いわゆる「社会人」と言う枠に入って
20年になる。
仕事をしていない期間もあったけどね。
初めて自ら「辞表」を出したのは
地元に戻ってきてから入った職場。
あまりにも条件が悪く、
休みもほとんどない。
オフの日に休んでいたのに、
「なんで休んだんだ?」と聞かれた。
「他の人は休みでも出てきて仕事しているぞ!」
ムチャクチャな言い分だ。
残業代だってもらえない。
今で言う、「名前だけ店長」という仕事だった。
周りのスタッフ(バイトも含む)は
俺には非協力的で、
むしろ、裏でバカにされたり、
罵られたりしていた。
誰も俺に必要以上に声をかけてこないんだから。
態度で分かる。
今思うと、
俺にも間違っていたところ、
悪かったところが多々あったと思う。
見た目もひどかったしね。
それに気付いて、その場で謝ったりすれば…
だとしても次の日から仲良くなれるものじゃない。
肩書きは「店長」だったけど、
だからと言ってみんなが俺を頼っていたわけじゃなく、
俺を重要視しないと言うか…
いてもいなくてもいい、そんな扱いだった。
むしろ、いないほうが都合が良かったのかもしれない。
元々が理屈っぽく、
反発精神が強い俺。
そんなつもりはないけど、
常に上から目線らしい。
これじゃ嫌われても仕方がないね。
スタッフやアルバイトはみんな仲良し。
俺の知らないところで
色々な飲み会を開いたりしていたようだ。
俺が呼ばれることは一度もなかったけどね。
せめてその輪の中に入ることができていたら
あんなに冷たい扱いを受けなかったろう。
あんなにヒドイことを言われたりしなかっただろう。
あんなに悔しい思いもしなかっただろう。
あんなに背負い込む必要もなかっただろう。
ある日、何かが弾けて、突然退職を願い出た。
反対されることもなく、あっさりと受理された。
周りにも辞める旨を伝えたけど、
「あ、そうですか。」
と心のこもっていない声をかけられるだけだった。
淋しくなる、とか
困る、とか、
残念だ、とか…
そんな言葉は誰一人かけてもらえなかった。
それどころか、
「やっと追い出せた」
そんな感じだろうね。
とにかく辞めて、せいせいした。
なんせ「休み」がなかったんだから
先ずはゆっくり休もう、そう思った。
でも…俺の悲劇はそこから始まった。
仕事なんていくらでもあるし、
もっと高評価してくれるところがある。
そんな甘い考えがあった。
2~3社受けたら決まるだろう。
そんな考えだった。
でも現実は…
何十社と面接したのか覚えていない。
もっと屈辱的な日々が続いた。
でもね、辞めたことは後悔していない。
あのまま働いていたとしても、
今度は俺が参ってしまっていただろう。
他のスタッフが嘆願書とか用意して
俺を追い出したかもしれない。
色々なことを踏まえて、今の俺があるわけだ。
でも、誤った選択だったのかもしれない。
結局、自分で自分のことをわかっていなかったんだろうね。
今でも分かっていないけど…