特別バージョン
急げ! 男性の薄毛対策!
薄毛を宿命と決めつけるのはまだ早い
女性ほどでなくとも男性も見た目を気にします。その中のひとつが薄毛の問題です。20歳前後から薄くなる人もいれば、50歳を過ぎたあたりから急激に進む人までさまざまです。外見を気にしない場合は別にして、今や男性もファッショナブルになり、薄毛を何とかしたいと思っている人は数多くいるはず。そこで、剝げるという運命に抗いたいオシャレ男子のために、今からでも間に合う傾向と対策をご紹介します。
薄毛を心配する男性は30%もいる
日本皮膚科学会の「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン2017年版」によると、男性型脱毛症=AGAの発症頻度は全年齢を平均して約30%と報告されています。また、美容サロンに関わる各社による独自調査でも約3割以上の男性が薄毛を気にしたり、何らかの対策を取っているという結果が出ています。さらに、現在薄毛でなくても抜け毛を見て、将来に不安を抱えている男性は多いとのこと。公の場で持ち出す話題ではなく、なんとなく話しづらいということもあり、一人黙々と考え、迫りくる危機に慄いているのです。
薄毛による不安とは、見た目の問題にほかなりません。とくに異性の目を気にします。男性はいつでも格好いいと思われたいもの。しかし、薄毛になると実年齢よりも老けて見えるし、若いうちから症状が目立ち始めると「結婚できないのではないか」と心配になってしまいます。なかには髪があるうちに結婚できれば、あとはほったらかしという人もいますが、妻や娘にしてみれば少しでもイケオジでいてほしいものです。
諦めている人の多くは「父・祖父ともに剥げており遺伝だから仕方がない」あるいは「男とは剥げるものだから自然に任せる」「男性ホルモンが多く精力が強い証だ」などと理由をつけています。だからと言って諦めるのはどうでしょうか? 原因を理解し、対策によって現状そして未来を変えられるのなら、薄毛回避のための方策を立てても良いのでは?
昔は鬘を着用するしか手立てがありませんでしたが、今は生活習慣を改善したり、医学の力をもって治療する方法などが確立されています。諦める理由が見つかりません。
薄毛を恥ずかしいと思うのは当たり前。しかし、薄毛対策をすることは恥ではありません。女性がいくつになっても美しさにこだわるのと同じで、男性も自分を磨く努力をするのは大切なこと。むしろ誇らしい行為と思って良いのです。
一人で悩む時代は終わりました。これからは堂々と可能性のある薄毛対策にチャレンジしていきましょう。
薄毛には原因がある
[生活習慣によるもの]
人は知らず知らずのうちに生活が乱れていくものです。それが生活習慣病を増大させ、昨今社会問題化を引き起こしています。生活習慣の乱れは大きな病気につながることが知られていますが、そこそこ健康な状態でいる人でも髪に影響を及ぼしているのです。結果として、それが薄毛の原因を作っていたのです。
睡眠不足
睡眠をしっかり取っていますか? 多忙で十分寝ていない、ストレスで寝つきが悪い、睡眠障害を患っている、夜中に何度も目を覚まし熟睡できていない……現代人の多くが抱えている問題です。実はこの睡眠不足が頭皮に悪影響を及ぼしているのです。十分な睡眠が確保できていないと髪の生成に必要な成長ホルモンが分泌されなくなるからです。
不摂生な食事
生活習慣病で大きな原因となっているのが食事の内容です。偏った食事、脂質の摂り過ぎなどで引き起こされる体内部の異変は、髪にまで及んでいます。お菓子や肉類の食べ過ぎは飽和脂肪酸を摂り過ぎる結果となり、血流を悪くして髪に十分な栄養素を運びにくくさせてしまうのです。
運動不足
定期的な運動をしないと血行が悪くなり、髪に必要な栄養素が十分に運ばれません。栄養分を摂り入れられない花は枯れてしまいますが、髪も同じことが言えます。運動不足でお腹が出てくるのは気づくものの、頭部のほうは気がつかず疎かになりがち。しかし、薄毛は静かに確実に進行しているのです。
禁煙
過剰な喫煙は血行不良を引き起こし、頭皮が栄養を受け取れなくなり髪の成長をストップさせてしまいます。ニコチンやタールで毛細血管が収縮され、頭皮の血行不良を引き起こして髪に十分な栄養素が運ばれなくなるからです。さらに、髪の生成に必要なビタミンCも消費されてしまいます。
[遺伝によるもの]
遺伝を理由に薄毛対策を最初から諦める人がいます。運命だと受け入れて何の対策もしません。確かに遺伝する可能性が高いようです。父・祖父そして祖先の写真を見てほとんどが薄毛だった場合は絶望的になるでしょう。
しかし、すべてではないはずです。なかには白髪の人もいるはず。母方、父方によって偏りがある場合もあります。それを考えると遺伝子の影響を受けずに済む可能性もあるわけです。たとえ少しでも希望があるなら、薄毛対策は早く行うに越したことはありません。それにより発症が遅くなる場合もあるからです。
