腱板断裂には 大・中・小と大きさによって区分されます。
厳密には、大の中には縫合できないirreparableという状態があり
小の中には滑液包面断裂、関節面断裂と区分されます。
今回は大きい断裂についてコラムを書こうと思います。
年齢、性別、活動性により手術するのか様子を見るのか変わってきます。
まず大前提として大きな断裂は、長期間の断裂の放置によって起きることが多いです。
小さい断裂だったのが、転倒などの外傷で断裂幅が大きくなることもありえます。
40代〜60代
70代〜以降
で2つのパターンで考えたいと思います。
治療にはいろいろな方法が過去に報告されています。
当方が人工肩関節置換術について肩学会誌に投稿したり、ASCRと呼ばれるここ数年行われるようになった腱板の代わりに大腿筋膜を移植する方法が現在主流かなと考えております。もちろん関西方面では他にも治療方法を報告しているグループがありますが、現在完璧な方法というのは存在しないと考えています。
どの治療も一長一短があります
今回は、人工肩関節、ASCRという方法について述べます。
世界では、広範囲の断裂には一般的に行われている治療です。
術後成績も 割と 安定しています。
割とというのは、そこそこ手が上がるが、完璧ではない。昔の人工関節のように全然挙上できない人も少ないという意味で割と良いという判断をしています。
手術も1時間程度で済むというのも 患者さんの負担は少ないかもしれません。(出血は多い人もいます)
術者も1時間で終わるのは精神的には楽に感じます。
しかし、デメリットとして、感染リスク、脱臼リスク、再置換リスクがありえます。
日本では70歳以上の方に行われることが多いので、若年者の患者様の場合は特別な事情がない限り、RSAはしない可能性が高いです。(もちろん病態によって変わることもありますし、他に治療選択肢がない時もありえます)

(EXACTEC社ホームページより)
ASCRというのは、大阪の整形外科医 三幡先生が開発された手術です。
足の大腿筋膜を移植する手術で腱板の代用品として使用します。
メリットとして、生体材料を使うのでアレルギーの可能性が低いこと、
人工関節と比較して挙上はしやすいかもしれません。
当然ながらリスクもあります。
大腿筋膜も薄い場合には断裂リスクがありえます。
そして、手術の時間は2.5時間から3時間程度を見込みます。
内視鏡を併用するので、大出血を起こす可能性は低いです
今後、自分の組織を犠牲しない方法が出てくる可能性はありえますが、
まだ実用段階にはありません

ARTHLEX社ホームページより