僕は毎晩ズーの散歩と愛犬モナカさんの散歩を別々に分けて行ってます。
ズーが1歳半ぐらいのときにモナカさんの散歩に連れて行き、とても危険な目に遭わされたからです。
子どもは外を歩くことが好きなので自分の行きたいと思う道を我先にと突き進んでいきます。
1歳半の子どもに「車が来て危ないからまっすぐに歩こうね」と注意を促してもちゃんと理解はできません。
そのうちにケタケタと笑いながら歩道から車道へと進入し、あわや大惨事。もうヒヤヒヤものです。
加えてモナカさんのリードを持ちたいといって引っ張るように歩いてご老体に容赦ないムチを打つ始末。
悪気がなくやっていることなので、理解が乏しい間はそれぞれ時間を分けて別行動を取るしかないと判断しました。
にしても、別々の時間を確保しなければいけないので毎日が結構大変です。
最短でも合わせて45分は必要なので、日によっては十分な散歩時間を確保できない場合が発生するのです。
いつもの散歩コースではなく、ショートカットした道を歩けばズーもモナカさんも「あれっ?」とか「え!?」というような反応を示します。
すると僕は、ハンバーグの合い挽きミンチが足りなくて豆腐でかさ増しをして誤魔化しているような罪悪感に襲われ、胸が締めつけられる思いになるのです。
みんなで散歩に行けば一度で済み時短で助かるのですが、いかんせんズーの自由気ままな行動だけが気が気ではありません。
そこで奥さんに相談してみることにしました。
「ズーとモナカさんの散歩なんだけどさ、時間を短縮しながら満足させられる方法ってなにかないかな?」
「えっ。2人同時に連れて行けば時間を短縮しなくてもいいぢゃん」
「いやいや。それをしたらズーが道路に暴走するから一緒には連れて行けないんだって」
「でもそれって1歳半のときの話だよね?もう2歳なんだから大丈夫ぢゃない?」
「……わかりました」
物は試しといわんばかりの決断の早さに圧倒され、まだ試してもいないのに慎重になりすぎてしまっていた自分が少し恥ずかしく思えてしまいました。
半年前に比べて、ズーはしっかりとまっすぐに歩を進めてくれました。
そして、おじいちゃんのモナカさんの歩幅に合わせてゆっくり、ゆっくりと歩いてくれます。
「止まって!」といえばピタリと止まってくれます。
そこにもう半年前の自由気ままに行動するズーの姿はありませんでした。
そしてひと休みもします。
2歳の成長が垣間見れました。