ROSE~春への準備 その16 ヨリユニパラレル~ | それからの成均館

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『成均館スキャンダル』の二次小説です。ブログ主はコロ応援隊隊員ですので多少の贔屓はご容赦下さいませ。

㊟成均館スキャンダルのパラレルです。
  本筋とは全く関係ありません。


 たぶん、今、ユニの周囲が静かなのは、
 まだユニが、ヨンハの恋人、という位置に
 いるからだろう、とヨンハは思っている。

 それほど、プレイボーイの名をほしいままにした
 ヨンハの以前の姿の影響は大きいのだ。

 いずれ飽きたら、また女遊びを始めるよ。
 可哀相だけど、大変なのに捕まったよね、あの子。
 どうせそうなるんだから、楽しませてあげようよ。
 女遊びの癖なんて、直らないんだから。

 そういう声は、ツイッターの記事などで 
 ちょくちょくみられる。
 どちらかといえば、プレイボーイの毒牙にかかった
 おぼこい普通の子、というイメージで
 ユニは捉えられているのだ。

 ユンシクに時々確認させているが、
 今のところユニに対する嫌がらせなどはない。
 幼稚園の保護者に、ユニ先生、恋人できたのね、と
 興味津々の顔で言われることはあるそうだが、
 走り回る子供たちを追いかけることで、
 ごまかしてるのよ、と笑っているらしいユニ。

 婚約者として知られるようになれば、
 状況は変わるだろう。
 シンデレラストーリーに、嫉妬する人は多い。
 婚約即結婚ということにしなければ、
 婚約という、決まっているようで逆に
 宙ぶらりんな立場のユニに、
 何の横やりが入るかわからない。

 ユニさんに、
 やっぱりこれからの話をしなきゃ。
 俺の立場が変わることも言わなきゃ。
 
 ヨンハは4月から今の部署を離れる。
 ホテルの事業副部長になるのだ。
 今の事業部長の仕事を引き継ぎながら
 仕事を覚え、7月からは指示を出す側に
 ならなければならない。
 今のように暢気に週休二日を
 楽しむわけにはいかなくなるだろう。

 それこそ、ユニのマンションに押しかけるかもしれない。
 疲れをいやしてもらいに。
 ユニを呼びつけるかもしれない。
 ユニのドレスを置いているヨンハのマンションに。

 そうなったら、ゴシップ誌の
 喜ぶ写真が撮り放題だな!

 と不謹慎にもヨンハは笑ってしまった。
 どうせ一生一緒にいるんだ。
 仲良くしている所を撮られたって、
 何の不都合もない!
 ただ、ユニと結婚するまで、
 ユニの生活や仕事に支障が出るのが
 怖いだけなのだ。

 ヨンハはごろんとベッドに寝転んだ。
 すでに夜中。
 さっき電話したユニに、
 週末にまたミュージカルを観よう、と誘った。

 今回はちゃんと席を取った。
 そして、今回は、アメリカのブロードウェイの
 海外公演なのだ。
 字幕は舞台脇のスクリーンに出るが、
 英語の好きなユニのこと。
 舞台自体を楽しむだろう。

 ヨンハは目を瞑った。

 その日、第一段階のプロポーズをしよう。
 そして、事業部長になったら、
 第二段階のプロポーズだ。
 第一段階の時は、結婚する宣言。
 第二段階は、婚約式と結婚式の予定も
 決めてしまおう。
 そして

 最後のプロポーズは婚約式の日だ。
 その日に婚姻届も出してしまおう。
 婚約発表すなわち結婚発表だ。
 婚約者の時間なんかいらない。
 すでに妻になってしまえば、
 誰はばかることなく、ユニさんを守ってやれる。
 結婚披露宴は、俺とユニさんの
 都合を照らし合わせて、
 日を決めてから行えばいいんだ。

 ユニさんは承知してくれるだろうか。
 こんなに強引な俺を
 許してくれるだろうか・・・。

 焦る気持ちとは裏腹に、
 ヨンハの胸の中には、
 ユニの答えが見えない不安が
 渦巻いていた。

 


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