昨夜の喧騒から一夜明け、僕は大阪のとある場所で朝を迎えました。

あんなに呑んだのに、あんなに遅くまで(なんと4時過ぎまで)騒いでたのに、

今朝(っても11時半だけどw)は二日酔いもなくすっきりと目覚めることができました。


最近ね、ちょっと疑問に思っていることがあります。

それは「純米酒だから二日酔いしない」「アルコール添加酒だから二日酔いする」という説。

実は造りの現場でもちょっとヒントに思うことが実際にあったんです。

あれね、たぶん気のせいとその日の体調のせいだと思います・・・そう思えてならないんです。

ま、それはまた別の機会に・・・とにかく楽しく呑むことは不可欠ですけどね!(粗悪なお酒は知らんw)


そんなこんなで今日は奈良の千代酒造さんにお邪魔します。

昨日から世話になりっぱなしのあらまつのshigeさんと奥さまのまぁちゃんに

今日も最後までお世話になりっぱなしの予定でございます(笑)


酒は生涯の友、友は生涯の宝

奈良盆地の南西に位置する葛城山を臨むこの地に蔵は建っています。



酒は生涯の友、友は生涯の宝

葛城山からの伏流水がこの広い奈良盆地を潤しているのです。



酒は生涯の友、友は生涯の宝

千代酒造株式会社  奈良県御所市(ごせし)櫛羅



酒は生涯の友、友は生涯の宝

主な銘柄は「篠峯」そして地元の名前を冠した「櫛羅(くじら)」が最近では有名です。



酒は生涯の友、友は生涯の宝

玄関脇に鎮座するカエルくん。

堺専務によると「無事カエル、ってことじゃないでしょうか・・・たぶん」とのこと(笑)



こちらの千代酒造さんとは昨年ご縁をいただきまして、7月にお邪魔しております

その際の「次回は是非造りの時期に」のお言葉に甘えて今回の再訪と相成りました。



まずはちょっと2階からご紹介。


酒は生涯の友、友は生涯の宝

こちらの蔵では自家精米をしています。

自社田で収穫された山田錦ももちろんここで精米しています。

堺専務(杜氏でもあります)仰るには「今年の米は近年ではほぼベストの出来」とのことでした。



酒は生涯の友、友は生涯の宝

2階に設置された掛米用の最新型洗米機。

使い勝手と効果は上々とのことです。



酒は生涯の友、友は生涯の宝

洗米機から浸漬タンクを経た扉を開けると目前に葛城山が迫ります。

ちょうど真西にあたるので西日が凄いです・・・夏はマジで暑かった(笑)

水も気温もすべてを司るという点でも、この山はやはり神の山なのかも知れません。



はい、では1階に降りましょう。


酒は生涯の友、友は生涯の宝

ボイラー式の蒸米機。

米の蒸し時間に関して以前伺った時は独自の視点をお持ちでした。



酒は生涯の友、友は生涯の宝
これは放冷機。

蒸し上がった米を丁寧に適温まで冷ますための道具です。

ちなみに奥に見えているのが仕込み蔵です。



酒は生涯の友、友は生涯の宝

仕込み蔵直前の左側にある麹室。

どの蔵でもそうですが、蔵の心臓部ですね。



酒は生涯の友、友は生涯の宝

ちょうど枯らしている途中の麹がありました。

全体にハゼが行き渡っていてかつ甘すぎず、締まったいい麹に感じました。



さて、お待ちかねの仕込み蔵にやってきました。


酒は生涯の友、友は生涯の宝

ここに並ぶ3つの小さなステンレスタンク。

今回の訪問、実はこれがひとつの目玉だったのです。


これ、「酒母」といってお酒の元になる最初の小さな仕込みなんですが

この中に、一般と違うちょっと珍しい酒母のタンクがあるのです。


それが、これ。


酒は生涯の友、友は生涯の宝

おおっ!


・・・・・と言われても何のことやらって方が大多数だと思います(笑)

では、この「泡の顔」に注目していただいて、普通の(わかりやすい)酒母と比べてみます。


酒は生涯の友、友は生涯の宝


・・・・・いかがでしょ?泡の顔というか、立ち方が違うのがおわかりでしょうか?

ものすごく簡単にいうと普通の酒母の方が「ぶくぶく」してると言いますか。


酒は生涯の友、友は生涯の宝

もう一度、最初のタンクに戻ります・・・・・で、あんまり「ぶくぶく」してないでしょ?



