イルカ達の謎
最近の小笠原は、風もなくベタ凪での海ツアーが続いていますね!
昨日も午前中に5頭、午後に11頭のミナミハンドウイルカ達に会う事ができました。
イルカ同士で遊びあって、何度も連続ジャンプを見せてくれる姿もありました!
私もお客様も、水中をみたり顔を上げてジャンプを見たりと大忙し。
大サービスのイルカ達とドルフィンスイムができ、皆さんも疲れ果てていました(笑)
そんな中、午後の11頭とドルフィンスイムをしている際にやたらと小さい赤ちゃんイルカが.......
この赤い丸で囲ってあるこの2頭なんですが、右手側がミナミハンドウイルカのY2カットというメスの個体です。
その横に泳いでいる小さな個体、私も小笠原ホエールウォッチング協会からの連絡で気づいたのですが、
どうやらハシナガイルカの赤ちゃんだそうです。
(弊社のInstagramには少しですが、動画を載せています。https://www.instagram.com/take_nature_academy/)
なぜ、別の異なる種類のイルカが一緒にいるのか。
動物界では自分の親がいなくなってしまった時には、他の個体が代わりに子供の世話をしたりする行動を、
養子取りという行動と呼ぶそうです。
去年もハシナガイルカの赤ちゃんを連れた個体が確認され、今までに観察されたハシナガイルカを
養子取りしたミナミハンドウイルカは全てメスの個体だそうです。
他にも御蔵島でも養子取りがあるそうですが、同じミナミハンドウイルカ同士で行動の様なので小笠原とまた少し違います。
小笠原では、別の種類同士がなぜか一緒にいる。
稀にですが、別種の2種類が1つのグループに交じり合っている事があります。
その際に連れてきたのか、どうなのか。
実際に私がドルフィンスイムをした際に、Y2カットが自分の下にハシナガイルカの赤ちゃんを隠して
私達に見せないような行動をしていた為、自分がこの子を守るというような感じに見えました。
ただ、今まで観察されたハシナガイルカの赤ちゃんは、ちゃんと成長した姿を確認しておらず
長くても2か月弱程の短い記録しか残っていないそうです。
このような養子取りの行動は、産んだ親が死んでしまったのかいなくなってしまった為、
ミナミハンドウイルカが代わりに面倒を見ているのかそれとも赤ちゃんイルカをわざわざ誘拐しているのか、
真相はイルカ達しかわかりません。
このような行動、やっぱりひたすらイルカを勉強してきた私にもとっても興味深い内容なので
今後も追及していきます!そしてこのハシナガイルカの赤ちゃんが立派に成長していくといいなと思います。
さゆり