さてさて、いよいよ佳境です。(なんの?w)
大町の旅も終わりに近づき、なんとなく寂しくなってきました。
<その2>実直で重みを感じる蔵元~市野屋商店(金蘭黒部)さん~
その寂しい気持ちとは裏腹にテンション高く乗り込んだのがこちら。
大正12年創業、300石程度の造りをしている小さな蔵元さんです。
代表銘柄は「北安大國(ほくあんだいこく)」
昨年の平成19年酒造年度より、僕と同い年の山崎杜氏が指揮を執っています。
僕自身がこの蔵の酒と出逢ったのはもう15年ほど前。
独特の柔らかい旨口のお酒を呑んで一発でファンになりました。(今も味を覚えてます)
そしてたまたま2年ほど前に山崎杜氏とご縁をいただき、以来親しくしていただいております。
お邪魔するのは2度目なので、目についたところだけ簡単にご紹介しますね。
今年から導入した新型の洗米機・・・バラつきがなくて上々とのこと。
洗い場で懸命に洗い物に励む若い蔵人さん・・・頑張れ!
昔ながらの和釜とその上に乗せて米を蒸すためのステンレス製の甑。
2階にある麹室にはちょうど何も入っていない状態でした。
麹室の前に神様(こちらは松尾様ではなく梅宮様)がいらっしゃいます。
おそらく創業である大正12年8月13日、と大書された太い柱の端の方には・・・・・
大工の棟梁さんや・・・・・
長い長い歴史を感じてふっと立ち止まる瞬間です。
こちらは新設したばかりの冷蔵設備付きの酒母室。
造りが終われば冷蔵貯蔵庫としても活躍するはずです。
発酵中のタンクを見せていただきます。
これは美山錦55%精米の純米吟醸のタンクです。
タンクの中はこんな感じです・・・むせ返るほどの吟醸香に包まれます。
ヤブタ(搾り機)の周りをうろうろしています(笑)
これはタンクに入れたお酒を濾過して貯蔵タンクに移している風景。
実はこの日、僕がこの蔵を訪ねると聞いて友人が松本からわざわざ訪ねてくれました。
彼の名前はSくん。
ここ数年来の友人なのですが感性が似ていることもあり仲良くしてもらってます。
そういえば以前、木曽の湯川酒造さんを訪ねた時も一緒だったなぁ(笑)
一通り蔵の中を見学した後は、お待ちかねの宴会です♪
横川商店の呑ん子さんが調理担当になってくださって(ホントにありがとうございます♪)
北安醸造の飯村さん、そして横川さんも加わって総勢6人での宴会がスタートしたのでありました。
お酒が並ぶ並ぶ(笑) いったい何本あったんだろう?
いつも元気な営業の飯村さん。来るたびに、そして東京でもお世話になってます。
いったい何をそんなに嬉しそうに語っているのやら(笑)
Sくんは一時的に潰れて別室で寝ております(笑)
それぞれが気心知れた間柄でもあり、いろいろなことを話しました。
北安のお酒のこと、大町のお酒のこと、大町のこれからのこと、日本酒業界のこれからのこと、
とにかく熱い・・・・・! めちゃめちゃ熱いトークが止まらない止まらない(笑)
あ~あ、ホントにいろいろ語り合いました。
もちろんここには書けないお話も多いので(笑)その辺はご勘弁下さい。
でも、僕が感じたことはここに書き残しておこうと思います。
僕はもともと、北安醸造の酒が好きでした。
昨年から山崎杜氏にバトンタッチされて、まぁ正直言えば期待と不安が半々でした。
でも今ははっきりと言えます・・・山崎杜氏は北安の酒をしっかりと背負いきれていると。
昨年11月には関東信越国税局酒類鑑評会で吟醸&燗酒の部で優秀賞をW受賞しました。
北安独特の優しい甘味を継承しつつ新しい都会的な洗練味にチャレンジする姿勢も見えます。
贔屓目でなく客観的に、山崎杜氏はいい酒を造れていると思うのです。
しかし、彼は全然納得していないようです。
彼曰く「こんな中途半端な酒」で評価されてしまっている現状に苛立ちさえ感じているようです。
僕に誉められると困ったように笑う彼は、目指している高さが全然違うのかも知れません。
ならば、どんどん上に上がってもらおうと思います。
そんな(なかなか表に出さない)心意気が僕はやっぱり大好きだから。
この酒宴で彼の心の中がちょっとだけ見えた気がして、僕はホントに嬉しかった。
山崎さん、理想を求めて頑張れ。
僕はどこまでも、アナタを応援し続けたいと思うのです。
騒がしい夜はいつしか静寂に包まれて
僕は大好きな蔵の中で幸せな眠りに堕ちていったのでした。
夢の中で呑んだお酒は、やっぱり山崎杜氏のお酒だったのでしょうか・・・・・




















