歯科の話 ~その2・保険診療と自由診療~ |  ライター稼業オフレコトーク

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ここでは当時の面白かった話や貴重な情報、取材で思ったこと、
記事にできなかった裏話などを披露していきます。

 平均的な保険診療の歯科医院は1日25人患者を回さないとやっていけないらしい。月収入が250万ないと経営が成り立たないというのだ。

 そのため一人あたりに要する診療時間は平均20分。ところが自由診療だと一人に3時間もかける。特に最初の段階では、説明に異常なほどに時間をかける。それは本当に必要なことだからだ。

 しかし、保険医は、とにかく患者を回さなければいけないので、細かい説明をしている時間がない。だから、簡単な説明はするが、十分な説明はしない。…できないと言ってもいい。

 また、説明したとしても、危険性を知らせてしまう内容だと患者がビビって来なくなってしまう。自由診療の説明では、リスクがあることをしっかり説明し、それを納得したうえで治療を受けてもらうことにしているのだ。

 

 神経は抜かない方がいいという。保健医が抜きたがるのは、抜くことによって診療報酬の点数が増えるからだ。こうなってしまったのは、歯科医の保険点数が下げられたことにある。だから、どんどん作業工程を増やそうとするのである。

 1回で終わりそうな治療なのに、簡単な治療だけで何回も通院させられることを不思議に思ったことがないだろうか? つまり、こういう理由だったのだ。(注:治療内容によっては全てが該当するわけではない。)ところが自由診療は1回で治してしまう。

 

 根管治療は短時間で治せるものではない。時間がかかるもの。しかし、自由診療のように1回の治療に時間をかければ、じっくりやることで確実に早く治る。

 根幹治療は非常に手間暇がかかる。だからこそ大事なのであり、時間をかけてじっくり治療しなければならないと自由診療の歯科医は言う。

 一方、保険医としては、根幹治療をじっくりやるよりは、さっさと抜いた方が手っ取り早いという訳だ。

 何も知らない人は、自由診療はがめつい歯科医がやるものだと思いがちだが、実はそうでない。真剣に歯科医としての使命を果たしたいと思っている人が、時間をかけて確実に治したいから行っているのだ。一方で、保険診療では経営上やっていけないという問題を抱えていることも否定できない。

 今、“経営”と“歯科医としてのプライド”を守りたい人が、どんどん自由診療に切り替えている。歯科医院は二極化の時代に入ってきた。

 

[編集後記]

 この話は自由診療側の歯科医から聞いた話なので、一方的な内容になっていることは否めない。そのため、ここにおいてはそういう視点で受け止めてもらいたい。