大腸ヒョウ柄 |  ライター稼業オフレコトーク

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アイドル記者を皮切りに、心霊関連、医療関連、サプリ関連、
コスメ関連、学校関連、アダルト関連、体験取材など様々な
分野の取材執筆をしてきました。
ここでは当時の面白かった話や貴重な情報、取材で思ったこと、
記事にできなかった裏話などを披露していきます。

 健康食品を扱っているA社に行った。20年位前から付き合いのある会社だが、ここ数年ご無沙汰状態だった。久しぶりに仕事の依頼があり、直前に会社のHPを見て最新の商品情報を得ておこうと思ったのだが…「?」と思った。かつての売れ筋商品のひとつが消えていたからだ。

 

 その商品は便通を良くするというもので、いわゆる便秘に効くというやつだ。実際に使っていた知人の多くは皆快便になったと喜んでいた。身内の一人も便秘気味だったので飲ませてみたところ、出るわ出るわウンコもりもり。だが、出すぎ! 初めは喜んでいたが、出すぎて困るということで途中から飲まなくなった。それほど効果のあるサプリメントだったのである。

 それがなくなったとはどういうことなのか? 打ち合わせをした社員に話を聞いたところ、いきなり「大腸ヒョウ柄って知ってますか?」と言われた。初耳だ…。

 PCで検索して、大腸の中がヒョウ柄になっている画像を見せられた。あまりの気持ち悪さに思わず顔をしかめたほどだ。これは「大腸メラノーシス」または「大腸粘膜黒皮症」とも呼ばれる症状で、消化器系の医療関係者なら誰もが知っているという

   

 

 発症原因は、大腸刺激性下剤を長期にわたって飲み続けたことにあり、センナ、大黄アロエなどもそれに含まれる。これらの成分は、市販下剤、健康食品、ダイエット食品等に普通に配合されているものであり、消えた商品にもアロエが原材料の上位に表記されていた。

 

大腸メラノーシス」は色素沈着であって病気ではなく、摂取をやめれば数年で元に戻るし、全ての人が必ず発症するというわけではないらしい。傾向としては、中高年の方が発症率が高いとのことだが。

 A社では、顧客で実際にヒョウ柄になった人が何人もいたことから販売をやめたのだという。大手のメーカーだと気にしないのだろうが、中小の会社はちょっとしたことで潰れてしまうため念のためにやめたのである。

 

 実はこの商品のOEMを、化粧品メーカーのB社がインナービューティー用のサプリとして今も販売し続けている。オーガニックだから安心だと謳っているが、実際は化学成分と同じくらいタチが悪いわけだ。原材料のトップに安全な有効成分を含むものがあり、それを売り文句にしているが、アロエの表記が上位にあるのでは意味がない。

 

 

 その商品を取り扱っている美容サロンC店は、オーナーが商品の絶対的信奉者であり、自分のお客に対して「身体の外よりも中から奇麗にしなくてはいけない」との考えから、メーカーが推奨する美容液を塗布するよりも、まずはサプリをたっぷり飲ませていた。

 実際に長年吹き出物やニキビに悩まされていたお客の多くが改善されていた。便秘が解消して毎朝ウンコをしっかり出して、美容液で顔が奇麗になって喜んではいたが、大腸は気持ちの悪いヒョウ柄になっているのだろう…。

 

 

 この事実をB社の社員は誰も知らないはず。知っていたら自信を持って売れないだろう。いくらヒョウ柄の発症率が1割程度で、しかも病気でないといっても…。

 センナ、大黄アロエが含まれている市販下剤、健康食品、ダイエット食品等を摂取している人は、一度「大腸内視鏡検査」をしてみるといいかもしれない。

 

[編集後記]

 顔が奇麗でも心が汚いという女性はいるが、顔も心も奇麗なのに大腸がキモイという女性もいるんだろうなぁ。