057 龍宮温泉 2016.7.16 | 京都銭湯巡り〜You & Me OK?〜湯浴み桶

京都銭湯巡り〜You & Me OK?〜湯浴み桶

京都市内に現存する庶民の味方「町のお風呂屋さん」を巡って紹介します。ぜひ温まって下さい。

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今日は7月16日、宵山です。
市内中心部は山鉾や歩行者天国のための交通規制で道路も混んでいる筈です。


混雑を避け本日の銭湯巡りはノーマイカー、且つ中心部を避け、御池通以北〜烏丸通以西で選びます。


…ということで龍宮温泉に決めました。


住所を確認すると、上京区主税町…?
え〜と、しゅぜいちょうと読むんですね。

律令制の頃、諸国の田租やそれを保管する倉庫の出納を管理した役所を主税寮といったらしいのですが、この地にその役所があったのかもしれませんね。主税寮は「ちからりょう」「ちからのつかさ」とも言われ、名古屋市や長野県飯田市にも主税町という町名があるようですが、そちらはちからまちと読ませています。そういえば忠臣蔵の大石良雄(内蔵助)が息子、大石主税も「ちから」ですね。

ほど近いところには聚楽町という町名もあります。聚楽第からきているのでしょうが、伏見にも聚楽町が存在します。上京区の方はじゅらくちょう、伏見の方はじゅらくまち。同じ町名でも読み方が違うんですね。

日本語は難しい…

目指すは地下鉄二条城前駅北西の方向。
龍宮温泉…これは素直にりゅうぐう


夢のある名前に惹かれて…案内してくれる亀は居ませんが、亀の如くゆっくりした歩みで二条城から出発します!


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あらら、、東大手門は修復工事中ですね。

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お濠を尻目に通り過ぎ、遠回りではありますが一筋南の御池通を西に歩いてみましょう。

と、見つけたのが不思議な礎石そせき

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                       不思議な礎石(そせき)
立て札の説明書は文字がかすれて判読不能。
後ほど調べてみると…
藤原長家(道長の六男)の邸の礎石かもしれない云々とある。それが立て札を立てるほどのことなのか、こっちのほうが不思議です。


さらに西に進むと神泉苑があります。
東寺真言宗のお寺やそうですが…

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折角ですから中を北へ通り抜けます。

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法成橋

なかなかええ感じですやん。

平安時代…都に疫病が大流行し、その原因となる御霊を鎮めるため神泉苑で御霊会が開かれたそうです。当時の律令制度の国の数である66本の鉾を立てて祇園社から神輿を出し、神泉苑で祈願したのが現在の祇園祭の元となったんやそうです。

祇園祭の混雑を避けて来たところに、その元があったとは…これこそ不思議な足跡そくせきですなぁ。

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境内にはうどんすきで有名な老舗の料亭平八があります。上右写真の龍頭船に乗り込んで料理を戴くこともできるそうです。

二条城の西沿いの美福通りを北へ…
しさのを頂けそうで、銭湯行きにピッタリ!自ずと期待が膨らみます。

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この通りには京都府立朱雀高校がありますが、実は平安宮の式部省跡らしいのです。

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式部省は、文官の人事・考課一般を職務とし、勤務状況・品行調査・などの考課、叙位・叙任などの選叙・位記や礼儀・禄賜(今で言う給料)・官位名簿・学校・課試(今で言う公務員試験)を役目としていたとのこと。

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京都府立朱雀高校

朱雀高校といえば「妊娠中の3年生の女子生徒に休学を勧め、卒業するには補修として体育の実技をすることを求めていた」というニュースがありましたが、これも厳格なる式部省の性格を引き継いでるからか?


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二条公園

さらに北へ…二条公園からNHK京都放送局。


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NHK京都放送局

丸太町通の一本手前を西へ曲がります。

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閑静な通りを西に進む…

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と、見えてきました。あれはまごう事なき
銭湯の煙突!

