Crazy for you 頑張る理由その21 ~カラユニパラレル~ | それからの成均館

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『成均館スキャンダル』の二次小説です。ブログ主はコロ応援隊隊員ですので多少の贔屓はご容赦下さいませ。

㊟成均館スキャンダルのパラレルです。
  ご注意ください。


 「私は・・・黙って座って待っているつもりはないのよ。」

 ソンジュンは朝日を見続けている。
 ユニはその横顔に話し続けた。

 「それはね、ソンジュナのことを待ちきれない、とか
  ソンジュナが忙しくて会えないことに
  不満を持つ、ということではないの。」

 我慢強さなら自信がある。
 不安になるかどうかは分からないけれど。
 だって、誰かを待つ事なんて
 ソンジュナが初めてですもの、
 そうユニは付け加えた。

 「別に高給取りじゃないし、
  大した経済力なんかないわ。
  でも、私はいつでもあなたと生きるために
  踏ん張る覚悟はあるの。
  それを一緒にできる人だから。
  だからあなたの頑張りを待ちたい。
  でもね。」

 ユニはソンジュンの横顔に囁いた。

 「あなたがどんな状況でも、
  あなたが私を必要としたときには、
  必ず私を求めて。
  私だって、あなたに頼られたいし、守りたい。
  一緒にいることでそれが叶うなら、
  いつだって私はあなたのものよ、ソンジュナ。」

 ゆっくりとソンジュンの顔が動く。
 少し首を傾げたような格好で
 ユニを見つめたソンジュンは、
 そのままかがみ込み、そっとユニにキスをした。

 俺の恋人は
 なんて男前なんだろう・・・
 待ってくれ、なんてかっこつけたが、
 崖の上に立っているような心細さなのに。
 いっていることが上手く行くかなんて
 自分でも分からないのに。
 けれど、ユニは俺を支える準備をして
 待っていてくれるのか・・・。
 俺の戦いの結果をどうこう言うのではなく・・・。

 力が湧く、というのは
 言い回しの一つに過ぎないように思っていた。
 けれど、湧いてくるものがあるのが分かる。
 初めて知った感情は、
 大学生になってからたくさんあった。
 ユンシクへの友情。
 ジェシンやヨンハへの敬意、安心感。
 両親への感謝。
 そして、恋。
 それに伴う執着、焦り、不安。
 そして、歓び、快感、温かな温もり。
 それらはすべてユニが与えてくれた。
 
 一番大切なのは、と
 ソンジュンは思う。

 誰かを大事にしよう、
 守ろう、そう思って行動する自分の方の変化だ。
 学生時代からその兆候はあった。
 ユンシクがミス成均館がらみで嫌がらせを受けていると知ったとき、
 ソンジュンは実際は何もできなかったけれど、
 手立てを講じに行くヨンハに着いていった。
 かつてのソンジュンなら、
 そんな他人事には首は突っ込まなかった。
 ジェシンの国家試験の結果も心配し、
 合格すれば共に喜んだ。
 兵役に行った二人の先輩の近況も気になった。
 そして、ユニの安全も気になるし、
 仕事が上手く行っているかも心配になった。
 もちろん、ちょっかいを出されないか、も。
 そして彼女の心の動きも。
 自分を見てくれているか、それが不安で。
 そんな心細さも知った。

 そんな感情のうねりを
 幸せだと思う。
 その幸せの大半を与えてくれている
 目の前の恋人に、
 頼れ、と言われているのだ。
 
 張り切らない理由などどこにある?
 必ず、成し遂げてみせると
 自分に誓わない理由などない。
 彼女と共にいるために
 名誉も力もいらない。
 けれど、少しでも誇りに思って貰いたい
 俺のあがきを待ってくれる君に、
 背筋の伸びた俺をあげたい。

 「必ず君に頼られる男になって、
  そして、君に頼るよ・・・。」

 少し不思議そうな顔をしたユニは、
 一拍おいてから
 満開の笑顔を
 朝日のようにソンジュンに与えてくれた。


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