週末農夫として土に親しみ、低山を歩くのが好きな私ですが、自然について“伝える”視点で向き合ったことはあまりありませんでした。
そんな折、自然観察指導員講習会の案内を見つけ、「学んでみたい」と思い申し込みをしました。
2日間にわたる講習会は、想像以上に濃密で、そして豊かな時間でした。
予報通りの土砂降りの中、最初の実習が始まりました。
この場所から見える景色を観察しスケッチすることが最初の課題です。
絵を描くなんて何十年振り?ってみんな口々に言いながらも黙々とスケッチブックにペンを走らせました。
講評では、「奥に立っている街路灯は書きましたか?」「手前に咲いているドクダミの花は?」「右手奥の枯れている木は?」そして、「雨や風は?」「鳥の鳴き声は?」って!
『観察とは、ただ見ることじゃない。みるは見ると観ると漢字で書けるが、観察のみるは観る』という講師の言葉。
そう聴いてあらためて景色を観ると不思議なもので葉の形の違いや緑の色の濃淡までが観えてきます。
虫の動き、風の匂い…、雨音の違いまで。
当たり前のようにそこにあるものが、丁寧に観て、聴いて、感じることで、ぐっと身近に、そして面白くなる。
ずぶ濡れになりながらも自然の中に身を置いたことで“奥行きを五感を総動員して感じる”ことを初めて知ったような気がしました。
2日目はうってかわっての晴天です。昨晩夜遅くまで酒を酌み交わしたのに、不思議と元気です。
実習では、グループで森を歩きながら、虫や鳥、木々や身の回りの自然を感じる時間です。
「これは〇〇の幼虫ですね」「この鳥の囀りは〇〇かな?」「この葉の匂いを感じてください。まずはそのままで。次は手でそっと触って。そして少し爪をたてて」
一人では気づかないことも、仲間と語り合うことでどんどん広がっていきます。
まるで、自然と自分との間に通訳がついたような、そんな感覚でした。
そして何より感動したのは、集まった受講者や講師はじめスタッフ皆さんの人柄です。
年齢も職業もバラバラなのに、自然を前にすると皆んな素直で優しい。
「自然を大切に思う人に、悪い人はいないな」と、少し感動すら覚えました。
ふと「これって人生も同じかもな」と思いました。
何気ない日常にも、小さな“変化”や“兆し”はある。でも、気づけるかどうかは、自分の“観察眼”次第。
農作業でも山歩きでも、そしてこれからのセカンドキャリアでも、そんな「気づきの感度」を高めていけたらいいなと思っています。
講習会の最後には、講師の方への拍手、サポート頂いたスタッフへの拍手、自然への拍手、そして自分たち自身への拍手。。。
この体験はゴールじゃなくて、例え予期せぬ落とし穴にはまることがあっても、それもこれも新しいスタートだなと感じました。
今後は、低山ガイドとしての活動や、週末農夫としての発信の中でも、自然の魅力を少しでも伝えていけたら――
そう思えるかけがえのない2日間でした。
自然の中には正解はありません。
でも、気づきと感動はいつでもそこにあります。






