なんで地酒屋をやってるのか?と問われることがある。
ま、一言で表せば「好きな酒を知ってもらいたいから」なのだ。
自分の好きな酒以外を売るくらいなら地酒屋なんか辞めている。
だから僕の店には「僕好みでない酒」が存在しない。
厳密にいえば「ほんの少しだけある」のだが、ま、ご愛嬌(苦笑)
商売ってのはオトナの事情ってのが少なからずある、と実感する次第。
地酒屋を始めてもうすぐ丸二年になる。
もう二年?まだ二年?・・・その辺は想像にお任せするとして
なんというか、のろまながら少しずつ進化している自分がいる。
思うままに書くから、まとまりのない記事になるかも知れない。
先日、松本へ行ってきた。
メインは前に書いたように松本でのイベントなのだが
その他に、実は二つの蔵を回ってきた。
ひとつは新規に取引を開始する蔵。
もうひとつは既にお付き合いをしてくれてる蔵。
その中で感じたことを書き記しておきたい。
まずは「笹の誉」を醸す、松本の笹井酒造さん。
杜氏を担当する笹井さんがアホみたいに(誉め言葉ねw)ストイックな酒造りをしています。
もともとは僕の師匠の一人、大町の横川商店さんからご縁をいただきました。

笹井さんは、ほぼ全ての酒を総米300Kg前後で仕込んでいます。
わかりやすく言うと普通酒から大吟醸まで「全て大吟醸並み」に
小さなサイズの造りでえっらい手間暇掛けて仕込んでいます。
考えついても普通はやりません。心は折れるし体力的に死にます(笑)
今回は二回目の訪問でした。
この6種類を時間を掛けて真剣にきき酒させていただき
時間経過も含めてひとつひとつ笹井さんとディスカッションして、
笹井さんが何を考え何を目指してるかを、不完全ながらも理解できた気がします。

たとえば笹井さんが理想とする酒質と周囲から望まれる酒質は違うこともある。
その中で彼がどうそれを噛み砕き処理したかが一本一本から滲み出ている
それを及ばずながら感じることができた時に初めて思いが形になりました。
売りたい。売らせて欲しい。
笹井さんの想いを飲み手に伝えたい。
なにより、こんなに面白いオトコがこんなに面白い酒を造っていることを伝えたい。

いろいろな意味で、まだまだ発展途上の酒かも知れません。
でもそれはたぶん、僕も一緒。
だからこそ、どこか通じるところがあるのかも知れません。

思いっきり自由で思いっきりストイックな笹井さんの酒。
近日中に地酒屋こだまに入荷、販売開始する予定です。
そして次に向うは、おなじみ笑亀酒造さん。

はいはい、その舌はやめなさいって(笑)
笑亀さんのお酒、地酒屋こだまでは5種類を常に扱っています。
普通酒、本醸造、そして純米を年度違いで3種類。しかも全部生原酒。
そうなんです、実は火入れの酒を一回も入れたことないんです。
そう、僕の切り取る笑亀は「濃くて酸が効いた旨口の個性派」
地元で出回る普通の(と言われる)お酒や吟醸系は一切入れてない。
こんなことでいいんだろうか?と少し迷う気持ちもあったんです。
で、今回蔵を訪ねて(いったい何度目になるやらw)
数種類のきき酒をし、蔵の酒を漁り(笑)、ディスカッションを重ねる中で
杜氏を担当する丸山大輔社長がこんなことを言いました。
たけさんの選ぶ笑亀は、僕が本当に造りたいと思うものばかり。
だから迷わずに、そのままいってください。
よかった、と思いました。
というか、単純に嬉しかった。
ありがとうダイちゃん。このまま突っ走るよ。
とはいえ、いいもん見つけちゃったので(笑)
これから夏に向けて楽しそうな活性にごり酒と
ちょっと秘密の熟成系を近いうちに入荷させます、乞うご期待!
いつも「その蔵の本質を切り取ろう」と考えています。
同時に「造り手の想いを感じ取ろう」と考えています。
そしてなにより「飲み手にそれを伝えよう」と考えています。
とても小さいですが、それが僕の目指すもの。
小さくても、誇りに思う気持ちが深くなりました。
僕にとって蔵を訪ねることは自分の原点を見つめ直すこと。
二周年を前に、これからもますます頑張っていきます。