僕にとって特別な、とても特別な会がひとつ終わりました。
もうですね、来てくださったお客さまに感謝。
満席のみなさんが、一人残らず全員が、お話に耳を傾けてくださって。
事前にお願いしていたとはいえ、本当に、本当に嬉しかった。
大袈裟でなくて、一生心に残る会になりました。
本日の主役、酒ぬのや本金酒造の九代目蔵元である宮坂恒太朗さん。
3日後の25日には今期25BYの初洗米だというこの時期に来てくれました。
そしてもう一人の主役、蔵元夫人のちとせさん。
いつでも元気いっぱい、いつも笑顔のパワフルな二児の母(笑)
その前に、酒ぬのや本金酒造のことをちょっとだけご紹介させていただきます。
長野県上諏訪には造り酒屋が五軒あります。
どこも決して大きくはないのですが、有名な真澄をはじめとして舞姫、麗人、横笛、そして本金(ほんきん)を醸す「酒ぬのや本金酒造」が、都会とは違って細くなった甲州街道沿いの数百メートルほどの範囲に並んでいます。
創業は宝暦6年(1756年)といいますから250年を超える歴史を持っています。創業当時は「志茂布屋(しもぬのや)」の屋号を持ち、昭和初期に「酒布屋(さけぬのや)」の屋号への変更を経て現在の「酒ぬのや本金酒造」の名称に至ります。
平成20年度より杜氏を担当する九代目蔵元、宮坂恒太朗さんとこだまとの出逢いは6年前、平成18年まで遡ります。初めて一緒に飲み交わしたその日のことは今も忘れません。それからずっと応援をし続け、地酒屋こだまOPENと共に取り扱いをさせていただき現在に至るのですが、いつしかいち取引先を遥かに超えた、弟のような大切な存在になりました。
恒太朗さんが思い描く本金は「すっと飲みやすい」「程よく味と香りが膨らむ」「主張しすぎない」そんな酒質。関わった人々を「本金で幸せにすること」が一番の目標だという恒太朗さんの造る酒を毎年見ていますが、お世辞抜きに毎年の進化が著しく、理想とする酒に徐々に近づいてことを実感するここ数年なのです。
決して派手ではありませんが、
地酒屋こだまを代表する大切な個性的銘柄のひとつ、それが「本金(ほんきん)」なのです。
公私交えて仲良くしていただいている関係で、本文中では普段の呼び方で恒太朗さんのことを「恒太朗」、ちとせさんのことを「ちとせちゃん」と表記しますがお許しください。
あ、あと、お料理以外の写真は醇さん常連の大井さんよりご提供いただいたものを多く使用しております。感謝申し上げますと共に著作権がございますので転載はご遠慮ください。
まずは乾杯でスタート。
頼れるアニキ、醇さんも熱望した会なので笑顔いっぱいです。
まずは前菜。「りんごのきんとん、いなごの佃煮、ローストホース」
いきなり長野色いっぱいのお料理でスタートです。
続きますは「鰤しゃぶサラダ仕立て」
旬の鰤を使っていることもありますが、本金の酸と合う美味しい一品です。
さらに「卸しかぶらのワンタンスープ」
おろした蕪がもう優しくて優しくて、汁もの好きとしてはたまらん♪
実は恒太朗、「筋委縮性側索硬化症(ALS)」という難病と闘っています。
現在は恒太朗が杜氏として指揮を執り、蔵人の今井くんが手足となり酒造りに臨んでいます。
そのためどうしても話し声が小さくゆっくりになるため、今回は新兵器(?)ハンディマイクを使っていっぱい喋って貰いました。このマイク、非常に効果的で、後日恒太朗が「ありえんくらいしゃべれてしまいました(笑)」って言ってたくらい(笑)
そして続きますは「鯉こく 白ワインソース」
これ!めちゃめちゃ美味しくて本金とめちゃめちゃ合いました!
鯉に白ワインかぁ、意外だけど素晴らしいお料理でした。
さらに「山葵漬けポテトサラダ」
じゃがいもと山葵漬けがこんなに合うなんて!
さらに「蕎麦掻きと旬菜の炒め物」
優しい味の蕎麦掻きと野菜が美味いこと美味いこと。
そして〆には「みそ天丼」
これね、諏訪のB級グルメなんだって。品が良くてするっと食べられます。
ちょっと重い話ですが、告白させてください。
恒太朗の発病はもう随分前になります。昨年5月に初めてそのことを恒太朗から正式に聞いた時、もう涙が止まらなくて一緒に泣きました。なんでこんなに頑張ってる恒太朗がそんな目に遭わなきゃならないのか、本当に悔しくて泣きました。
でも恒太朗、今も治療を続けながらリハビリを頑張っています。それでもやっぱり人前に出るのはちょっと大変なので大きなイベントなどは蔵人の今井くんに任せるようにしています。デリケートな問題であるが故に今までなかなか積極的にOPENにできずに来たのが実情なのです。
ただね、ここからが重要なのですが、
恒太朗は常日頃から僕に「病気を、酒を売る手段にしたくない」って言うんです。そういう男なのです。お願いです、そんな恒太朗の気持ちだけは理解していただきたく思います。その上で応援していただけたら、こんなに嬉しいことはありません。
どうか、温かく見守っていただけたらと思います。(お願いします)
あとね、誰がいちばん偉いかって、それはちとせちゃん。
二児の世話をしながら、いつも笑顔で恒太朗を叱咤激励して支えてる。
恒太朗も、そんなちとせちゃんに心から感謝している、そんな素晴らしい夫婦。
今回の本金は渾身の11種類。右から・・・・・
本金 大吟醸原酒 24BY
本金 本醸造 からくち太一 24BY
本金 本醸造 すっぴん太一 無濾過生原酒 24BY
本金 純米吟醸 24BY
本金 純米吟醸 無濾過生原酒 24BY
本金 純米 24BY
本金 純米 無濾過生原酒 24BY
本金 純米 雨あがりの空と 24BY
本金 吟醸 無濾過生原酒 亀口取り 22BY
本金 特吟 原酒 21BY
本金 純米吟醸 原酒 21BY
最後の3本は僕が店で大切に寝かせていたお酒、もう二度と逢えません。それにしてもこうして振り返ってみると、24BYはやはり本金史上最高の酒を醸した年だったように思います。
恒太朗、ちとせちゃん、来てくれてありがとう。
僕は君らと友達であることを心から誇りに思います。
最後にスタッフ全員で記念写真!
やり終えたぜ!という心地よい疲労感がみんなの顔に浮かんでいる気がします。
最後になりましたがあらためまして、
醇さんお疲れさま!
そしてご参加のみなさん、本当に、本当にありがとうございました・・・・・!
地酒屋こだまはこれからもずっと、恒太朗の醸す本金を応援して参ります。
















