ワインにはエチケット以外に

コルクにも

様々な情報があります。


コルクはかなり雄弁です。


参照コルク栓をマニアックに考える




フランスワインのコルクには


Mis en Bouteille au Chateau


または


Mis en Bouteille au Domaine


と表記してあることがありますよね



これは、

シャトー(或いはドメーヌ)元詰め


という意味です。



ざっくり申しますと

自分の葡萄畑で造った葡萄で

ワインを生産し、

自社の敷地内で瓶詰めすること。



1900年代初めまでは

ネゴシアンに樽で販売していました。


ネゴシアンによる

不正なブレンドが横行していたそうです。





私は驕ったことに、ずっと

シャトー元詰めは

当たり前のように受け止めていましたが




いつだったか

マルキ・ダンジェルビルの

ワインをいただいている時


ブルゴーニュで

ドメーヌ元詰めを初めて行ったのが

ダンジェルビルさんだと伺い、


つい先日アルマン・ルソーに

あいまみえた時


そういえば

ダンジェルビルさんと同時期に

Mis en Bouteille au Domaine

をはじめたのは、

ルソーさんだったよね?

と確認作業を行なって



そーなのだ

それまでは専ら

ネゴシアンの仕事だったのだ



と、その時代のワイン状況に

想いを馳せたわけです。





その昔。


商慣習上

元詰めはタブー視されていた中


ブルゴーニュでは

アルマン・ルソーはじめ、

ダンジェルヴィル、グージュ、グリヴォらは組織を結成して

1915年に元詰めを実現しました。


1930年代から定着しています。


ブルゴーニュワインの品質向上に

大きな貢献をしたわけです。




ボルドーではブルゴーニュと

販売量が違うこともありますし

足並みが揃うまで色々あります。






シャトーラフィットでは

既に1834年頃から

一部ではシャトー元詰を

始めていたとされます。


ネゴシアンを介さない、

ワイン商に対する

直接販売に力を入れ始めたのは1923年。


パリのワイン商ニコラと取引を始め

次年には取引先を拡大

更に1925年に

オランダのネゴシアンと取引を始め

ボルドーのネゴシアン達による、

不正クパージュ(ブレンド)の

被害を受ける危険性が少なくなりました。




ムートンロートシルトは

1902年から顧客の求めに応じて

シャトー元詰を行っていたようであり

フイリップ・ド・ロートシルトは

1920年頃、一級シャトーに呼び掛けて

元詰を提案したとされ、

1924年から毎年全量をシャトー元詰とします。

マルゴー、オーブリオンも

同年にシャトー元詰に同意しています。




シャトー、ドメーヌ元詰は

1972年にめでたく法制化されました。








Mis en Bouteille au Chateau



美味しいワインにありがとう