TOMORROW|明日へ ~10/9放送 語り継ぐ旅 ~ を見て 5 | 福島県在住ライターが綴る あんなこと こんなこと

TOMORROW|明日へ ~10/9放送 語り継ぐ旅 ~ を見て 5

「社長、私インタビュー集を書きたいんです」

と、自分の気持ちを話し、社長から承諾を得たのち

私は当時お世話になっていた「経営革新塾」の集まりに出ました。


経営革新塾では、あの頃

震災後の私たちに何ができるかを

事業主の立場で話し合っていました。


仲間の中には、浪江町から避難された人たちのお世話を

ボランティアでやっている人もいました。

その席で自分の思いを話し、協力者を求めました。


「震災に関するインタビューをしたい。

それを文章にして、福島県から発信したい」


10数人いた革新塾の仲間の

過半数の方から賛同をもらいましたが

実際インタビューに応じてくれた方は、わずかでした。


それも、そのはず。

震災から半年もたっていなかったあの頃

原発事故による放射能汚染のことも

理解できないまま

多くの人たちは不安な気持ちを抱えていました。




人が、自分の気持ちを他人に話すとき、

それも苦しい気持ちを話すとき

段階があると感じています。


 ・自分の気持ちを整理する
 
から

 ・まとめた気持ちを人に伝える


までのステップは、人によって様々です。


何よりも

  インタビューをやりたい! 


と言った私自身の気持ちが

まだ揺れ動いていた頃でした。


夫からは、こう言われました。


「自分のことを聞かれるのが嫌なくせに

なぜ他人の話を聞きに行こうとするんだ」と。





改めて冒頭に書いた話

「あなたライターでしょ」

と言われたエピソードに戻ります。



私がインタビューをはじめようと思った

そもそものきっかけは、出版社社長の一言からでしたが

気持ちがまだ前を

向ききれていないのにもかかわらず

はじめられたのは


「書くことで何かをしなければ」という

義務感に似た気持ちの方が強かったのです。



福島の今と未来を言葉で綴る
福興ライター