[外的な要因によるもの]
頭皮環境を悪化させるさまざまな要因を挙げてみましょう。
まずはシャンプー。洗浄力の強いシャンプーは頭皮に刺激を与え水分も奪ってしまいます。また、頭皮に合わないシャンプーを使い続けることも負担増となり抜け毛につながります。とくに刺激の強い石油系を頻繁に使うことも薄毛リスクを高めることになります。
パーマやカラーリングは刺激の強い薬剤を使うので、頭皮に付着した場合などは炎症を起こす可能性があります。
自然界からの刺激では紫外線が挙げられます。長時間浴び続けることで頭皮が軽いやけどを追うことになり、頭皮に良くないダメージを与えてしまうからです。
では、帽子で対策すれば良いのでは?と思いますが、ここにも問題があります。帽子やヘルメットを着用し続けると頭皮が蒸れたり擦れたりするので、これも抜け毛の要因となるのです。せめて通気性のある帽子を被りたいものです。
[ストレスによるもの]
現代社会とは切っても切れないストレス問題。誰もが大なり小なり抱えており、上手く付き合っていくしかないと言われています。しかし、すべての人が体に影響を受けていないわけではありません。
精神的・身体的な過度なストレスは自律神経を乱します。とくに交感神経を大いに刺激し、頭皮の血管を収縮させ血流を悪くします。体全体の機能に悪影響を及ぼしますが、とりわけ髪の毛の成長機能低下に拍車がかかり薄毛へとつながってしまいます。
一般的な薄毛のタイプ
AGAによる薄毛は「ハミルトン・ノーウッド分類」という分類法によって9種類あります。わかりやすくざっくりと分類すれば、額の生え際からくる「M字型」、頭頂部からくる「O字型」、前頭部からくる「U字型」に分けることができます。
「M字型」は、おでこの左右の剃り込み部分が徐々に後退し、頭を上から見たときに毛がM字に残っているタイプ。
「O字型」は、つむじ付近の頭頂部が薄くなり、徐々に丸く広がっていき、上から見たときにO字に見えるタイプ。
「U字型」は、おでこ全体が後退し、後頭部と側頭部にのみ毛が残り、U字に見えるタイプ。
AGAを発症している人は上記のどれかにあてはまり、それ以外の薄毛はAGA以外の脱毛症と考えられます。
自分でできる日常生活における薄毛対策
[生活習慣を改善する]
昨今、動脈硬化などの生活習慣病を防ぐためにも食生活の見直しが言われています。実は、これは髪にも当てはまることで、正しい生活習慣こそが薄毛の改善につながるのです。ここでは簡単な改善方法をご紹介します。
質の良い適切な睡眠時間をとる
睡眠は体の機能を整える大切な行為です。人は睡眠により免疫力がアップして病気が治り、皮膚もターンテーブルを促すための成長ホルモンが分泌され美肌になることが知られています。同様に頭皮の細胞も回復し、髪の生成に役立ち、脱毛予防につながります。就寝前にお風呂でリラックスし、質の良い深い睡眠(ノンレム睡眠)を6~8時間は取りたいものです。
栄養バランスの摂れた食事をとる
人の体は食事で作られます。髪にとってもそれは同じです。育毛効果の高い栄養素として知られているのは、タンパク質・亜鉛・鉄などのミネラル類、ほかにビタミン・アミノ酸など、これらを積極的に摂り入れることが望ましいです。毛髪の育成には元となる栄養素が必要不可欠。これに加え栄養バランスの取れた食事を日々摂取することが大切です。
定期的に運動をする
運動は血行や代謝を良くしてくれるので、全身の血流改善に効果的なのはもちろんのこと、毛髪育成のための栄養素を運びやすくしてくれます。ハードな運動は必要なく、ウォーキング・ジョギング・スイミング・サイクリング・ストレッチ・筋トレなどの軽めの有酸素運動で十分です。これを定期的に続けるようにしましょう。
飲酒・喫煙を控える、もしくは禁煙する
アルコールは髪に必要な栄養素であるアミノ酸が多く消費されるので、過度な飲酒は控えるようにしましょう。とくにタバコによる喫煙は、どうにも対処の使用がありません。本当は禁煙が最適なのですが、無理ならば徐々に本数を減らしていくなどの努力をしていきましょう。
[ストレスを溜めない]
ストレスにより交感神経が刺激を受けると眠りが浅くなり、成長ホルモンの分泌にも悪い影響を与えます。そのため心身ともにリラックスできる環境づくりが必要です。
ストレス緩和は個人によってさまざまなため、決まったひとつの形はありません。しかし、自分に合ったストレス解消法は必ずあります。仕事でストレスのある人は完全に仕事を忘れ、人間関係でストレスのある人は誰もいない自然の環境に身を置くなど、無理をせず自分に合ったリフレッシュ方法を見つけましょう。悩みイライラし続けることは薄毛の促進になるだけです。
[ヘアケアを見直す]
