先に言っときます。・・・・・ちょっと泣いちゃいました(笑)





8月2日土曜日、

恵比寿のウマウマ居酒屋「えびす海岸」 にて

秩父の銘酒、和久井の酒を記憶にとどめる会を開催しました。


以前ブログにも書きました が諸事情で廃業を決めた和久井酒造さん。

社長と初めてお逢いしてから1年半、気持ちはいつも応援していました。

結局何もできなかった自分ですが最後くらいはと思い協力をお願いし、

今回38名の方にお集まりいただき文字通り「最後の会」を行いました。



今回の出品酒は和久井社長が無理して用意して下さった5種類。

実はその他隠し酒が2種類あったのですが、ここではまだ秘密(笑)


まずは主催の四季酒の会から代表して僕から簡単な挨拶を。



今回はこの会に合わせて急遽買った浴衣で参加しました。

この夏はこの姿でいろんな会に出没したいと思っています。




何はともあれまずは乾杯!・・・このお酒でスタートしました。



あけぼのを60%精米した「夏生原酒」です。

独特の土臭さを伴った旨味を持ったお酒で夏に冷やして呑むと美味い♪

会場のあちこちから「うわ、美味い♪」という声が上がると嬉しいものです。



そして和久井社長からご挨拶をいただきました。




今回はね、最初から最後まで笑顔でいこうって決めてたんです。

こうしている間にも小さな蔵が喘ぎ息絶えていく日本酒業界だけど

今この場で嘆いても憂いてもそれだけじゃ何も変わりはしない。


この和久井の酒を楽しみそして噛みしめながら

これから僕たちは何をしていかなくてはならないのか

そんなことを心のどこかに残す会にしたかったんです。




そしてお酒は続きます。




左は「匠(たくみ)」、山田錦を40%まで磨いた大吟醸です。



これ、社長とも話したんだけど厳密には「老ね」が出始めてはいました。

ところがね、それはそれでなかなか味わい深く仕上がっているのです。


アタックや含み香の強い酒ではない分、深さが出て面白い酒になっている。

2ヶ月前に飲んだ時より明らかに美味しかった・・・やはり酒は深いと思う。





中央は「無限酔・黒ラベル」

秩父産のさけ武蔵を55%まで磨いた純米吟醸です。

香り・コクともに非常に柔らかく、しっかりしたお酒に仕上がっています。

周囲ではこのお酒の評価がかなり高かったように感じました。



そして右が「無限酔・赤ラベル」

長野産の美山錦を57%まで磨いた特別純米です。

久しぶりに呑んだのですが個人的にはこれがとっても美味しかった。

美山錦の柔らかい甘みがうまく表現されてていつまでも呑める味わい。





会場はこんな様子でした。ぎっしりに見えるでしょ?


実はこれ、僕の策略だったのです。

今回は40人近い大人数だったのですが、

とにかく全員に和久井社長の声を届かせたかったのです。


ひとつひとつのお酒の説明、そのお酒に込めた想い、

参加して下さった全員にそれを聞いてもらいたくて狭い思いをさせました。

みなさん、ご協力ありがとうございました。




さて、お酒は続きます。


秩父産の有機米を80%精米した「元禄・秩父酒」です。

これは昔の日本酒を再現したお酒なのですが注目すべきは「純米」なこと。

日本酒度-7というかなりの甘口なのですがべたつく甘さではありません。

料理と合わせてもその料理の新しい面を引き出すくらいの酒なのです。


・・・・・ああ・・・・・やっぱりこの蔵は凄い蔵だった・・・・・(涙)




ところで当日の料理ですが、

えびす海岸のTAKE店長が気合い入れて準備してくれていました。

料理の名前は正確ではありませんが(笑)ご紹介します。




お酒 新潟黒埼産茶豆


枝豆好きの僕が卒倒しそうなくらい旨い!つーか甘い!

