肌荒れの治療やおむつかぶれなどには薬が役に立つ。そんなことは当然と思っているが、長年オーガニックの化粧品メーカーで仕事をしてきたせいか、化学製品を体に塗布することに抵抗がある。
即効性を求めるのなら医薬品でいいだろうが、そうでないのなら、あるいは健康美の維持を求めるのなら使用は避けたいと思っている。
そこで重宝したいのがオーガニックのローションだ。今や女性向けの化粧品としてではなく、肌荒れ緩和のために多くの現場で利用されている。
赤ちゃんに嬉しいやさしさを。
人にとって肌が一番きれいなのは赤ちゃんの時。しかし、母親のお腹にいる時に多少なりとも経皮毒の影響を受けて生まれてきている。そんな赤ちゃんの肌を守ってあげるのは親として重要な役目だ。
そこで、自然の環境で生まれてきた赤ちゃんには、同じ自然に近いもので肌を包み込んであげたいもの。可愛い赤ちゃんがいつまでも瑞々しい肌を持ち続けられるように、成長してから肌トラブルに悩まされないように、今から対応してあげることが必要だ。
また、どんな赤ちゃんにも必ずついて回る悩みは「おむつかぶれ」。その痛々しさはとても見ていられない。そんな赤ちゃんに化学製品を塗布したくない。むしろ天然のやさしさが必要なのではないかと思う。「おむつの問題」にはオーガニックのローションが最適なのではないかと思うのである。赤ちゃんを不快感から解放し、いつまでも桃のようなぴちぴちしたお尻でいさせてあげたいものだ。
利用目的はお尻だけとは限らない。昨今、流行っているのが赤ちゃんの体全体に塗布するベビーマッサージだ。それこそ化学製品なんか塗りたくりたくない。
そして、何よりも赤ちゃんの健やかな成長に必要なのは親子のふれあい。ジェルの心地良い感触を通じて、母と我が子のスキンシップを図ることもできる。赤ちゃんに母親の愛情を注ぎ、母親に安心感を与える意味でも、オーガニックローションでのベビーマッサージは必然だ。
介護の世界で喜ばれている。
高齢化社会となった現代、シルバー産業需要の高まりに伴って介護老人福祉施設への入居者が増え、自宅でも寝たきりの高齢者が増えてきている。このような人を介護するうえで、いつも問題となるのが「床ずれ」だ。
「床ずれ」とは、寝たきり状態になることにより、いつも同じところに持続的な圧迫が加わって皮膚に障害を起こした状態をいう。
この「床ずれ」は寝たきりの人だけに起こる症状ではない。車いす生活を余儀なくされている人も同じ問題を抱えている。
そのような人にもオーガニックのローションは最適だ。とくに肌質が衰えてきた高齢者には刺激の強い薬はリスクがあり過ぎる。だからこそ天然のやさしさで労わってあげたいものだ。また、なんらかの理由で入浴できない人の体を拭く際にもローションは重宝される。
実際、東京ビッグサイトで開催されるコスメの展示会では、オーガニックのローションを扱うブースに多くの介護職員が訪れるのを目にする。それらの人々に共通している探しものは、肌にやさしいローション。求める物を求められる人に。オーガニックのローションは多くの社会環境で求められ、そのニーズに応えている。
[編集後記]
オーガニックのローションと言っても100%天然ではない。保存料を入れなければ化粧品として販売できないからだ。だからせめて保存料が少なく、あるいは天然の保存料を使用しているものを使いたい。