今日は若かりし頃に片思いをしていた女性の誕生日。
先ずは、おめでとう。
最後に会ったのは…四半世紀も前になるのでしょうか?偶然と言っていいかもしれませんが、思いがけないところで会えて、そして少しだけど会話することもできて。でも、アナタの隣にはガタイのいい男性がいたので…必要以上におしゃべりはできなかったし、当然ながら連絡先も交換できませんでしたけどね。あの頃って、俺は地元に戻って来て間もない頃で、すごく不思議な話ではあるんですが、「会いたいな」とか思う人に街中のあちこちで出会えた時期でもありました。そして、あなたが俺を覚えていてくれたことを嬉しく思ったものです。
思い返すと…当時の僕の恋と言うか…あなたへの想いと言うのは、本当に一方的で。今で言うところの、ストーカー、付きまとい…と言ったところでしょうか。いくら若かったとは云え、自分の能力を勘違いしていた部分は多々あったと思うし、今思い出すと…アナタには迷惑をかけていたんだろうなと反省もしています。恐怖でしかなかったかもしれませんね。
あの頃は本当に若かったのもありますが、本気であなたを幸せにできるのは自分だけ、そんな考えでした。一緒になれたら、一生幸せになれる、幸せにできる、そんな根拠のない自信がおかしな行動へと駆り出されてしまったんだと思います。
髭ダンの曲じゃないですが…「君の運命の人は僕じゃない」詰まるところ、そういうことだったから、今のアナタと俺には接点が何もないんでしょうね。同じクラスになったこともなければ、通っていた高校も違う。進路だってバラバラで、偶然にも…同じ他県の学校に進学はしましたが、街中で偶然会うこともなく。卒業した後は…それぞれでしたし。つまり、何かの同窓会が開かれたとしても、俺はあなたに会う機会すらないってことです。
でもね、散々あなたには振られまくりましたが、自分の中に後悔は何もありません。告白できて、アタックすることができて、デートに誘えて(それも断わられましたけど)自分勝手ではありますが、満足してたと言うか…最終的な「目標」は果たせなかったけれど、我ながら青春していたと思います。今となっては、負け惜しみですが、あなたに振られて良かったと思っています。
四半世紀前に会ってからその後のことを思い返すと、つくづく、俺を選ばなくて正解だと思います。万が一、一緒になることができたとしても、多分、俺の稼ぎの悪さ、口ばっかりの正論に嫌気を刺して、アナタは離れて行ったと思います。少しだけ強がらせてもらうと、あなたは俺を選ばなくて正解だったのです。人との出会いで運命は変わると言いますが…俺に関わらなくてあなたは良かったのではないでしょうか?
さて、話を戻します。あなたは今日、どこで誕生日を迎えられるのでしょう?きっと、ダンナさんやお子さんから、そしてお友達や職場の人たちから祝福されていることでしょう。もしかしたら、お孫さんとかまでいるかもしれませんね。家族でどこかオシャレなお店で家族でお食事…なんてことも計画されてるかもしれませんね。
あなたが今どこで何をしているのか、俺には全く知る術がありません。あなたがSNSとかやってると思わないし、仮にやっていたとしても、名字が変わってしまってるでしょうから、調べようもありません。共通の知人もいませんし…そもそも、俺は学生時代の同級生と連絡も取っていませんから。
でも…どこかで幸せに過ごせていることと思います。あなたにも色々あったと思いますが、きっとその幸せを維持できると信じています。
そう、運命の人は俺じゃなかった。あなたの運命の人と結ばれ、幸せなんだと思っています。
街中で出会う可能性はゼロではないかもしれません。もしかしたら、どこかですれ違っているのかもしれません。気づかなくなってしまったんです。
俺の記憶もだんだん薄れ、覚えているのは…若かりし頃のあなたの姿だけです。一緒に写真を撮ったわけでもないので、俺の手元にはアナタのものなんて何もないのですが…30年も昔の記憶だけが…辛うじてあなたを思い出す手段です。
どうかこれからも幸せであってください。
あなたの記憶に俺はないかもしれません。俺の名前すら憶えていないかもしれません。それはそれで…寂しい気はしますが、仕方のないことです。僕は君の運命の人ではなかった。それだけのことです。
お誕生日おめでとう。
お幸せに…と言うよりも、どうか元気でいてください。
それでは…また。思い出した時に。