055 寿湯(車折)2016.5.15 | 京都銭湯巡り〜You & Me OK?〜湯浴み桶

京都銭湯巡り〜You & Me OK?〜湯浴み桶

京都市内に現存する庶民の味方「町のお風呂屋さん」を巡って紹介します。ぜひ温まって下さい。

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本日はクリーンキャンペーンに参加するため嵐山へ訪れましたが、5月半ばにして汗ばむ程の好天。

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渡月橋


なにせ、犬までサングラスを掛けるほど…
(飼主さんに了解を得て写真を撮らせて頂きました)
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既に大勢の人達がポリ袋を手にゴミ拾いをしていますが、それを差し引いても人出が多い。
それもそのはず、本日は三船祭の日だったんです!

三船祭とは車折神社くるまざきじんじゃの神事。
平安時代の船遊びを再現していますが、宇多上皇が大堰川で船遊びをしたことに由来しているとのこと。

↓渡月橋の南詰には見慣れないものが…
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清少納言に扮した女性がこれに乗って道中するそうです。この道中は昨年から始まったものらしく、初代清少納言は元タカラジェンヌ、今年の二代目はフルート奏者の方のようです。車折神社には清少納言にあやかって、才色兼備の御利益をいただける清少納言社があるそうなので、万策尽き果ててお困りの方は「最後の神頼み」にすがるのは如何でございましょうか(^^;;

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渡月橋西側の大堰川両岸には今や遅しと見物客が溢れています。

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清少納言は道中の後、御座船に乗り込んで
扇流しの奉納をします。

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↑御座船

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↑扇流し

100本の扇を大堰川に流すそうですから
さぞかし壮観でありましょう。

御座船のあとに続くのは龍頭船鷁首船

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↑龍頭船 (りゅうずせん)

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↑鷁首船 (げきすせん)

竜頭鷁首りゅうとう-げきしゅ)と云い
平安時代は船首に龍の頭や鷁(想像上の水鳥)
の飾りをあしらい川遊びをしたという故事
に倣い、龍頭船、鷁首船が華を添え、
その船上では雅楽に合わせて舞楽が舞われる
など伝統芸能が披露されます。

なかなか絢爛豪華な神事ですね。


ならばいっそのこと、車折神社にお詣りしましょうと、嵐電に乗って「車折神社駅」まで足を延ばしました。

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大鳥居
表参道への入口は三条通に面しています。


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境内には芸能の祖神と云われる天宇受売命を祀った芸能神社があり、多くの芸能人が玉垣を奉納しています。

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今日も芸能人の名前の書かれた玉垣の前で記念写真を撮っている姿をチラホラ見掛けました。運が良ければ芸能人と会えるかもしれませんね。

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本殿前

立て札の案内書によると、車折神社は平安時代末期の儒学者清原頼業 きよはらよりなり公を祀る…とあります。社伝によれば、後嵯峨天皇が牛車に乗ってこの社前を通ろうとした時、突然牛が動かなくなり、車の轅 ながえ(引棒)が折れたことから、車折神社と呼ばれるようになったといいます。
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パワースポット 清めの社

学問の向上、商売繁盛、売掛金回収に御利益があるといわれ、社務所で授与された小石に祈願を込め、家に持ち帰り、願いが成就したらお礼の石を一個添えて神前に返納するという慣しがあります。

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裏参道 入口

裏参道の石の鳥居にある狛犬が変わってます。普通は阿・吽の筈ですが、両方とも口を開けたなんです。
 
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迎え合わせにお互いがビックリしているようで、なんともユーモラスな狛犬です。



その狛犬さんに見送られて、ぼちぼち
寿湯さんに向かいましょう。

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15時をちょっと回った時間ですが、数名の方が開店を待っておられます。

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時間潰しに裏手に回ると立派な煙突。

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15時20分には暖簾が出ており、沢山の自転車が停められてます。

では、いざ入店です!

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あれっ?営業時間は15時30分…?
お客様の為を思ったフライングスタート。

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脱衣場には備え付けのぶら下がり健康器。
素っ裸でぶら下がる姿はちょっと異様です。

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ずいぶん大勢のお客さんが入ってます。
地元の方に愛されているお風呂屋さんです。

一通り揃っている充実の設備、湯温も適度に熱く気持ちの良いことこの上なし!

深風呂に浸かって寛いでいると…

ジェット仕様の浅風呂
目を閉じて浸かってる横顔に見覚えあり!

私が入社当時におられた大先輩に似ている。
5年ほど同じ職場でしたが、転勤の後退社されたので、かれこれ30年振りの懐かしい大先輩。

浅風呂に移動しおそるおそる
「F田さんでしょうか?」本人であってくれ…
「はい、F田ですが…」ちょっと怪訝そう…
「◯社でご一緒したOです」憶えてて欲しい…
「おお、O君か!」ホッとしました…

   その驚きの表情は狛犬そのもの。
    …というわけで、しばらく湯に浸かって
   思い出話しに花が咲く。
   御歳75歳、まだ現役で頑張っておられる。

「お住いはこの辺ですか?」
「儂、昔から車折や。君引越してきたんか」
「いえ、銭湯巡りしてますねん」
「この辺でF田と聞いて知らん奴はおらん。
    よかったらまた寄ってや」京都の愛想言葉…
「はい、有難うございます」多分行きません…

お会いしたいと思ってた人に、こんなところで会えるとは思ってもみませんでした。さすがにのぼせるので切り上げましたが、ホントはもっとお話しをさせていただきたかった。

実は先ほど車折神社で御神籤を引きました。

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中吉の御神籤には
     いつしかと 心ひかれし 花車
          わがまつかどに めぐり 来にけり
と書かれていました。

これは「長い間待ち望んでいたことが実現する」という意味らしい。

こんなにすぐに御利益があるとは⁉︎

車折神社、侮れません。

そして、、、

お互いの健勝寿ぐ寿湯
忘れ得ぬ銭湯となりました。

銭湯巡り…やめられまへん。





【寿 湯~車折 】
京都市右京区嵯峨折戸町18