子どもの逆さづり ~遊びが虐待になる時~ |  ライター稼業オフレコトーク

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記事にできなかった裏話などを披露していきます。

 静岡や富山で次々と明らかになった保育士による園児への虐待。人によっては「血が出たり痣ができたわけではないので言い過ぎだ」との意見もある。一方で「小さな幼児にとっては、大人の虐待に当たる行為だ」という意見も。どちらが正しいかは、行為の程度によるのでなんとも言い難い。

 

 

 その虐待と言われる行為の中で気になったのは「逆さづり」だ。0~1歳児などの未満児にそれをやれば完全な虐待だが、3歳からの以上児だと遊びになる。一人にやってあげると、「僕もやって。私もやって」とせがんでくる。園児は5歳になっても「高い高い」を喜ぶ。それのちょい過激版である「逆さづり」も好奇心から面白がる傾向にあるからだ。

 

 

 男性保育士は女性保育士と違って体を張って遊んであげることが多いため、遊び感覚で簡単に「逆さづり」をやってあげたりすることがある。その時点では、子どもにとって楽しい遊びだ。

 だが、ひとたび手を滑らせて落としてしまった場合、それは暴行になってしまう。そのため危険防止の観点から園長先生はその手の行為を禁ずる。

 

 また、すべての以上児が喜ぶわけではない。保育士が、どの子も面白がると思い込み、ただ見ているだけの子に「逆さづり」で楽しませてあげたとする。しかし、その子が怖さを感じてしまった場合、両親に「怖いことをされた」と言うだろう。その時点で虐待をしたという扱いになる。

 子ども10人中、9人が大喜びしても、1人が怖いと思ったら、それでアウトだ。虐待にされてしまう。

 

 富山の保育士は「行為はしたが、虐待ではない」と言っているが、このことではないのかと思ってしまった。事件を大袈裟に報じるマスコミの特性もあるので、虐待と言われる中身を鵜呑みにするのは怖い。

 

 

 子を持つ父親なら、我が子に「逆さづり」を遊びとしてやったことがあると思う。この時も喜ぶのでやってあげるのに、落として怪我をさせようものなら児童虐待で通報されかねない。とかく男親は「逆さづり遊び」をやりたがるので、それが虐待につながらないように気をつけてもらいたい。

 

 

[編集後記]

 力を使い体を張って遊んであげる男性保育士は子どもたちに人気がある。だが、今まで「逆さづり遊び」をやってあげていた保育士は、自分も告げ口されるのではないかと戦々恐々としているのではないか。子どもは悪気なく、むしろ嬉しそうに「先生に逆さづりしてもらった」と報告するからだ。それをもし保護者が誤解して受け取ったら……。