どうも、今日は既筆分の記事の解説を行いたいと思います。
元ネタ
①建売販売業者
https://ameblo.jp/take10221823/entry-12620922100.html
②売買仲介
https://ameblo.jp/take10221823/entry-12616029284.html
実はこの記事の反響がそこそこ大きくてうちのブログでのアクセス数もかなり伸びてる記事となっております。この二つは項目ごとに書かせてもらいましたが、それぞれの特徴までは細かく解説できてなかったので今日は違いの解説という風に読んでもらえればうれしいです。
ではでは今日はそもそものお話しからスタートです。
みなさんは「不動産業界・不動産市場」と聞いて、大まかにどのような業界・市場、流通形態を思い浮かべますか?
物件の購入を検討されてる方でしたら、大手のマンション業者が販売する大規模マンションの流通を想像する人もいれば、若い方や実家をでて初めての一人暮らし。って方は反対に売買マンションや戸建てのチラシよりも、自分の町にある小さな不動産会社の商売を想像する人もいます。
また、すでに戸建てやマンションを買った人が想像する売買の市場や業界、流通形態もあれば、これから買おうとする人がイメージする賃貸不動産の市場や流通もあります。
また、少し不動産業界に詳しい人になると「実際に住むための住宅と投資」では違う市場・流通形態があるのかも?(※投資用不動産物件)と思う人もいるでしょう。
こうやって書いてみると一見わかりやすそうに思える不動産業界でも、細かくニーズを細分化していくと実はとてもわかりにくいものなのです。そこで一度、整理しておきましょう。
不動産流通は下図のように概ね三つに分かれます。
①業者売主⇔買主 のパターン
売主(不動産業者が売主)が買主に直接販売を行うことです。
簡単に言うと売主直(うりぬしちょく)なんて言い方をします。
特徴としては直接取引の為仲介手数料が発生しません。
②業者売主⇔販売代理店→買主 のパターン
売主が販売のみを代理店に委託するやり方
買主は販売代理店を通じて代金を売主に支払います。
販売代理店は売主より手数料もらい契約の取次業務を行います。
※新築マンション販売のほとんどがこのパターン
③売主(業者含む)⇔仲介⇔買主 のパターン
不動産業界の流通の中で一番多い取引の形がこのパターンです。
業者を含む売主は仲介会社に販売を委託し仲介会社は買主を探すことになります。
またその買主も仲介会社を通じて売主に代金を支払う仕組みです。
そしてその両方の間を取りもった仲介会社は売主からも買主からも仲介手数料を
頂く形になります。業界では 『両手取引』、『両手』なんて言い方をします。
反対に売主・買主どちらかしか手数料がもらえない場合を『片手取引』『片手』などと言います。
※(間にもう一社仲介会社がある場合などそうなります)
①②③の中でまず、最もわかりやすいのが、①の新築マンションの直接販売のルートです。
マンションを施工業者につくってもらった売主業者が、直接、買主に販売する市場になります。
先ほど説明した売主直接物件という形ですね。この取引に仲介手数料は発生しません。
次に、②の販売代理店を通して新築マンションを販売するルートです。
前のブログでもこの辺は少し解説しましたが、この場合、販売代理店となる不動産業者は売主業者の子会社や関連会社・系列会社などが多く、販売できれば、売買価格の約6%の手数料を販売代理店が売主業者から受けとるしくみになっています。ちなみにこの場合も成約したとして、買主からは手数料を受けとることはありません。
①と② この二つが新築マンション販売の主要ルートと言ってよいでしょう。
ところが、たまに、③の一番、一般の方に馴染みのある市場取引の大きい不動産パターンで新築マンションが売り出されることがあります。新築マンションであっても、売主直物件として、戸建て新築の販売と同じ手法で販売するやり方です。
この③のパターンに今説明した売主直物件や戸建ての新築販売などの建売業者さんの流通経路と物件が介入してくるので非常にわかりにくい原因となっております。
わかりやすい表現で言うと
学校の1つのグラウンドを野球部とサッカー部、ラグビー部が共同で使用してるという感覚に近いかな。
不動産というグラウンドに野球(マンション販売)サッカー(戸建販売)ラグビー(仲介販売)
という違う競技がそれぞれのスポーツのルールのもとにグラウンドを使用している。
同じ団体球技ではありますが種目や各ルールは全然違うというように業種が変わればルールも全く違うものになるのです。
ただそのなかでも③番の流通パターンが一番大きくなる゙特徴的な理由があります。
それは、①で新築マンションを売主から直接購入した人も、その物件を自分で売却したり賃貸に出したりする場合は①や②のルートではなく、③のルートで市場に入ってくるからです。
ですから、新築マンションを購入した人は③のルートに殆ど関係がないと思っていても、いつ、③のルートで関わりをもつかわからないのです。
物件の購入時には③として関わらなくても、売却時には必ず関わってきます。
①や②のパターンはわかりやすい市場ですが、買主側になってみると、買うことに対して仲介会社がないので物件を色々とみて比較して物件を決めるといったことができません。
ですので①②のパターンでは基本的に購入するときは、自分の足で物件を回らないといけません。
それに比べて③のパターンは買う方に仲介業者がいるのですから、特徴としては購入するときに物件を複数件、色々と見比べて比較することができます。
この違いが、それぞれの流通ルート、市場の営業マンの違いにどう現れるかを考えてみましょう。
①や②の営業マンはいわば自社商品のみを売っている専門業者ということになりま゙すから、売れない=死活問題です。ですので売ることこそが仕事であり、売ることが至上命題となりますので不動産に携わる営業力(販売力)は磨かれます。もうビカビカのバリバリです。
しかし、大きな意味での不動産流通市場のことはわからず仕舞いになりがちです。
③の人は物件の比較能力、販売に関しての営業のトーク力といったものは身につくかもしれませんが、しっかりと物件を売りきるような販売力は身につきません。
③の営業マンは業界の事情通にはなることができ、その場その場で顧客の相談をうまくあしらうことはできても、自社物件しか扱わないマンション業者(①や②の営業マン)と違って販売力というものは殆ど身につかないのです。
これから家を買う人は、ぜひ次のことを知っておいてください。
それは、③の市場をまったく垣間見ることなく、『わかりやすくて手数料がかからないから~』なんて理由で①や②の販売ルートだけに頼って決めてしまわない方がいいということです。
安易に物件を決定してしまうことことで結局、不動産業がどのような業界であり、何が自分たちにとって得であったのか、どの選択が良かったのかが十分にわからないまま、人生最大の買い物をしてしまうことになります。
少し長くなりましたが今日はこの辺で('ω')ノ