個人的に丼一杯、抱え込んで食べたかった(笑)



お酒 下関産マナガツオの刺身を丹後産塩昆布または糸魚川産塩で



最近カッコつけで刺身を塩で食わせる店も増えたけど

こっ、これは絶品!ベツモノ!怒涛の旨味を塩が引き出します(泣



お酒 泉州産水茄子の浅漬けに淡路姫海老まぶし



TAKE店長が最高の状態で出してくれました。

食べるタイミングを逆算して仕込んでくれていた模様。

水茄子のフルーティな美味さを引き出した絶品料理。



お酒 気仙沼産鰹のタタキ



山盛りの薬味が泣かせます。

ピンと角の立った新鮮かつ豪快なタタキ。

お酒が止まりません、いや止めてなるものか!(笑)



お酒 有機万願寺唐辛子&有機栃木産パプリカ&栃木味噌



ああ、野菜ってこんなに美味しいんだねぇ・・・と思わず呟く味の濃さ。

ちなみに胡瓜はTAKEさんが丹精込めた自家製だったはず。



お酒 樺太ししゃも燻製焼き



むっちむちのししゃもを燻製にした香ばしい一品。

このスモーキーさが濃い目のお酒に合うのです。



お酒 自家製塩辛



これ反則!イカの柔らかさとワタの旨味がちょうどいいタイミング。

ワタを3日前、イカを昨日入れて熟成させたとか言ってた・・・ような(笑)



お酒 そしてえびす海岸名物、島寿司!



もう、言うことはありません。

口の中でウマウマと、そしてハラハラと、言葉を失います。

島寿司とは伊豆七島の郷土料理で、地魚を醤油に漬け込むそう。

地魚ゆえに毎日違いこの日は・・・聞いてる余裕ありませんでした(笑)



・胡瓜&山芋のサラダ風梅和え




おなかいっぱいなのに梅の酸味で食べられちゃう(笑)

夏らしく爽やかな一品でした。



とにかくどれもこれも美味すぎてお酒と合う合う!たまりませんでした。

この他にも出たような気もするのですが、すみません思い出せません。

今回の会のためにとTAKEさんが頑張ってくれた気持ちが嬉しかったです。


会も進み、みなさんいい感じに酔っ払ってきます。



大人気の和久井社長はあちこちに呼ばれて(笑)

思い思いの話にめちゃめちゃ花が咲いていたようです。




さて、この辺で今回シークレットでご用意したお酒を紹介します。



この琥珀色が伝わるでしょうか・・・・・?





ラベルは暫定的に用意したものですが

1969年と1974年度に仕込んだ大吟醸です。

早い話が39年もしくは34年経った古酒です、とんでもないお酒です。


全員に回し呑みしていただきました。

味ですか? ・・・・・もうこれはお世辞でも何でもなく「素晴らしい」の一言。





会の途中では必要に応じて和久井社長にお話を伺いました。



大いに酔っ払って大騒ぎしているのに「ぴたっ」と静まる。

本当に、本当に愛すべき呑兵衛たちです。

まったくもう、こっちが泣けてきちゃうじゃないか。




最後には和久井社長からご提供いただいた夏&冬の半纏争奪戦!(笑)

みんな真剣にジャンケン対決をして4人がその栄誉を授かりました。



和久井社長、真剣にじゃんけんの図(笑)




みんな、いつまでも大切に使っておくれよぉ。




そんなこんなの約3時間、みんな笑いっぱなしの会となりました。

空元気という訳ではないのですが、それでも最後まで大盛り上がり。


でもね、みんな心の中に秘めていてくれたんです。


このお酒はもう二度と呑むことはできない。

こうやってみんなと酌み交わすのもこれが最後だ。

なんでこんなに美味い酒がもう呑めなくなるのか・・・・・!


翌日以降に寄せられた声のほとんどが

「楽しく呑んで笑ってるのに、ふとこみ上げる悲しさと戦っていた」

・・・・・そんな声でした。みなさん、わかってくれて本当に感謝しています。




で、冒頭にも述べた通り、

最後の挨拶でちょっとだけ泣いちゃいました。

やっぱり無理でしたよぉ。大好きな和久井の酒とのお別れなんて。




・・・・・やってよかった。




もう、ただただそう思います。

意を汲んで集まってくれた愛すべき酒呑みたちに心から感謝。

そしてやはり、和久井社長に出逢えたことに心から感謝しています。




僕たちの力は本当に、本当に微力だけれども

それでも何かを変えるため、これからも頑張っていこうと思う。


楽しかったけれど、こんなに悲しい酒はもう呑みたくない・・・・・です。



駆けつけてくださった和久井社長、

そして参加してくれた愛すべき呑兵衛のみなさん、

全身全霊を込めて感謝の意を伝えます、・・・・・ありがとう。

この日のこと、忘れないでね。