嘔吐の放置は死を招く |  ライター稼業オフレコトーク

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 週末、年末年始、送迎会シーズンなどによく見られる街中での嘔吐の跡。歓楽街の店先や駅近くの電柱では季節に関係なく出されている。暗い夜の帰り道で踏んでしまうとムカつくし、朝の通勤時に目に入ると気分が悪くなる。

 それほど嘔吐された跡は嫌われるし、それを出した人物も他人から見れば良く思われない。とくに酔っ払いオヤジが嘔吐して倒れていると、同情よりも汚くだらしないものとして忌み嫌われる存在になっている。わざわざ介抱してあげたいという気持ちが起こらないのが心情。

 だが、それが生死の境となってしまうことがある。

 吐瀉物が全部外に出てしまうのなら問題はないが、器官の方に入ってしまうと肺炎を起こしてしまう。よく聞く誤嚥性肺炎というものだ。食べた物が腐敗し、そこから発生した菌が器官を通って肺に入ることで発症する。

 

 酔っ払いの場合は意識も体力もあるので、吐瀉物をすべて体外へ排出できるからまだいい。危ないのは、嘔吐してそのまま寝てしまう場合だ。吐瀉物が外に吐き切れずに器官に入ってしまうことがあるからだ。

 

 この危険性は酔っ払いに限ったことではない。嘔吐というと酔っ払いの印象が強いが、人は様々な場面で誘引される。食中毒、乗り物酔い、お腹を強打された時、妊娠初期、めまい、もらいゲロ等。

 やっかいなのは脳出血や睡眠剤の大量摂取で意識不明になった状態での嘔吐だ。器官に入ったことに気づかずにいると死ぬ確率が高まるので、まずは意識を回復させてあげる必要がある。

 嘔吐したまま路上に寝込んだ酔っ払いを見たら、汚いと思って放っておかずに救助してあげよう。触るのが嫌なら救急に連絡すればいい。すぐに肺炎を起こすことはないからだ。

 たかが嘔吐と言えども、出し切らずに寝てしまえば危険が伴うということを知識として覚えておきたい。

 

[編集後記]

 たかがゲロ、されどゲロ。死へとつながる危険性。