あああああシャトーディケム


私にとって「運命の一本」である、

ポムロールの「さるワイン?」とはまた、

別の想いをいだかせてくれる、

違うカテゴリーに燦然と輝いているワインです。




神聖なるシャトーディケム。

どのようなワインなのでしょうか。

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シャトー・ディケム


シャトー・ディケム(Ch. d'Yquem)は、

フランスのボルドー、アキテーヌ地方ジロンド県ソーテルヌ村の、中央に位置します。


数百年の歴史を誇るボルドーでも

最も古いシャトーのひとつ

世界最高の極甘口白ワイン、

貴腐ワイン

生産者として知られる、

リュル=サリュース家の所有です。



🍇セミヨン 80

🍇ソーヴィニョン・ブラン 20 


1855年の格付け

ジロンド県産白ワイン部門では、これを凌ぐものはない最高級品ということで

特別に指定されています。


メドックが1級から5級まであるのに対し、

ソーテルヌは1級と2級のみです。


1級と2級は、合わせて26シャトーが格付けされていますが、

ディケムはそのどちらにも属さず、

唯一の「特別1級」というところに格付けされているのです。





貴腐とは


なんといってもその貴腐葡萄。

高貴なる腐敗。

貴腐ワインとは、簡単に申しますと、


ぶどうに貴腐菌

ボトリテス・シネレア菌─テストにでますよ、覚えてねww)

がつくと、葡萄の皮に穴があき、

水分が蒸発して、果実の糖分やエキス分が

凝縮された貴腐ぶどうができます。

一見干し葡萄のような感じです。


この葡萄からつくられるので、当然のこと、

非常に凝縮した、はちみつを思わせるようなトロリとした甘さを持ち、

しかも適度な酸味が保たれた、極上な味わいを持つことになるのです。


アイスワインのようなものとは違いますよ。

貴腐菌による、グリセリングルクロン酸などが育成され、複雑な風味を得るのです。



ええと。

全く簡単な説明なのですが、

現実はこんなに簡単ではございません(笑)。




因みに

世界三大貴腐ワインと、

言われるものがあります。



銘柄でいきますと、



ドイツ🇩🇪

トロッケンベーレン

アウスレーゼ


ハンガリー🇭🇺

「トカイ」の、

トカイ エッセンシア


そしてフランス🇫🇷

「ソーテルヌ」の、

シャトー・ディケム



中でもディケムの創り出す貴腐ワインは、

貴腐ワインの帝王と言っていいでしょう。


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ディケムの誇り


通常、ボトル本分のワインを作るには、

葡萄の木本を必要とするといいます。


このシャトー・ディケムの場合はなんと、

葡萄の木本で、グラス1の量しか作らないのですよ。

どれだけ貴重なのでしょう!



貴腐菌はカビの一種ですので、

菌が繁殖しやすい適度な湿気が必要ですが、

それも条件が色々あります。


夏の晴天が多く、秋口に朝靄が立ち

午後晴れる気象で、水辺であること。

いつでも微風が吹き、湿り過ぎないこと。


まだあるのですが。


これらの、すべての条件を満たして

初めて、貴腐菌が付く(寄付金、と変換されるが違う)のです。




シャトー・ディケムを取り囲む森は

川にはさまれ、年間92日間に及ぶ霧が発生するといいます。


それでもいつでも上手く貴腐菌が付くとは

限らず、

付いたとしても秋口の雨で、菌が流されてしまうこともあります。




ディケムに相応しい葡萄を収穫できない年、

ディケムの品質に達しない、と判断された年は、ディケムはワインを生産しません


リリースされないヴィンテージがあるのです。


1930年   1951年   1952年 

1964年   1972年   1974



これらの年では、ディケムそのもののワインが造られおらず、

つまりこのヴィンテージの

シャトー・ディケムは存在しません



ディケムでは、

葡萄は、粒単位で丹念に手作業で

選別されます。


オークの新樽で3年熟成された後、瓶詰めし、葡萄の木の樹齢を高く保つようにし、

畑に何回も通って、

房の中から完熟した貴腐果粒だけを摘む、という特殊な摘果方法、

云々。


やたらめったらに、品質保持は厳密に行われております。



そのように、

リュル=サリュース家の、完璧な作り方によって

熟成に軽く20年以上かかるとされ、

100年を超えても輝きの失せないワイン✨です。



良いヴィンテージのものは、

50年を超えてもまだまだ新鮮さを保っている、とか。


私事ですが、

ワタクシの生まれ年、ソーテルヌ地方の当たり年です。

とても手を出せる価格ではございません

まだまだ、新鮮なのでしょうね。


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このグリセリン具合は何事
幼い頃の息子の持つのはオレンジジュースです




魅せられる甘さ


全く、

めったに口にできるものではないのです。


私は甘党ではないのですが、

ディケムの甘さは別格です。


何でしょうか

お茶が無くてもいくらでも食べられる、

高級羊羹というか、違うかな。

ベタつきのない、極上の上品な甘さ、

洗い流す必要が全くない甘さ。




我が家で、あるワイン好きの友人に、

ディケムを振る舞ったことがあるのですが、

彼はディケムが初めてで、その魅力的な甘さに魅せられていました。


自宅に帰り、奥様に告げられたそうです。


「もう、しばらくは歯を磨かない、うがいもしない。酔っ払い」と。


やはりワイン好きの奥様の方から、

そのようにメールで報告がありました。


「なぜ私も呼んでくれなかったのムキーと、加えられて。



そうですよね。ごめんなさい笑い泣き


きっと旦那様は、何日か余韻を楽しまれたことでしょう。


偉大なワインって、そういうものです。