趣味のひとつが神社巡りなので、仕事先や旅行先で神社仏閣を見つけると必ずお参りをしている。その際に御朱印をもらうのだが、神社とお寺とでは、書き手によって人柄が違うことに気づいた。
神社の書き手は皆真面目で硬い雰囲気がある。一方お寺の書き手は陽気で人懐っこい人が多いように思う。見た目だけで言うと、神社の神職は優しい感じがあり、お寺の住職の方が怖い雰囲気がある。だが、実際は真逆のような気がする。
私は、神社に比べてお寺にはあまり寄らない。お参りする割合は40:1だろう。にもかかわらず、陽気な住職さんと出会う確率の方が高い。神職にある者は陽気に振舞ってはいけないのだろうか?
初めて御朱印帳を入手したのは日本三代天狗のひとつ群馬県の迦葉山弥勒寺。記帳しながら「どこから来たの?」と気さくに話しかけてくれるのである。
神奈川県伊勢原市にある大山寺の住職は、御朱印帳に記帳されている他のお寺のページをめくりながら「へぇ~、ここへ行ったのかぁ」「やっぱり浅草寺のは立派だなぁ」「こっちは上手くないから書くのやめようかなぁ」などと笑いながら冗談を飛ばしていた。
記帳してもらった御朱印を見て謙遜だと↓分かったが、親しみの湧くひと時だった。
有名な滋賀県の比叡山延暦寺では、ご朱印をお願いした時「記帳している間に、根本中堂がもうすぐ閉まるので早めに入った方がいいですよ」とわざわざアドバイスをしてくれた。
一方で、神社ではそのような対応をされたことがない。40倍も行っているのに。
人気のある群馬県の榛名神社では、逆に冷たくされたのを覚えている。多くの人が記帳を希望するのでヘトヘトになっていたからだろうか? それとも「うちは人気があるから」と上から目線で醒めた対応をされたのだろうか?
そういえば、生前よく一緒に仕事をした故織田無道住職は底抜けに明るい人だった。
大学時代の同じゼミには坊主の跡取りがいた。酒と女が大好きで、未成年にも関わらず寮で酒を飲んでいたし、「跡を継いだら大っぴらに行けないからさぁ」と川崎のソープに足しげく通っていた。そんな奴も今では地方のお寺で真面目に住職を務めあげている。
神職にある人より、住職の方が馴れ馴れしいくらいの親しさがあるってことなのかな。
[編集後記]
お寺で御朱印をもらう機会があったら、ちょっと話しかけてみてはどうだろうか? 面倒くさそうな顔はされないと思うよ。