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龍宮温泉に到着です

抱いていた龍宮城のイメージとは少し違う…
(勝手に想像をふくらませていただけですが…)

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それとも左端の暖簾の奥が龍宮城なのか?
このワクワク感!この瞬間がたまらんです。

汗にまみれた体をスッキリさせましょう!
いざ、龍宮城への入城です!

ほぉ、エントランスは掃除が行き届いてます!

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フロントの乙姫様(ちょっと年配…(^^;;)に回数券を渡して、脱衣所へはさらに暖簾を潜ります。


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脱衣所のロッカーは銭湯には珍しく大中小取り揃えてあります。


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明るくて綺麗に手入れされていますねぇ。
中央には大きめのベンチ型ソファーが威風堂々と鎮座ましましています。


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昔ながらのマッサージチェア。
その奥にある寝そべり型ローリングマッサージは8分100円。残念ながら故障中(^^;;

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明るい脱衣所

TVでは大相撲中継をやっているようですが、音声は聞こえても映像を見るテレビ本体が見当たりません。不思議に思いながら浴場に入ると…

浴場内入口の上部に大型ビジョン!

テレビを見ながら湯船に浸かる…龍宮城に劣らぬ最高のサービスですね。ただしのぼせないよう注意せんとあきません。
その隣には山中温泉の蟋蟀橋こおろぎばしの写真が飾られています。やっぱり石川県ご出身なんでしょうね…


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それよりもなによりも目を引いたのが奥壁のタイル絵…男湯と女湯を跨ぐように蓮の花が描かれており、絵にも描けない美しさ。(…って描いとるやないかいっ!)

もちろん設備も充実しています!

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主浴槽は右壁側にまとめられており、まるで乙姫様のウエストライン?の様な曲線美。

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薬湯  2槽に分かれています。本日はなにやら紫がかったお湯でした。
電気風呂  スタンダード型とモミモミ型の二種あり。面白いのが両側の電極板の位置が上下にズラしてあり、それぞれに腰掛けがありますので腰部・足部の部位に応じて利用できます。
深風呂  階段状に設計されているので入湯に苦労しません。湯温は熱め。
浅風呂  浴槽底には「鯛や平目の舞い踊り」…ならぬ緋鯉と真鯉が描かれています。
超音波ジェットバス  スーパーエステタイプ1槽、普通タイプ2槽。ジェット水流に勢いがあります。腰・ふくらはぎ・足裏のマッサージに効果あり。なによりも超微細気泡がミルク風呂の雰囲気を醸し出しています。
遠赤外線サウナ  腰掛け部分は二段に分かれており、定員は約6名。
スチームサウナ  定員3名ほど。遠赤外線サウナとセットで…
水風呂  二合徳利を模した注水口から冷たい水が注ぎ出ています。まるで酒風呂に入っている気分…もちろん冷酒です(^^;;
シャワーブースで一丁上がり!二つのカランをひねると上部から冷水、左右からお湯が出ます。

オッと これで終わりではなかった!

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浴場を出たところにはクールダウンベンチ

火照った体をゆっくりと冷ましてくれます。それはきっと夢のような龍宮から、現実社会に戻るための装置なのでしょうか。

風呂上がりには待合室で冷えたビールをいただきます。喫煙ブースがあるのが今時風ですね。

フロントは乙姫様から旦那様に替わられてましたが暫しの歓談。

「山中温泉の写真が飾られてましたが、ご関係があるんですか?」
「いえ。どっちかと言うと、ホンマは片山津温泉のほうですねん」
「片山津温泉はどんな関係ですのん?」
「家が近いんですわ」
さよか。けどやっぱり石川県。


オモテに出るといつの間にか暑さも和らぎ
涼しい風が心地よい…


玉手箱は頂けませんでしたが
浦島太郎伝説とはうらはらに
若返ったような気がします。




【龍宮温泉】
京都市上京区主税町1054