明日は四季酒の会「秋あがりの誘惑~美酒は此処から~」の当日。

今回も幸いなことに約30名のお客さまをお迎えしての開催となります。

主催者であるall that jazzと僕の厳選した11種類の秋あがりを

豊穣の秋と造り手の笑顔をグラスの向こうに想いながら呑んでいただく、

そんな楽しい夜にしたいと思っています。


申し込み殺到のためブログでご案内できずに申し訳ありませんでした。

会の様子はまた後日あらためてご紹介したいと思っています。



さて。



このブログの読者の方のほとんどはお酒好きだと思いますが

お酒を「美味しい♪」と思うのにも種類があることにお気づきでしょうか。


これは人それぞれ違うと思うので、あくまでも僕の場合。


A.香りもボディもガツンとド派手に美味い≒無濾過生原酒系


B.軽くて爽やかで呑みやすく杯が進む美味さ≒夏吟醸系


C.どこといって特徴がないのにバランスが絶妙で美味い≒???系


D.地味なんだけどじんわり旨くて杯が止まらない美味さ≒純米系に多い?


なにか共通の感じ方はありましたでしょうか?

僕はAタイプが大好きなんですが疲れている時は逆に呑みたくないし

Cタイプのしっかりした甘味を酸が支えてるタイプなんかにもすぐ惚れるし。


で、今日はこのDタイプを2種ご紹介したいと思います。


このタイプ、あるようで意外と少ない。

その少ない中で「これは!」というものに出逢うと心から嬉しくなるのです。



まずはこれから。





喜正 純米酒 ひやおろし(ふなしぼり)


野﨑酒造株式会社  東京都あきる野市



この蔵元のお酒との出逢いは実は1991年、もう17年前に遡ります。

日本酒に興味を持ち始めたその頃、意識して初めて買った純米吟醸酒が

実はこの「喜正」だったのです。(今でも味は鮮明に覚えています)


そんな愛着のある「喜正」ではありますが、

今回のこのお酒は凄かった・・・いやホント、贔屓目なしに凄かった。

冷やで呑んでこれだから、燗で呑んだらたぶん大変なことになる(笑)


まず、強くはないけどフルーティな香りが鼻腔をくすぐります。

口当たりあくまで柔らかく、口中にすっと流れ込む感覚。

まるで紐がするっと解けるように舌の上でふわっと旨味が広がって

しかしあくまで控えめにじんわりじんわりとその旨さが口中を支配し

とてもとても地味なのに圧倒的な存在感でしみじみと旨い酒。



誉めすぎかなぁ(笑)

でも今まで呑んだ喜正の中で個人的には一番美味かった。


山田錦のよさだけを上手く引き出しているように思うのです。

クドさとか嫌味ったらしい旨味とかは皆無。

例えれば野﨑酒造の側を流れる秋川の清流のように清々しい。

ふなしぼりという余計な圧をかけない搾りも一役買っていることでしょう。


やるなぁ!熊谷杜氏!!!

やはり来年早々には「東京の地酒」をテーマに四季酒の会を開かなくては。


あんまり気に入ったので出してくれたチョウゲン坊のT店長に購入を依頼。

ちなみにえーと、蔵元では完売、そしてハセガワさんでも完売、

マチダヤさんに残った最後の一本を押さえて貰いました。

なのでごめんなさい、今から動いてもどこにもない可能性大。(鬼w)




というわけでもう一本。





夢醸(むじょう) 純米酒


株式会社宮本酒造店  石川県能美市



夢醸、ロマンティックな名前で僕は好きですねぇ。



契約栽培がここ数年でやっと軌道に乗ったそうです。




先日、新宿の伊勢丹に寄ったら試飲販売していて話し込んだ蔵元さん。

HPにもある「名脇役の酒を目指して」のコピー通りの酒を醸しています。


お話を伺ったのは社長で杜氏でもある宮本周司さん。

まだ300石程度の小さな造りながらいいものを造ろうと努力されています。


酒単体で味わうなら常温~燗(ぬる燗~上燗まで)がベスト。

リンゴ系の香りや地味ながら柔らかい甘味が存分に味わえます。

でもこのお酒の目指すところはやはり食中酒なんです。

その意味では冷やでも充分に「名脇役」となれる酒質を持っています。


味自体を単純に分析すると・・・・・


香りにも味にもリンゴ酸がほどよく溶け込んでフルーティ。

でも味のどっしりさが前に立つので少し固い印象を受けます。

五百万石の旨さを万全に備えているとは言い難い酒質ながら

淡麗すぎず濃醇すぎずいいバランスを保っていると思います。


・・・・・と書くとたいしたことないお酒に感じますか?

いやいやこれがどうしてどうして、たいしたお酒なんですよ。

ああ、寒くなったらこのお酒に燗をつけて、鍋を食べたい!!!


・・・・・そんなお酒です。見かけたらぜひともどうぞ。




日本酒は「酒単体で呑んで美味い酒」が評価される傾向にありました。

しかしここ数年、少しずつだけれどワインでいうマリアージュ、

即ち食と合わせて栄える酒がクローズアップされてきた傾向はあります。


僕たち呑み手も意識を変えなくてはならない時に来ていると思います。

冒頭にも書きましたが「この酒はどのパターンで美味い酒か」を把握して

その意図に沿った楽しみ方をしないと実にもったいない!!!




そんな提案をしつつ、今夜は酔っ払いモードに突入(笑)

みなさんどうか、楽しいお酒を・・・・・♪