これ、実は生酛(きもと)と呼ばれる自然に頼った古来からの造り方をした酒母なんです。

現代の酒造りは「乳酸」を添加して酒母が育ち易い環境を作ってあげるのが一般的なのですが

この生酛造りは乳酸添加をせずに自然界からそれを取り込んで酒母を造り上げるのが特徴なのです。


結果、腰の強い呑み応えのあるお酒や、酸の利いた独特の風味のあるお酒や、

好みは分かれやすいのですが「その蔵独特の個性の強い酒」ができる傾向があります。

その蔵に自然に存在している菌を取り込んで造るのですからその蔵の味になるのには納得がいきます。


この生酛の酒母、そう簡単に見れるものではありません。

かく言う僕も実は初めての体験で、どきどき、というか興奮しました(笑)

すべては杜氏でもある堺専務のご厚意によるもの、本当にありがとうございます。


この生酛の酒母、なんというか・・・・・香りが独特です。

今までまったく経験のない香りなのですが、とても懐かしくもある不思議な香り。

酸っぱさをまったく感じない漬物の穏やかな香り・・・・・とか、

秋田のおばあちゃん家の土間の脇にある漬物&塩漬け部屋に近づいた時の香り・・・・・とか、

日本の食べ物に馴染みのない外国人に嗅がせたら間違いなく異臭と言われるであろう香りであり

しかしこの香りは間違いなく郷愁を誘います・・・・・うん、やはり僕は日本人でよかった(笑)


いいものを見せていただきました・・・・・堺専務、本当にありがとうございます。




さて、引き続き今度は発酵中のタンクを拝見します。

まずはこのタンクから・・・・・

酒は生涯の友、友は生涯の宝

堺専務が「明日搾る予定です」と仰っていた純米酒のタンク。

(その後発酵具合をみて明後日に変更になったそうです)


酒は生涯の友、友は生涯の宝

うん、たしかに発酵が終わりかけて穏やかな表情を見せています。


きかせていただきましたが、酸がきいてしっかりした酒質で実に美味しかった。

この7号酵母を使った純米酒、23日以降に発売とのことで心待ちにしています。



酒は生涯の友、友は生涯の宝

うん、このタンクは搾るまでもう少しかかりそうですね・・・・・



酒は生涯の友、友は生涯の宝

いわゆる密閉型のタンクも使っています。(密閉してませんでしたがw)

盛んに発酵が進んで、いい表情を見せてくれています。



酒は生涯の友、友は生涯の宝

そうそう、右手に見えるこのひときわ小さな二つのタンク。


まずは奥のタンクを覗いてみましょう・・・・・


酒は生涯の友、友は生涯の宝

おや?一風変わった泡の表情を見せていますね。

実はこれ、独特の香りを出す特徴のある酵母を使った時に出る表情だそうです。

大吟醸の仕込みということで、非常に素晴らしい香りに納得しました。


では、手前のタンクも・・・・・

酒は生涯の友、友は生涯の宝

これまた泡の表情が違いますね。

これは一般の協会系の酵母を使った純米吟醸酒。

バランスの取れた芳香が特徴的でした。




一通り拝見させていただき、最後にいろいろと試飲させていただきます。


酒は生涯の友、友は生涯の宝

ブラインドでの意見交換ということもあり一部ラベルがありません、ご了承下さい。


うん、面白い。


辛口系は冷やでは難しいが常温で味がグンと乗ってくる・・・・・これは美味い。

香り系は篠峯の特徴は薄れるが酒質のよさと飲みやすさで入口としては最高でしょう。

生酛系は常温になってくるとフルーティさをはじめ多種多様の旨味が立ち上がってくる・・・・・凄い。


個人的には今、辛口系(商標は超辛口)に物凄い可能性を感じています。

常温での味は抜群・・・!辛口のキレがある中に「米の旨味」をしっかり詰め込んでいます。

呑むたびにその絶妙なバランスのよさに感心、ついつい手が伸びる危険なお酒(笑)

ただこれ、酒販店さんがしっかり売らないと誤解されたまま(冷やのみで)呑まれるとツライかも。

それから最も難しいのは料飲店さんかなと思います。

無濾過生酒のため管理は絶対に冷蔵が必要→しかしそれだと常温での提供が難しい。


それからこの蔵の生酛はやっぱり凄い。

よくある「昔ながらの酸っぱくて重いもっさり系」でもなく「最近の意外に呑み易い軽め系」でもなく、

土や草のニュアンス&フルーティさ+後から立ち上がってくる様々な表情に笑っちゃう、って感じ(笑)


求められるままあーだこーだと勝手なことを述べさせていただいた、楽しい時間でした。



お忙しい中、2時間半もお邪魔してしまいました(汗)



最後に玄関で記念撮影を・・・・・

酒は生涯の友、友は生涯の宝

あら?なんだかみなさん固いですねぇ。。。。。



酒は生涯の友、友は生涯の宝

そうそう、そうじゃないとねっ(笑)



堺専務、あらためまして本当にありがとうございました。

この場をお借りして、厚く御礼申し上げます。

惜しげもなくいろいろなことを教えて下さり、とても勉強になりました。


今年もまた東京での会はお手伝いさせていただきますのでどうかよろしくお願いします。




あ~~~楽しかった~~~♪


さて、帰りましょうか・・・・・って、んんんっ?



酒は生涯の友、友は生涯の宝


ダメですよshigeさん、勝手に持ってきちゃ(笑)


ちゃんちゃんw