今年も

 

来たね~

 

今日は午前中ぐらいは雨だで、これを理由にゆっくり…

あれま 晴れて来たよ…

あわてて大平まで上がって来たら、寒いし小雨も。

 

やはりここは下界とは違います。

 

 

昨年から始めた

盆小屋のカツラ様へのお参り

この場所には大木のカツラ(桂)があり、根元には祀られていた社の跡もあります。

 

様々な木々があれど、この樹が一番神々しく感じましたので、機会を設けてお参りさせていただいています。

昨年は随分と不思議な事や怖い事があったこの巡視。

でも幸いにして怪我なく無事に遂行できたのは、この神様のお陰と信じています。

 

今日はお神酒「木曽路」を持参。

一年間寝かせた真澄を開封し、木々の周囲へと。

今年もよろしくお願いします。

そして年間には無事に終えられた事を再び報告&感謝を申し上げに来たい。

 

 

そうは言っても

昨年思わぬ遭遇をした

 

ツキノワグマ対策として、この巡視を委託している県から「催涙スプレー」を受領。

使わぬに越したことはないが、念のため常時持ち歩き、採り出せる状態にしておきます。

 

 

快晴で気持ちは良くなるはずが…

 

昨年のあの怖い出来事からだろうか

あまり気乗りがしない。

 

 

巡視をする事で、県民の財産であるこの森がきちんと管理なされているか、確認できるのだが…

 

 

自分がやらずとも、「誰かが」やるんだで という想いも。

 

 

一年目や昨年二年目までの「うきうき」した気持ちがない。

 

それは巡視路に入ったとたん

現実のものとなった。

 

どうも

 

ツキノワグマによる、笹の若い芽の食痕と思われる。

しかもまとまって。

 

巡視路の中では数少ない「ブナ」

 

 

その奥に広がる巡視路。

今回、久々にこのコースは登りをする。

これまでは西側の谷間を登る経路から、頂上の「中小屋」の三角点を経てこの場所を降りてくるルートが多かったのだが、

昨日降った雨の影響で、谷間の渓流の水量が多い事が予想されたため、安全を配慮してこちらとした。

 

んで

 

ありました この糞

明らかに笹を食べていた感。

これがイノシシならばまだ安心できるが、ツキノワグマの可能性も捨てきれず。

 

確たる識別の能力を得たい。

 

しかし急な登りである。

「巡視路」とは名ばかり、「路」ではなく 笹が刈られている「斜面」をヒーヒー言って登る。

(体重が増しているのも一因にあるが…)

 

ふと見上げると

枯れ木。

昨年までは何とか葉を付けてた気がしたが…

 

根元は全てツキノワグマの皮剥ぎに遭ったヒノキ。

これでは枯れてしまうのも無理ない。

 

 

あの向こうから「ぬっと」出やしないかビクビクしながら、時折笛を吹き吹き上っていく。

 

乾いていたが、不思議なキノコを拾う。

ツキノワグマに怯えつつも、まだまだ好奇心はある。

 

丁度昼近くになって

折り返しの「中小屋」へ到着。

ここは巡視路の歩道が3路線合流する場所でもある。

 

 

そして

あの場所には

 

 

「三角点」がある

 

今回も設置された方に敬意をはらい、周囲の笹刈りを実施。

 

 

そして、1969年3月26日にこの三角点に到達した、明治大学ワンダーフォーゲル部1班の皆さんにも敬意。

3月26日といえば、まだこのあたりは雪があった筈。

さぞかし来るのに苦労したかと。

 

 

ご飯はこの風景を見ながら…

この尾根に吹き付ける風が凄く、木々が大きくざわめき、手前の木は樹皮がこすれて「ぎイイイ」なんて嫌な音も。

 

忘れんよう、これは「オオカメノキ」 「オカメノキ」⇒間違い

 

 

帰路のこちら側の斜面に下りると、風はすっかり弱まる。

 

何て言う木だっけな…

 

 

経路③のツキノワグマが出たあの尾根の先にも生えてるやつ…

うーむ 宿題とす。

 

そして

 

今年初のギンリョウソウ。

いつ見ても半透明の不思議な奴。

 

この経路は尾根沿いでしかも

左がカラマツの人工林

 

右は一度伐採された跡に自然と生えてきた「天然生林」

 

いずれにせよ、こう林床が笹に覆われていては、そうやすやすと更新していかない。

今生えている木々を上手く生長させることがまずは重要。

 

 

根上がりして、トンネル状になったダケカンバ。

 

絶妙なバランスで立っている。

 

なお

今回初めて不思議なギンリョウソウを見つける

 

先に色が付いている。

突然変異なのか、違う種類なのか??

 

戻った林道は綺麗に刈られてはいたが

 

 

ここは相変わらずの危険な「薙ぎ」

 

離れて対岸側から見上げてみると、その高さがよく判る。

落ちたら「平薙ぎ」って名前が付いてしまうぞ。

 

他にも

新たな落石を確認

 

かなり大きな岩が林道も越えて谷間に落ち込んでいた。

 

再び巡視路に入った途端また

ツキノワグマのものと思われる

 

笹の芽の

 

食痕の

 

数々。

 

断面からうかがい知ることはできんものか…

 

 

こう痕跡が多いと

視界の先に、昨年のように急にツキノワグマが現れないとも限らない。

 

 

まあ、こんな人工物(雨具のズボン)も怖いっちゃあ怖いが。

 

 

 

この巡視路にも目立つ木がある

沢沿いの大岩の上に生えた

 

数本の木々

 

 

根を地表に降ろすまでよく乾燥や養分不足に耐えたものだ。

 

それとも、以前はもっと土に覆われていたものが

 

少しづつ土が減ったものなのか?

 

経路①の中小屋を最高点とする巡視路には特に異常なし。

 

この大平県有林は、長野県民一人一人の財産であることから、こうした事をしっかり守ってもらいたい。

 

でなければ

鎌持った怖い巡視員が、警笛拭きながら追いかけるでな(笑)