見つけると必ず立ち寄る。38度くらいのぬるま湯露天風呂なら1時間以上は浸かっている。だが先日、取材先の信州の温泉で生まれて初めて湯あたりを起こした。
その温泉場には小さな源泉風呂があり、そこには注意書きとして「長く入ると湯あたりをするので15分までであがってください」とあった。そんなに強烈なのかと思い入ってみたが、きついニオイはしないし、かなりぬるかった。これなら長く入れると思ったが、用心のために5分過ぎたあたりであがることにした。
しばらくはなんともなかったが、脱衣場で髪を乾かしているうちにだんだんと気分が悪くなってきた。冷房が効いているにもかかわらず、汗がとめどなく噴き出してくる。お腹も気持ち悪くなり、横になりたい気分に襲われた。だが、そんなことをしたら倒れたと思われカッコ悪い姿を晒すことになる。
それだけは避けたかったので、ロッカーにもたれフルチンのまま体育座りをして回復するのを待った。時間にして30分。やっと気分が回復し服を着て脱衣場を抜け出すことができた。
これが100%源泉による湯あたりかと思い知った。体にニオイはついていなかったが、噴き出た汗を拭いたタオルはかなり強い温泉臭が染みついていた。それだけ強い源泉が体の中に浸透していたということか。
今から25年以上前に友人と越後の温泉に入った時のこと。ある小さな内風呂を出た後でタマタマに強烈な痛みを感じて二人して悶絶したことがある。それにも注意書きがあったのだが、自分たちは見ていなかったのである。なぜなら脱衣場に書かれていたからだ。見ると「袋が痛くなるので握って入ってください」みたいなことが書かれていた。もう遅いって!分かるところに書けって!
とにかく温泉の注意書きは重要だということを思い知った。
[編集後記]
これが取材前でなくて良かった…。