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BEYOND (ストリートバスケ小説)

北海道を舞台にした、架空のストリートバスケリーグの物語。競技バスケとエンターテイメントバスケの光と影を描いています。
読みづらい文章ですいません。また更新も不規則ですので暖かく見守ってください。たくさんな方に読んでもらえると嬉しいです。



第7話  「八女の実力②」


残り9:21
八女     2   (190cm  SG)
清水     0   (193cm  SG)

アリウープによって盛り上がる場内。八女は一瞬で空気を作った。まさにホームかのように。

清水のターン。

また同じ様にゆっくりとコート右にドリブルをしながら移動していく。
それに合わせる八女。

45度付近で腰を低くし、八女を見つめながら細かく両手でドリブルする清水。
中腰になり、ほぼ正対し備える八女。

清水がゆっくり左足を前に出し股抜きでドリブル、次に右足で股抜き。隙をうかがう。
同じ距離を保ちながら徐々に腰を低くし下がる八女。

股抜きした瞬間にウィークサイドにドライブの清水。合わせる八女。
清水は急ブレーキ後バックチェンジでボールは左手へ。
八女すかさず左側に体を寄せる。

身体を半身にし、左手へドライブする清水。ペイント内中央やや左へ。
そのまま左レイアップへ。
右手を上げ身体をピタッとくっつけついていく八女。

その刹那、清水は空中でワンハンドからジャンプショットに切り替える。
八女のブロックを超える清水の策である。

が、

八女のそれを上回るブロックが炸裂する。

バチーン!

乾いた音が再び響いた。

DJ23「恭一のブローーーック!!再び止ーめーたー!!」

唇を噛み腰に手をやる清水。
ボールをゆっくりと取りに行く八女。

豊田「……奈良さん、清水って人、もしかして」
奈良「ん?」

豊田は先程のプレイと今のプレイで清水の違和感を感じ取った。

豊田は一つの仮説を立てた。

八女のターン
ワンタッチ後ボールをもらうとコート左へゆっくりと移動。合わせる清水。

45度付近からクルッと回り、ゴールに背を向け始めた八女。少し意表をつかれた清水。
右手でドリブルしながら、左臀部(お尻)で押しながらペイント内に徐々に進入する八女。

清水(ちっ!パワープレイかよ)

グッと腰を落とし左手で八女の背中に添え、右手を上に上げた。

ジリジリと身体全体で押す八女。

清水(ま、マジかよ…!かてぇ!)

ほぼゴール下付近で八女が動いた。時計回りにターン、と見せかけてすばやく逆時計回りに反転してゴール下に向かう。最初のターンフェイクで少し遅れるもついていく清水。

シュートに向かう八女。
正対しブロックしようとジャンプする清水。

が、八女動かず。

清水「なっ!?」

八女、ジャンプする清水をかわし左ワンハンドでバンクシュート。

DJ23「決めたーー!!恭一の華麗なフェイク!!!」

天を仰ぐ清水。
清水を見つめ、微笑む八女。

まさにオラジュワンのドリームシェイクだった。何気ないプレイだがフェイクの技術が高くないと、そう容易ではない。だが、八女はこれを簡単に決めるのだ。

清水は長年ガードであったため、センタープレイは慣れていない。ミスマッチ時の対応も経験はあるが、今回は背丈がほぼ同じであるため清水にとって余計に悔しかった。

またセンタープレイは背が高ければ良いものではない。足腰の強さ、体幹の強さが必要である。
清水は八女のその強さを知った。

清水(あれは押し勝てねぇ…。どうする…。)

清水と八女は過去に既に一戦を終えている。その時は八女が勝利した。しかし、このパワープレイはしていなかった。清水が戸惑うのも当然である。

清水(前回は負けたとはいえ、良い勝負をしたはずだ。俺なりに八女との対策はしてきたのに!前と全然違うじゃねーか!!)

少し苛立つ清水。

清水のターン。

ワンタッチ後、ゆっくりと移動しようとドリブルを2回ついた時、清水は思わぬ光景を見た。

八女は清水に正対するのではなく、清水の右手側に身体を寄せ、清水からすると左手側とその中央をほぼガラ空きにした。

清水「なっ⁉︎」

豊田「えっ⁉︎」



鋭い眼光でニヤリと微笑む八女。



果たして、八女の思惑とは何なのか。