男はいつも未練たらたら |  ライター稼業オフレコトーク

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アイドル記者を皮切りに、心霊関連、医療関連、サプリ関連、
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分野の取材執筆をしてきました。
ここでは当時の面白かった話や貴重な情報、取材で思ったこと、
記事にできなかった裏話などを披露していきます。

 昔のヒットソングをランダムに聴いていたら、たまたま男の失恋ソングが2曲続いた。そして、そこには共通点があった。それは「男は女にフラれると、いつまでも未練たらたら」ということだ。

 失恋した後、女はあっさりしているが、男はいつまでも未練を残すという。しかし、それがあるから男は成長できるのである。そのことを痛切に教えてくれる名曲だ。

 FLYINGKIDSの『暗闇でキッス』では、女に好かれていることを良いことに、調子に乗っていた男が愛想を尽かされて捨てられてしまうという歌詞。そこには「若さゆえの過ち」があり、「自分が如何に相手を傷つけていたか」に気づいてやっと後悔し、「反省したいからやり直したい」という気持ちが溢れている。

 若い時の恋愛…特に男は、相手に対する思いやりがどうしても欠如する。調子に乗って失敗する若い男が如何に多いことか。その失敗の多くは「自分が捨てられる訳がないという根拠のない自信」「こいつは俺にぞっこんだからという驕り」「俺の方が偉いという勘違い」…恋愛経験の浅い若い男は、こういう分かり切った原因で破綻を招く。しかし、熱愛中はこのことに全く気づかないのだ。

 歌詞のなかに「シャレにならないセリフで君を罵り」と言うのがあるが、これこそ若い男にありがちな過ちだ。男は女よりも無神経な言葉をどうしても発してしまいがちだからだ。「今じゃ世界で一番自分をバカだと思う」という歌詞があるが、こう思えた時、男は一歩成長する。

 

 JAYWALKの『何も言えなくて』は、若造ではなく少し大人の男が主役。しかし、大人になっても失敗をやらかす。それは、前述と同様に、フラれてから初めてその女の存在感に気づく。やっと分かった時にはもう遅いことに気づかされる。いくら自分が愛していると言っても、相手の想いもしっかり受け止めなければ恋愛は成り立たない。…そう教えてくれる。

 歌詞のなかに「きれいな指してたんだね」と、今さら分かることがあり、別れる段階で女のパーツ一つ一つを再確認していく。意識していなかった部分を感じることで、どれだけ素敵な女であったかを思い知るのだ。

『暗闇でキッス』は、例えるなら妻に出て行かれた夫が「俺が悪かったぁ~。帰ってきてくれぇ~」と泣き伏しているようなものだ。『何も言えなくて』は、去り行く女に対して黙っているが、結局は素直に謝罪を口にできないだけの“ただの男の強がり”。

 共通しているのは、どちらも男が未練たらたら。女が失恋しても立ち直りが早いのは、未練をきっぱり断ち切れるからだ。だが、男はそうもいかない。もう一度やり直したいと願う。

 では、なぜこの男女差が生まれるのか? それは恋人同士の関係において、男は女の“行動”を束縛したがり、女は男の“時間”を束縛したがるからだ。“行動”と“時間”の違いが、失恋後の男女の感情に差を生み出すのである。

 男は束縛すべき対象の“行動”を失うと激しい空虚感に襲われる。その満たされない思いから未練が生まれる。一方“時間”は過ぎ去ってしまえば、それで終わり。だから女はあっさりしているのだ。

 

 男はフラれるたびに成長する。そのなかでもフラれて反省のできる男は、女を大切にするようになる。だから女にお願いしたいのは、男のダメな部分が見えても、見限るのをちょっと待って欲しい。こんな男達に執行猶予を与えて欲しい。

 ただし、すぐに許すと男は反省ができない。それが浮気を繰り返す元となる。本当に反省できる男かどうかを見定めてから、許して欲しいのだ。

 そうなる前に、男自身がしっかりすればいいのだろうが、人は失敗しないと分からない生き物…。だから若造君たちにはいつもこう言っている。「いっぱい恋愛をしろ。そしていっぱいフラれろ」と。別れは辛いけど、いつかそれが糧になる。それが男ってもんだ。

 まぁ、大人にならなきゃ分からないだろうけどね…。

 

[編集後記]

 平成生まれの若造君たち…恋愛を勧める以前に、大きく立ちはだかっている問題は、草食系男子の増加&童貞の増加。まずはこれを何とかしなければ…。