議員を経験した人とか、会社経営者が書くものなのじゃないか? | 福島県在住ライターが綴る あんなこと こんなこと

議員を経験した人とか、会社経営者が書くものなのじゃないか?

義母の墓参りに行ったあと

義兄宅に挨拶には一つの目的がありました。

それは…。

 

武田の義両親の「自分史」を作ってほしい

その提案をしたかったのです。

 

あっけにとられたような表情の義兄夫婦を前に

私が手がけたいくつかの自分史を見せながら

現在の自分史状況を説明。

 

つまり冊子の厚さや内容、

発行部数も自由に作れること。

 

かかる費用もいろいろで、

全部自分で作成したかったら

パソコンで作成することだって可能なこと。

 

ビジネスではなく

武田家の一人としての提案であり

文章作成、編集などは私が手伝う。

 

ただし義父母のことを親戚関係に聞く役は

肉親である義兄にしかできないこと。

 

なによりも、私たちの子どもたちに

義父母のことを伝え残したいと。

 

ここまで一気に話したあと

義兄が静かに自分の意見を言った。

その言葉がタイトルです。

 

義兄に続き、義姉までが

「うーん、私は子どもたちに自分のことを

伝え残したいとは思わないわ。

普通の家庭って、そうなんじゃないの」と。

 

義兄夫婦の意見は、もっともであり

それが一般的な家庭の考え方なのだろうなあと。

 

ふだん自分史の世界に

どっぷりつかっている私には

参考になる意見ではありました。

 

…が、さらに言いました。

 

  「お父さんたちが戦争で中国に行ったこと。

 戦後は放射線技師の協会の会長になり

 技師の地位向上に努めたことは、私も知らない。

 そんな義父の仕事のことも我が子に伝えたいんです」

 

と。そしたら私の話を聞いた義姉がひとこと。

 

「そういえばお義父さん、

ほんとはブラジルに行きたかったんだって」

 

 

その話を初めて知った私はびっくり。

改めて義父が生まれた

大正という時代に思いを巡らせました。

 

結局、義父母の自分史の話は

秋の法事の席で改めて話そうということになりました。

 

自分史を作ることの意味や成果は

作った経験がないとわかりません。

 

生きて行くために食料が必要なように

生きるために必要なものでもありません。

 

どちらかというと、

ある程度時間が経って

ふと過去を振り返るときにはじめて

「あって良かった」

「作っておいて良かった」と思うものです。

 

仕上がるまでは大変ですが

時間がかかっても、ボリュームは少なくても

作っておいて、我が子に渡したいなあと思いました。

 

そのきっかけづくりをしただけでも

今回の帰省は価値があったと思っています。

 

 

 

●福島県内に住む11人と1グループの人生を聞き書きした

「人生いろいろ」

●南相馬市の団体が作成した聞き書き集。

そのきっかけづくりのお手伝いをさせていただいた

「語り継ぐ ふるさと南相馬」

●自分史教室の受講生さんが、

講座終了後に作成された冊子「寒椿」