女性と違い男性はヘアケアにあまり気を遣っていません。洗髪では、汗と脂を流し落としてスッキリすればそれでいいと思う人が大半だからです。頭髪が短いため、子どもの頃から簡単に洗うことが癖になっているとも言えます。なかには爪を立てて洗うことで汚れを掻き出せると勘違いしている人もいるくらいです。男性で上手くヘアケアできるのは、理容師と美容師くらいではないのでしょうか。実は、この正しいヘアケアこそが薄毛対策には大切なのです。
まず、見直すべきはシャンプー選びから。自分に合うものはどれなのかを見極めることが大事です。適当に安価なものを選ぶのではなく、高価でも自分に合わないものを選ぶのはやめましょう。育毛シャンプーも慎重に選びたいものです。
次に正しいシャンプー方法です。きちんとポイントを押さえながら効果的な洗い方をしなければ汚れはきれいに落とし切れません。
そして、マッサージも習慣づけましょう。薄毛対策のヘアケアでさぼりがちなのがマッサージなのですが、血行を良くするのにはこれが最適なのです。すぐにできる頭皮ケアといっても過言ではありません。ただし、ただ揉むだけでは意味がありません。効果的な方法を習得して実践することが大切です。
頭皮を清潔にし、じんわり揉みほぐして血行を促進し、髪が生育しやすい環境を自らの手で作ってあげましょう。
効果的な薄毛対策はクリニックがお薦め
これまで自分でできる対策を紹介してきましたが、あくまでも個人でできうる内容であり、AGAの根本的な解決には至りません。なぜなら、AGAは進行性の脱毛症であるため、日常生活の改善だけでは収まらないからです。進行を遅らせることはできたとしてもそこまでです。本気で薄毛を改善したいと思われたら専門医の受診をお薦めします。
何もせず放置していると症状は進行するばかりであり、個人で完全かつ適切な対処をしても限界があります。より正確な処置を専門医から受けてこそ薄毛対策は効果を発揮できるというものです。
クリニックでできる薄毛治療
[内服療法]
患者がまず最初に行う治療は薬の投与です。一般的に「プロペシア」「ザガーロ」「ミノキシジル」などの内服薬から始めます。それぞれに特徴があり、医師は患者にあったものを処方してくれます。
薬で期待できる効果は脱毛症の進行防止であり、それ以外にも髪の毛が太くなったりすることもあります。
服用後は3ヶ月で効果が見られる場合もあれば、半年以上経たなければ見られない場合など個人差がかなりあるようです。
心配なのは副作用です。とくに肝機能障害は重大であり、ほかに生殖能力に影響が出ている人がいます。精液量が減少することにより、射精はできても快感が激減するのです。
[外用療法]
内服療法の次の段階としてあるのが、頭皮に薬剤を直接塗布する外用薬での治療です。タイプは、ローションと軟膏の2種類あります。
配合されている成分は「ミノキシジル」と「カルプロニウム塩化物」。「ミノキシジル」は市販品の発毛剤・育毛剤「リアップ」にも使用されています。
副作用としては、それぞれの成分にかぶれや湿疹、皮膚の赤みや痒みが起きることがあります。
[レーザー育毛]
育毛剤や薬は副作用が心配……そのような人にお勧めなのは、薄毛改善に用いられる低出力レーザーです。頭皮に照射することによって血行を促進させ、細胞レベルで新陳代謝を活性化させて髪の毛の成長を促す育毛方法です。
メリットは副作用がないだけでなく、痛みがほとんどなく、治療薬や育毛剤とも併用ができること。
このレーザー波長を使った安全な低出力光学療法は最近のクリニックで増えつつあります。
薄毛の悩みを解消したいなら
今や薄毛の改善方法はひとつではありません。専門医に診てもらい、患者の希望に沿ったあらゆる治療方法があるので気軽に相談してみましょう。日常生活での薄毛対策を行いつつ、専門的な治療を受ければ悩みは一気に解消します。今の薄毛治療はとてもオープンな状況です。もう一人で悩む必要はありません。将来に不安を持つことも治療を怖がることもありません。早期治療が何よりも一番。まずは専門医に相談してみましょう。
<参考>
日本皮膚科学会「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン2017年版」
https://www.dermatol.or.jp/uploads/uploads/files/AGA_GL2017.pdf
ホットペッパービューティーアカデミー「薄毛に関する意識調査2020」
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001011.000011414.htmlRelease_20171113_02.pdf
AGAスキンクリニック 「薄毛に悩む人 約1,200万人」の根拠
https://www.agaskin.net/aga/public/000/