僕は左利きですが、お箸だけは右手で持ちます。




令和の世ではあまり考えられない話ですが、僕は幼稚園の先生に「お箸は右手で持ちなさい!」と毎日注意をされていました。




当時は左利きがあまり良しとされていなかった時代なので、仕方がなかったのかもしれません。




幼稚園は嫌いではなかったのですが、お昼ごはんの時間が来るのだけはイヤでイヤで、もうイヤイヤすぎて仕方がなかったことだけは今でも覚えています。




毎日先生から注意されるのが苦痛だった僕は、ある日お母さんに相談をしました。



するとお母さんは少し怒った感じの口調で「この子の好きなようにさせてください」と、すぐに先生のところまで行って伝えてくれました。



以来、先生からお箸を注意されることはなくなりました。





やっと楽しいお昼ごはんの時間がやってくる!




でも、その頃にはもうお箸は右手で持つようになっていました。







「なんだかなぁ……」というやるせない思いよりも「イヤイヤでも頑張れば右利きになれるんだ!」というオドロキの方が大きかったのが正直なところです。




僕のおばあちゃん世代(around90)の人は「左利き」とはいわず、未だに放送禁止用語で表現しますし、子どもが左手に物を持てばやはり注意をしてきます。



きっとその時代に生きた人は、その時代なりの正論があって、正義があって、そして正しき信念があって、後世に伝えているのだと思います。




「左持ちになれば後々難儀(苦労)することが多いから右手で持つ練習をしないとあかんよ」といって、おばあちゃんは左利きがダメな理由を説明してくれました。



余計な返しはせずに「なるほど」とだけいって僕は頷きます。

おばあちゃんの不器用な優しさがひしひしと伝わってきました。




まぁ実際には左利きで難儀することってほとんどありませんけどね。ハサミの切りにくさとか、改札機のICカードをタッチする位置ぐらいじゃないでしょうか。

人生に影響するまでには至りません。





あ、そうそう!

余談ですが、左利きってどうやって決まるのか知ってますか?



諸説ありますが、胎児がお腹の中で最初に指をくわえた方が利き手になる確率が高くなるのだとか。


なんか神秘的ですよね。





あるお母さんが息子をサウスポーにしたくて左手ばかりを使って毎日練習させてみたけど、結果は右利きだったっていう実話もあるぐらいなので必ずしも訓練が実を結ぶわけではなく、むしろ自然とそうなっていくものと考えた方が良さそうですね。



ずーはたぶん右利きかな。


自分が持ちやすいと思う方の手を好きなように使ってね。