こんばんは。今日は、純粋に国語科専門ページです。
いつもお読みくださる音楽系の皆様は、1回休みとしてください。飛ばしてください。
中学生、小学生など、これから『少年の日の思い出』を学習する人でも歓迎です。
国語科の先生は、知っていてほしいことの確認です。
Q. エーミールの部屋をノックしたときには、まだ、エーミールの家の中(プライベートな居住区)
には、入っていない。(まだ、不法侵入していない。)
下りる階段で、「女中」さんとすれ違っているが、そこは、すでにエーミールの家の中では
ないので、「女中」さんは、主人公とすれ違っても不審に思うことはない。
中庭もあるが、「僕」は「うちの小さい庭」に腰かけていた。
ということは、どういう家の構造なのか。
A. コの字型、または、ロの字型の古いドイツの集合住宅(団地)で、大きな中庭と
いくつものの階段やドアの前の廊下が、共用スペースとして存在する。
1階の住人には、その中庭にごく小さいその家専用の
スペースが与えられている場合もある。日本の団地と違い、
1家族につき、1つのドアではなく、家族の人数や経済状況に応じて、
いくつかのドアとその中の部屋を1つの家族で借家としている。
昼間は、ロの字型の団地の住人は、どの棟のどのドアの前の廊下を通っていても、
共用スペースなので、不自然なことはない。それは、階段も同じ。
夜は、各棟の入り口に、女中さん、管理人さん、大家さんのいずれかがいて、来客を
借家人に取り次ぐシステムがあった。時代がもう少し下ると、各家庭へのベルが普及し、
その後、各家庭へのインターホンが普及するが、この物語のころは、人が取り次いだ。
だから、結論としては、「僕」は、1階に住んでいて、エーミールは、その向かいの棟の
4階に自分の専用の廊下からのドアと部屋をもっていた。事件は、そこで起こった。
エーミールの家族は、同じ棟の1~4階に別のいくつかのドア(といくつかの部屋)を
借家としている。(エーミールの部屋と続きになっている可能性も高いが、
夜の訪問の時に、取り次いでもらったような記述がないのは、気になる。
このあたりは、生粋のドイツ人にお尋ねしたい。)
夜は、家族が集まるリビングルームのドアからいったん他の住民も通行可能な
共用廊下を通って、それぞれの寝室にいくところが、日本の文化と異なっている。
室内でも靴を履いている文化もその理解を助けてくれると思った。
※教科書出版社、参考書、副教材出版社の執筆依頼受け付けます。
例によって、1件目はノーギャラで受けます。
※なお、訳者、高橋健二氏が郁文堂から1957年に出版したドイツ語テキストのコピーを
持っています。研究のためには必要だと思っていますが、ドイツ語ができなくて、
困っています。コピーを送りますので、研究のために必要なドイツ語についての
こちらからの質問に答えてくださる方を募集します。
メッセージをください。
例 「獲物を隠していた手」の「獲物」は、「Das Tier」=獣 ということなどが、
ドイツ語テキストからわかりました。
「あいつ」は、まだ探せていません。